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【禁聞】市民の心を蝕む「切り付け」恐怖症

2014年03月21日

【新唐人2014年3月21日付ニュース】3月1日の雲南省昆明市での無差別殺傷事件以来、中国の治安問題が国内外で注目されています。中国では「切り付け」と聞いただけで人々がパニックに陥り、必死に逃げ回る異様な光景まで現れています。後を絶たない抗議や暴力事件によって、人々は当局を信用しなくなりました。このようなパニック心理の背後にあるのは、人々の社会に対する不安感であると言われます。

 

昆明駅での無差別殺傷事件から半月以上過ぎましたが、中国人の心の中は依然として恐怖感に覆われています。「人が斬り付けられた」と噂で聞くだけで、パニックに陥るのです。

 

ラジオ・フリー・アジアによると、3月15日午前、広東省広州市の衣類卸市場で警備員に捕まえられたスリが逃げようとして、突然「人が切りつけられた」と叫んだところ、周りの人たちがパニックを起こして逃げ回りました。現場の目撃者によると、当局は大勢の特殊警察と武装警察、消防車、防弾車を出動させましたが、嘘の情報と分かり、1時間後に撤退したそうです。

 

四川省成都市でも同じ事がありました。中国メディアによると、14日午後、成都市の繁華街で突然数百人が必死に走り出す光景が見られました。地元警察によると、当時「人が切りつけられた」との噂が流れたのが原因だそうです。

 

「六四天網」創設者 黃琦さん

「多くの人が・・・とにかく混乱していました。当事者はすでに刑事拘留されたそうです」

 

ボイス・オブ・アメリカは中国のメディア関係者のブログを引用して、事件の経過を紹介しました。それによると、「少数民族の人たちが歩いているのを見た成都市民が、怖くなって走り出した。少数民族の人たちは市民らが走るのを見ると、わけも分からないまま、一緒に走り出した。それを見て、成都市民たちはさらに怖くなって、叫びながら走り出した。そして町中の人たちが走り出した・・・」

 

なぜデマ1つに中国の人々はこれほど動揺するのでしょうか。「人が切りつけられた」と聞くだけで、パニックに陥るのは、中国の人々が抱いている強い危機感の現れだと言われます。

 

「六四天網」創設者 黃琦さん

「周知の通り、今の中国では事件が多発し、社会安全に対する民衆の不信感を招いています。原因は中国社会の秩序の不安定で、民衆もこの不安定が原因で、社会秩序や当局の指導能力にも不信感を抱いています。だから噂だけでも、信じてしまうのです」

 

一方、中国当局は各地で警備を強化し、近日は武装パトロールを日常化すると発表しました。しかし、警備の強化はかえって、市民のさらなる不安を招いています。

 

「六四天網」創設者 黃琦さん

「成都でも武装した警官が巡回しており、最近は特にそうです。しかし治安維持には大して効果はなく、民衆の恐怖心理をかえって助長しています。警察が武装すると、民衆は自ずと色んな事を連想します。警備の強化によって、噂がさらなる社会騒動を引き起こしかねません」

 

また、当局は治安維持に毎年8000億元近い経費を費やしているのに、なぜ社会がますます不安定になるのかと疑問を投げかけるネットユーザーもいます。

 

「六四天網」創設者 黃琦さん

「社会底辺の民衆の権利が損なわれると、民衆は必然的に抗争を続けます。これが中国大陸の各種問題の根本的な原因です。民衆の権益を保護してこそ、権利侵害問題を解決してこそ、中国社会が平穏になります」

 

広東省の人権活動家、郭建和さんは、当局が断定したいわゆる「テロ事件」はいずれも劣勢におかれた庶民が訴えるところを失い、絶望の末に選んだ反発行為であると示します。この種の暴力事件は当局の高圧政治のヒートアップとともにさらに増えるだろうと述べました。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2014/03/18/a1083252.html  (中国語)

(翻訳/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)

 

 

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