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【世事関心】東シナ海をめぐる日中の攻略(下)ー尖閣諸島をめぐる火花

2010年12月06日

 【新唐人日本2010年12月7日付ニュース】海を隔てて向かい合う、中国の東海艦隊と日本の“八八艦隊”。中国軍と海上自衛隊の軍艦の対決はいかに?世界が注目する中国の空母建造は、東シナ海の戦略にどんな影響をもたらすのでしょうか。“世紀の激戦”の第4回、“東シナ海をめぐる日中の攻防”の後半をご覧ください。

 
【司会者】中国軍は潜水艦のほか、水上戦闘艦においても、野心的な建造計画があります。新たな大型軍艦の投入に伴い、海軍の使命と戦略的な役割には変化が生まれてきました。
 
日本は周りを海に囲まれている島国。一方、中国は北から南まで1万キロに及ぶ海岸線を持ちます。そこで両国には、海の安全や権益面で、多くの思惑があります。国の命運を握るともいえる海軍ですが、本日は、両国の海軍について掘り下げていきます。
 
【ナレーション】中国の海軍は、大きく5つに分かれます。
 
水上戦闘艦部隊、潜水艦部隊、海軍航空隊、沿岸警備隊、陸戦隊です。戦力で分ければ、北海・東海・南海の3つで、日本には東海艦隊が向き合います。
 
三大艦隊のうち最初に創設されたのが東海艦隊。防衛範囲は、台湾海峡の南端から江蘇省までの東シナ海と黄海で、台湾と日本を含みます。
 
東海艦隊の作戦任務には優先順位があります。第一が沖縄の米軍基地。通常、偵察や警戒を行い、戦時は、その作戦装備を破壊します。
 
第二が日本の海上自衛隊。東シナ海で起こりうる海上の局部戦争に対応します。第三が台湾。中国上層部がいったん決断すれば、東海艦隊は南京と広州軍区にいる陸軍の兵力と共に、台湾を攻撃。同時に、北海艦隊が日米の軍事介入を防ぎます。
 
東海艦隊の各種軍艦は500隻余りで、三大艦隊の中で最大の数を誇ります。その編制とは、護衛艦と駆逐艦の混成部隊1隊、護衛艦部隊1隊、潜水艦部隊1隊、揚陸艦部隊1隊、モーターボート部隊1隊。ほかに、海兵旅団1隊と海軍航空師団が3隊。
 
水上戦闘艦では、“ソヴレメンヌイ級”駆逐艦が最も戦闘力を持ちます。
 
 “ソヴレメンヌイ”級駆逐艦は旧ソ連が開発。最大排水量が8400トン余りに達し、アメリカの“タイコンデロガ級”ミサイル巡洋艦に相当。対艦能力が突出しており、“SS-N-22”型超音速対艦ミサイルを8発装備。
 
これは命中率や防衛突破能力、殺傷力が高いうえに、100キロ以上離れた大型の水上戦闘艦に致命的な打撃を与えられます。ここから90年代以来、東海艦隊がずっとアメリカの空母を目標にしてきたことがうかがえます。中国の軍マニアからは“空母の天敵”とさえ称されました。
 
評論家 文昭氏
「今見てみると、“ソヴレメンヌイ”級駆逐艦の対空母力は高くありません。“SS-N-22”ミサイルは威力は大きいものの、射程は短いですし、空母への攻撃は主に艦載機です。攻撃半径は1,000キロ余り、“ソヴレメンヌイ”では空母に届かずやられます。“ソヴレメンヌイ”駆逐艦はロシア海軍の対空母戦術の一部に過ぎません。それだけで空母の天敵とはいえないでしょう」
 
東海艦隊で、注目を引くのが少なくとも4隻はある“江凱II型”と呼ばれる054A型のミサイル護衛艦。建造費用は1隻当たり日本円で約200億円。中国軍で最も高価で進んだ護衛艦です。
 
この護衛艦の特徴は、強力な防空能力です。照射レーダーと艦対空ミサイルを備え、空とミサイルの攻撃に備えます。
 
“ソヴレメンヌイ”級駆逐艦は“江凱II型”護衛艦と混合で艦隊を編制。ここから、東海艦隊が遠洋へ発展しようとしている意図がうかがえます。
 
国際評価戦略センター フィッシャー氏
「水上戦闘艦といえば、中国の軍艦の先進性も日本に近づいています。日本の弱点は艦隊をサポートし、対潜保護能力を持つ空母がないことです」
 
日本にとって、原子力潜水艦や空母といった攻撃型の武器の建造は、“平和憲法”により許されません。また、海上自衛隊の艦隊は通常、“八八艦隊”と呼ばれます。
 
 “八八艦隊”の概念は、20世紀初頭の“日露戦争”で誕生。軍艦8隻と巡洋艦8隻からなる、艦隊の整備計画を意味します。戦後日本は、海軍を解散したものの、その後創設された海上自衛隊も、“八八艦隊”の名を受け継ぎました。
 
日本の海上自衛隊は、中国軍よりも規模が小さく、160隻ほどの艦艇と4万名余りの隊員しか持ちません。海上自衛隊の核は駆逐艦です。
 
現在の“八八艦隊”とは、海上自衛隊の3つの主力編制がどれも、水上戦闘艦8隻と艦載対潜ヘリコプター8機からなることを意味します。
 
しかしその後、この種の編制方式が変わります。“イージス”システムを搭載した“こんごう型”護衛艦が加わるなど、艦艇と戦闘機の数がそれぞれ9隻と10機に増えたものの、海上自衛隊は、引き続き“八八艦隊”の名称を使いました。
 
【司会者】中国海軍の遠洋作戦能力の向上につれて、太平洋西部の勢力図にも変化が生まれます。これは各国の心理にも影響しました。
 
では、中国にとって、海洋の戦略的利益とは何なのでしょうか。何を使って、目的を達しようとするのでしょうか。
 
評論家 文昭氏
「中国は戦略的目的を達するために、進んだ原子力潜水艦と水上戦闘艦と空母を用います。中国の海上利益はまず燃料の輸送ルート。中国は今、ほぼ原油を輸入に依存し、中東、アフリカどちらもインド洋からマラッカ海峡を通ります。中ロ間には石油パイプラインが出来ているものの、中ロ関係は磐石ではありません。でも日本、韓国、豪州も同じく、中東の石油に依存しています。中国が南シナ海を制御して、マラッカ海峡を威嚇できれば、これらの国の利益を脅かします。共産党の考え方や歴史から、中国の軍事力を善意でとらえられません。地域の軍拡を起こす恐れがあります」
 
水上戦闘艦は海軍力の中心で、防空、対潜、対艦という全面的な海上任務を担います。ロシア産の“ソヴレメンヌイ”のほか、中国軍は、国産の水上戦闘艦でも一定の発展が見られます。
 
“旅洋II型”と呼ばれる052C型駆逐艦が中国軍の最先端の現役駆逐艦です。排水量は5900トン、中国軍としては初めて、AN/APG-73レーダーと対空ミサイル垂直発射システムを備えました。
 
このレーダーは日米の“イージス”システムと似ており、旧式のアンテナ回転式のレーダーと比べると、探測距離がずっと長く、同時に複数の目標の追跡・迎撃が出来ます。
 
4秒~5秒の間隔でミサイルを発射するシステムも備えるので、空からの飽和攻撃にも大いに耐えられます。
 
この典型的な防空型駆逐艦が、遠洋海軍のために準備されたことは明らかです。これにより中国海軍は、国土をはるかに離れても、敵の空からの攻撃に対抗する力を持てます。現在、052C型駆逐艦は合わせて2隻で、南海艦隊に属しています。
 
052C型駆逐艦と相対するのが、海上自衛隊のミサイル駆逐艦“こんごう型”護衛艦。これは、世界で2番目に“イージス”システムを採用した水上戦闘艦で、“八八艦隊”の防空力の中心です。日本が戦後建造したなかで、トン数、攻撃力、性能共に一番の駆逐艦です。
 
90に及ぶ垂直発射システムは通常、74発の “スタンダード2(SM-2)”ミサイルを搭載し、艦隊の外側の防空を担います。“イージス”システムの誘導で、30余りの空中目標の迎撃が可能。毎秒1発の速度で、敵の戦闘機とミサイルに対し、激しくミサイルを浴びせます。
 
評論家 文昭氏
052C型の実際の性能の検証は少ないです。日米海軍と違い。演習が少なく、透明度も低いから、資料だけで比べて見ると、“こんごう”の建造費は052C型よりも高いですが、作戦能力は052C型より高く、攻撃力も052C型の2倍です。まずミサイル搭載量が多い、第二にミサイル発射間隔が短い、052C型も垂直発射システムですが、これは“冷発射”です。まず高圧気体でミサイルを弾き出し、点火します。 “こんごう”は熱発射なので、直接点火できスピーディーです」
 
旧ソ連の時代、日本は防衛の重点を主に、対馬海峡、津軽海峡、宗谷海峡におき、旧ソ連の太平洋艦隊の脅威に備えていました。その作戦使命は領海の防衛、1,000海里の海上交通ラインの保護、そして戦時、日本が敵から封鎖されないようにすることです。
 
1,000海里以外の交通の安全は、アメリカが担います。しかし旧ソ連崩壊後、北方の脅威が薄れる一方、中国の海軍力が増してきたため、海上自衛隊は防衛の重点を南に移し始めます。
 
2010年の尖閣諸島沖の衝突事件を受けて、防衛省は西南端の与那国島に陸上自衛隊を配備することを決定。近い将来、石垣島と宮古島にも兵力を配備するかもしれません。
 
一方、自衛隊の力を試すような行動が中国軍で活発です。2010年4月、沖縄本島と宮古島の海域で、潜水艦2隻、“ソヴレメンヌイ”級駆逐艦2隻、護衛艦3隻など合計10隻の中国軍艦隊が出現。公海とはいっても、前代未聞の規模でした。
 
しかもこの間、中国軍の艦載ヘリコプターが自衛隊の軍艦からわずか90メートルの距離を旋回。7月、中国の軍艦は再度、宮古海峡を越えました。最近の中国海軍の活発な動きに、一部の軍事専門家は心配を隠せません。
国際評価戦略センター フィッシャー氏
「確かに中国は黄海や東シナ海、南シナ海への野心があります。これは具体的な政治・軍事的動機からです。だから私から見ると、2010年の一連の出来事は衝突のきっかけだと思われます」
 
軍事専門家 小川和久氏
「中国の海軍力を中心とする軍事力の増強について、我々はどういうふうに眺めていったらいいのかという話しですよね。中国が例えば、日本の周りで今年の春、十隻の海軍の艦隊が沖縄のそばを通っていく沖ノ鳥島の周りでデモンストレーションをする。日本では“中国の軍事力は脅威だ”という声が高まるわけです。しかし単純に軍事的脅威だといっていても、始まりません。日本と中国は隣同士の国ですから、やはりお互いに仲良く発展するようにしなければいけない。ただし、尖閣については日本の立場というのは、はっきりしているし、やはり自衛隊の基地をおくと思います。あそこにあるいは米軍の基地をおくかもしれない、あまり勝手なことをやってもらっては困るというのが、アメリカの気持ちだし、中国があまり変なことをやると、それこそ極端にいうと。昔の軍国主義を思わせるような軍事力の増強に走ったら、どうするのかと中国と米国は言っています」
 
太平洋西部の軍事勢力図において、別の重要な要素となるのが空母です。ロシアは空母を有するものの、太平洋艦隊には配備していません。タイにも小型空母がありますが、象徴的なものにすぎません。
 
韓国の“独島”級揚陸艦は、ヘリ空母です。日本は空母建造の技術と経済力を持つものの、憲法の制約で造れないため、大型のヘリコプター駆逐艦や揚陸艦などを建造。この地域で、戦略的空母攻撃群を持つのはアメリカのみなので、いったん中国が空母を手にすれば、この勢力図は変わります。
 
軍事の世界ではよく、ある武器を制するのに最適な道具は、その武器自身だといいます。
 
例えば、戦車に対する最も有効な武器は戦車であり、潜水艦に対する最も有効な武器はさらに進んだ潜水艦であり、射撃手への有効な手段は、もっと優れた射撃手です。
 
同様に空からの攻撃に対処する最も有効な武器は、戦闘機自身です。様々な防空戦術がある中で、アメリカなどの軍事強国が重んじているのが“攻撃による防空”。つまり、最新の戦闘機と武器を使い、自ら敵を探しに行って、敵の飛行機を撃退します。
 
つまり、戦場を敵のほうに移動させます。自分たちの艦隊が敵の飛行機に脅かされる前に、敵を粉砕してしまうのです。これこそいわゆる“攻撃こそ最大の防御”です。
 
日本は、高い防空能力を持つ“こんごう級”駆逐艦など、世界一流の駆逐艦隊を持つものの、空母がありません。よって、遠洋作戦では受身で、敵機の襲来を待つほかはなく、自ら敵機を襲撃することはしません
                              
つまり厳密にいえば、日本の艦隊の安全な活動範囲は、国土の航空兵の能力が及ぶ範囲に限られます。
 
日本はヘリ空母を持つものの、艦載ヘリコプターには、通常、救援や対潜、そして限られた対艦の役割しかありません。空中戦と陸地への攻撃の力はないので、ジェット戦闘機を搭載する空母とはまったく比べ物になりません。
 
つまり、ヘリ空母は戦術的な海軍兵器に過ぎないのです。逆に空母には特別な戦略的意義があるので、中国の空母建造が、各国の高い関心を呼びました。
 
国際評価戦略センター フィッシャー氏
「中国は今、最初の空母を完成させています。その前身はロシアまたはウクライナの“ヴァリャーグ”で、今、大連で建設中です。中国にはあと4隻、自分で設計した空母があるでしょう。戦闘機や警戒機、対潜機を載せられます」
 
軍事専門家 小川和久氏
「それらは我々日本もアメリカも台湾も注意してみているけれども、(中国に)どれくらいの能力があるかというと専門家の間では評価が違うのですね。例えば航空母艦にしても、本当にアメリカの機動部隊のように使おうとしたら、全部で最低9隻は要る。航空母艦です。航空母艦を守る護衛艦の部隊をそれぞれ5~6隻から7~8隻をつける戦闘機も載せなくてはいけない。すごいお金がかかりますよね。中国人民解放軍が2年間くらい、ご飯食べずにいなければいけないくらい。お金がかかります」
 
通常、装備にはメンテナンスが必要で、兵士も訓練と休養が必要です。そこで、空母1隻を常に臨戦態勢におくためには、実際のところ、2隻から3隻の空母が要ります。現在の中国の経済力を考えると、中国軍がたとえ空母を建造しても、しばらくは、東シナ海の勢力図を根本的に変えることはないだろうと小川氏は指摘します。
 
軍事専門家 小川和久氏
「空母機動部隊というのは3つ持って、1隻を常に南シナ海で展開しておく。というようなことは、やりたいでしょう。これをやることによって、中国の存在というのが明らかになるし、威信にもつながるし、中国にとってはプラスの面もある。ただ3隻位の空母とその機動部隊を持って、そのうちの1つのグループしか、これは日本にとっては脅威ではない」
 
【司会者】小川氏は中国軍の空母の脅威に対して楽観的な見方を示しました。その理由のひとつが日本の進んだ空軍力。守りが強く、攻撃に弱いのが日本の特徴です。
 
遠距離ミサイルや空母のような武器を持たないため、日本の自衛隊は現在、戦略的な攻撃の力を持っていません。しかし、国土航空兵と進んだ軍艦からなる防衛圏では、自衛隊は決して侮れない精鋭部隊だといえます。
 
航空自衛隊の所有する400機余りの作戦機のうち、大部分はアメリカの技術や部品をもとに、自分で組み立てるか、模造したものです。ただし日本は世界屈指の技術力を誇るので、主力戦闘機のアップグレードができます。そこで、逆にアメリカを支援する技術分野さえあります。
 
日本の戦闘機の主力は約200機のF-15戦闘機、90機余りのF-2支援戦闘機、このほか早期警戒機や偵察機、電子戦機と後方支援機があります。
 
そして何といっても、沖縄駐留の米軍です。沖縄の嘉手納空軍基地に配備されたF22戦闘機は、新型の戦闘機で、米軍が21世紀、制空権を奪う決め手となりました。
 
世界の軍事強国の主力戦闘機よりも丸々一代は進んでおり、猛禽類という意味の“ラプター”と称されています。
 
このほか、日本はすでにアメリカから新型のF-35戦闘機を購入することを決定。奇妙な外観を持つこの戦闘機は、垂直に離着陸ができます。F-22との組み合わせで、巨大な空中攻撃力を持つことになります。
 
一方、中国軍の最新の戦闘機は、瀋陽飛行機会社が生産した“殱-11”。80年代のロシアの“Su-27”を発展させたものです。
 
もう1つが成都飛行機会社が生産した“殱-10”。しかし、この2種類とも、総合的な作戦能力は、F-22やF-35よりもはるかに遅れており、F-15やF-16にさえ及びません。
 
中国軍がたとえ空母を日本の近くの海域に出せても、艦載機をすべて上空に飛ばせても、制空権を奪うのはきわめて困難でしょう。
 
【司会者】中国軍にはいまだに、進んだ原子力潜水艦がまだ少なく、戦闘機も日米に比べると半世代から一世代は遅れています。水上戦闘艦も優位ではありませんが、この状況を中国軍はどう変えようとしているのでしょうか。
 
2010年4月、中国軍の潜水艦、駆逐艦、護衛艦からなる艦隊が宮古海峡を通過。前代未聞の規模のほか、その編制や中国軍の狙いなどが高い関心を呼びました。
 
評論家 文昭氏
「恐らくその狙いは、中国軍は単独の装備で日本より遅れています。でもうまく組み合わせれば、局部的に優位に立って、敵の防衛線を超えられます。例えば“キロ”級潜水艦はディーゼル潜水艦で、航続距離が短いものの、駆逐艦や護衛艦で護衛できれば、敵の艦艇と対潜機を追い払い、十分進んでから。また潜れば脅威になります。この考え方はよいのですが全体、立体的な作戦能力が必要です。中国軍は今、この訓練を重視し始めています。共同作戦能力といえば、中国と日米の間の差は単独の装備よりも大きいです」
 
日本にある日米両軍の空軍基地はほぼ、中国軍の戦術ミサイルの射程範囲におさまります。
 
弾道ミサイルは発射されてから5~6分で目標を攻撃できます。日米には進んだ戦闘機があるものの、先に敵からミサイルで飛行場を破壊されてしまえば、この種の優位は大きく失われます。
 
そこで日米は警戒、偵察、情報交換能力を重視します。スパイ衛星や高度偵察機、警戒機、艦載・地上レーダーなど、日米は太平洋西部に発達した警戒・監視ネットワークを有します。
 
警戒機と“イージス”駆逐艦、どちらも各種作戦を指揮したり、情報交換をスムーズにしたりする役目があります。わずかなダメージによって、指揮システム全体が麻痺しないようにする役割もあります。
 
しかも、日米両軍は定期的に合同軍事演習を行い、新たな装備と戦術を訓練し、共同作戦能力を磨いています。
 
【司会者】日中両国は一衣帯水の隣国です。島国の日本は、乏しい資源と国防の安全に対する不安から、歴史的に“大陸に向けた”拡張戦略をとってきました。このような地理的条件が日中間の互いに争いあう宿命を招いたという言い方もあります。
 
評論家 文昭氏
「地理的条件決定論は単純すぎるし、史実にも合いません。戦争の勃発には別の要素も要ります。つまり片方が危険な思想に支配されている点。欧州を例にすれば、英国と欧州の地理関係が日本と中国に似ています。19世紀初めナポレオンの戦争で英国は10年余り、戦争に巻き込まれました。ナポレオンが負けても、英国と欧州の地理的構図は変わらず、100年平和が続きました。ヒトラーの台頭も同じです。第二次世界大戦後も、英国と欧州の地理的構図は同じでした。市場経済と民主思想が優位にあったので、平和が今日まで続いています。米国とカナダメキシコの関係も同じです。両国に近い米国の強大な軍事力はカナダやメキシコの不安を招かず、逆に両国の安全を強固にしました。国際関係において、イデオロギーや文化の要素はきわめて重要です。戦中、危険な思想は日本にあったものの、今日、危険で狭隘な民族主義は中国にあります」
 
【司会者】経済のグローバル化が進む今日、日中はこれまでになく平和に共存する必要と条件に恵まれています。
 
民族主義には合理的な一面がある一方、いったんそれが権力者の手に渡れば、権謀術数の道具と化してしまいます。自国が強大な軍事力を備えることは軍事マニアの願いですが、老子はこんな言葉を残しています。
 
武器は不吉な道具であり、聖人はやむをえない時にしか使わない。東シナ海の平和こそが日中両国の人々の幸せなのです。
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