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【禁聞】中国のNGOの実態とは

2014年04月03日

【新唐人2014年4月3日付ニュース】スイスのジュネーブで先日開かれた国連人権会議でスパイ事件が発生しました。中国のNGO団体の代表として出席した中国人男性が、会議の規定を無視して写真を撮った事で、会議の出席資格を取り消されました。アナリストは、中国のNGOの実態は中国共産党の情報収集機関であると指摘します。

 

3月19日、国連人権会議で、中国のNGO団体の代表として出席した中国人男性が、中国で投獄されている民主活動家、王炳章さんの娘、王天安さんをタブレットで撮影しました。国連の職員に阻止された後も、タブレットをジャケットの中に隠して撮影を続けましたが、再び発覚。国連は男性の行為は恐喝行為にあたるとして、会議参加を禁止しました。

 

カナダ生まれで今年24歳の王天安さんは、2002年にベトナムから中国に強制連行され、終身刑を言い渡された父親の釈放の為に、奔走しています。王さんによると、写真を撮った男性は「中国チベット文化保護と発展協会」の代表だそうです。王さんはカナダ通信社とテレビ局の取材の際、この男性の行為は一種のスパイ行為であると示しました。

 

元中共諜報機関職員 李鳳智さん

「異見人士に対する中共の監視はずっと行なわれています。国内はもちろんの事、国外ではなおさらです。ただ今回のやり方はちょっと愚かで、大胆にも皆の見る前で写真を撮りました」

 

王さんは今回、非政府組織「国連観察(UN Watch)」の要請で今回の人権会議に参加しました。3月18日、王さんは中国の刑務所に長期にわたって監禁されている父親の件および中国の政治犯問題の証言を行なう時に、中国側代表の妨害に遭いました。

 

「国連観察」の執行主任ノイアー氏(Hillel Neuer)はニュース原稿の中で、「この事は意図的な恐喝行為で、我々が要請した代表と国連の人権機構との協力に対する報復が目的である」とコメントしています。

 

一方、国連人権理事会はこの男性の名前の公開を拒んでいます。SNSに投稿された情報によると、男性は「中国チベット問題専門家」朱暁明で、中国共産党中央統一戦線部民族宗教局の局長、中国チベット学研究センターの共産党書記などの職位を歴任したそうです。

 

米NY市立大学政治学教授 夏明さん

「中国がNGOを通じて、派遣している人はほとんどが統一戦線のために監視や情報収集を行っています」

 

「ニューヨークタイムズ」は、国連報道官の発表として、男性は28日までの会議参加資格が取り消され、国連ビルの進入も禁止されたと報道しました。

 

報道ではまた、「中国チベット文化保護と発展協会」は北京の統一戦線部近くのセキュリティが厳重なビル内にあると伝えています。

 

公開資料によると、この協会の名誉会長は中国統一戦線部の元部長の杜青林と、チベット自治区の元共産党書記の熱地(ライディ)。会長は現任の全国政治協商会議副主席の帕巴拉•格列朗傑(パバラ)氏。統一戦線部の元副部長、朱維群も協会の副会長の1人です。

 

元中共諜報機関職員 李鳳智さん

「中国には真の政治性のNGOはありません。どれも共産党の外郭機構で、NGOという羊の皮を被った共産党の狼なのです。任務は情報収集で、諜報活動に近い情報収集です」

 

報道では、今回の事件によって人々は、NGOを名乗る一部の組織が中国当局の政治目標のために動いており、さらには中国当局に不利な人たちを監視している事に気づかされたと指摘しています。

 

米NY市立大学政治学教授 夏明さん

「これは孤立した事件ではありません。恐らく中国のどのNGO代表団にも国家安全部、統一戦線部、宣伝部、総参謀部、軍系統、公安部門が派遣した遂行人員が入っています。団員を監視、管理、コントロールすると共に情報収集しているのです。同時に海外の民間に浸透し、海外の公益社会またはNGO組織の責任者をブラックリストにリストアップし、彼らの中に浸透または彼らを抱き込むのです」

 

「国連観察」は、写真を撮った男性に対する処分だけでは不充分で、所属団体の「中国チベット文化保護と発展協会」の会議参加資格も剥奪すべきだと考えています。しかし、国連はこの協会の会議出席を禁止しませんでした。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/03/29/atext1090475.html (中国語)

(翻訳/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)

 

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