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【禁聞】趙紫陽の息子「歴史の隠蔽は国の恥」

2014年05月23日

【新唐人2014年5月23日】天安門事件25周年を前にして、共産党の元指導者、趙紫陽の末っ子、趙五軍さんが評論を発表し、当局がこの冤罪に歴史を隠蔽するのは国の恥でしかないと批判しました。一方で、当局が進んで天安門事件を再評価するはずがないとの声もあります。

 

25年前、趙紫陽共産党元総書記は、学生への軍事弾圧に反対したため失脚し、その後、2005年に亡くなるまで軟禁されていました。元総書記の末っ子、趙五軍さんは先日、香港メディアに対して、「学生を殺さないよう訴えたことを父親は一度も悔いていない」と述べました。

 

元総書記の生前の録音によると、最終的に武力弾圧を命令したのは鄧小平でした。

 

趙五軍さんは、学生の平和的なデモの解決方法において、父親は鄧小平に妥協できなかったと指摘します。2人は、最低限守ろうとするモラルが違ったからです。当局が趙紫陽の件に関し、沈黙を続けるなら、それは国にとって恥でしかないと斬り捨てました。

 

北京の民主活動家 胡佳さん

「天安門事件を通じ、共産党は一切合法性がないファシズム的な政権だと証明されました。戦車で自国民を潰し、使用禁止のダムダム弾で自国民を殺しました。海外メディアがこの歴史の証人です。共産党も消せない事実です。でも当局の隠蔽のため、若者は知りません。このような政権は退陣し、謝罪すべきです」

 

ダムダム弾とは、着弾の衝撃で弾頭が体内で割れる特殊な弾丸のことで、殺傷力が高く残虐なため、1899年、国同士の戦争でダムダム弾を使用することを禁じる宣言が出されました。

 

趙紫陽の娘婿、王志華さんは「ボイス・オブ・アメリカ」に対して、天安門事件の再評価は、現在の指導者の歴史的な責任だと述べました。国務院元秘書、俞梅蓀さんも、天安門事件の犠牲者の家族と国全体にとって、事件の再評価は非常に重要だと指摘しています。

 

しかし、当時の民主化運動の組織者の1人で、中国政法大学の元研究員、呉仁華(ご じんか)さんは、当局が進んで事件を再評価することはないと悲観します。

 

民主化運動の組織者呉仁華さん

「再評価すれば、政権が崩壊するので、当局は恐れています。1949年以来、当局の罪業は天安門事件だけではありません。天安門事件がタブーでなくなれば、他の事件の再評価も求められます。だから当局は天安門事件の再評価を進んで行うことはないでしょう」

 

今年、事件の犠牲者家族の「天安門の母」は、例年以上に強い圧力を受けています。

 

今年から前線での仕事を引き受けた「天安門の母」のメンバー、尤維潔さんによると、関係者は全員監視されており、「天安門の母」の発起人、丁子霖さん夫妻は、江蘇省に足止めされています。恒例の追悼イベントが行えないばかりか、1年に1回の公開状も発表できません。

 

現在、北京で軟禁されている人権活動家、胡佳さんは、天安門事件25周年の活動は、歴史に対する責任だと主張します。そこで、事件が起きた6月4日、黒い服を着て、北京にいる人は、殺戮の現場や天安門広場に戻って、写真を撮りネットに載せるよう呼びかけました。

 

「北京の春」「公民のパワー」など、多くの中国内外の民主化団体も「世界で天安門事件を追悼するネット大会」を呼びかけています。この大会は5月31日午前8時から午後2時まで、6時間連続で中国内外をつなぎます。大陸の中国人にも参加を呼びかけました。

 

北京の民主活動家 胡佳さん

「当時 人々は様々な政治改革を求めました。共産党の官僚の収入の公開や民主、自由、腐敗反対など。若者もブログなどを通じ、この悲劇を知ることができます。今 社会の矛盾が激化していますが、この矛盾は昔からあると、国民に伝えるべきです」

 

胡佳さんはまた、この25年間で、中共体制は中国に危害をもたらすことが証明されたと述べました。当時の政治改革の要求は今なお実現していません。官僚の資産の公開を求めた「新公民権運動」は、徹底的に弾圧され、運動の組織者の多くが有罪判決を受けました。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/05/22/atext1111089.html(中国語)

(翻訳/河合 ナレーター/村上 映像編集/工)

 

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