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【禁聞】マレーシア機撃墜 中国で報道が控えめな理由

2014年07月23日

【新唐人2014年7月23日】マレーシア航空の旅客機がウクライナで撃墜され、298人が死亡した事件は、世界的なニュースとなり、各国のメディアが大々的に伝えました。一方、中国の国営メディアは報道が控えめなうえ、ロシアのミサイルで撃墜されたという見方に疑問を呈して、ロシアをかばいました。なぜでしょうか。報道をご覧ください。

 

7月17日、マレーシア航空の旅客機がウクライナの上空で撃墜され、機内にいた298人が全員、亡くなりました。アメリカの情報および軍事関連の官僚は、衛星写真から、旅客機はロシアのSA-11地対空ミサイルにより撃墜されたと判断しました。

 

ウクライナの情報部門のトップ、ナダ氏は、親ロシア派の武装勢力の制御する地域の上空で旅客機が撃墜された事件で、ロシア人が関わっていたことを証明する証拠があると発言しました。

 

ナダ氏によると、親ロシア派の武装勢力は、ハイテクの地対空ミサイル「-ク」の発射機の訓練を受けていません。ミサイルを操作したのはロシア人で、彼らがミサイル発射機をロシアから持ってきたと言います。

 

ウクライナの安全局局長は、盗聴した電話録音によれば、ロシアの軍人3人がミサイルを持って、ウクライナ東部に入ったと述べました。ウクライナ東南部の道路に設置された監視カメラには、その移動式のミサイル発射機が映っていますが、元々ミサイルは4発あったのに、3発しか残っていないので、この発射機から発射されたミサイルが旅客機を撃墜したと見られます。

 

この事件のあと、世界中のメディアがただちに大々的に報道しました。しかし、中国国営の新聞「人民日報」は7月18日、習近平国家主席の南米訪問のニュースをトップ記事にしました。旅客機撃墜の事件は、目立たない場所で、ごく簡単にしか報道されていません。

 

ニューヨーク市立大学 夏明教授

「中国政府が控えめに処理したのは、中国はロシアのパートナーだからです。問題の本質 是非を考慮せず、両国は互いをかばい合います。中国はロシアの犯罪行為を目立たぬようにしました」

 

しかし「人民日報」のサイトには19日、この旅客機撃墜事件のコーナーができました。「事故原因を勝手に発表されたことにロシアは反対」というタイトルで、ウクライナが提供した情報に反論するロシア側の意見が掲載されました。ロシアの官僚は、旅客機とロシアは関係がなく、欧米は勝手に結論を下したが、これはロシアとロシア軍に対するいわゆる「情報戦」だと述べています。

 

河北人民ラジオ局 元編集者 朱欣欣さん

「中共はあらゆる手を使い、欧米を醜く描き、中国人に欧米は敵と思わせます。中国人が自由や民主に憧れないように長期的に行われてきた政策です」

 

イギリスの「フィナンシャル・タイムズ」は、ロイター通信の報道を引用し、撃墜の数時間後に、飛行機の残骸を念入りに整理する人物がいるなど、事件には政治的な影がちらつくとしています。ウクライナ当局に奪われないよう、親ロシアの武装勢力がブラックボックス2個を持ち去ったと伝えています。

 

航空機事故の国際的なルールでは、事故が起きた国が主導的に調査を行い、飛行機の生産国の調査員は、その調査に協力します。

 

そこで、ブラックボックスがロシアに持ち去られたのは、明らかなルール違反だと「フィナンシャル・タイムズ」は指摘しています。また調査が成功するかどうかは、この地域の親ロシア部隊の干渉の度合いによると分析しました。

 

アメリカ連邦航空局(FAA)の事故調査室の元主任、スティーブン・ウォレス(Steven Wallace)氏は、もしアメリカがこの種の事故を調査するなら、まず現場を保存すると述べます。犠牲者を敬うと同時に、調査員のために現場のすべてを保存するためです。

 

ニューヨーク市立大学 夏明教授

「ウクライナにはEU寄りの勢力がある一方、プーチンとウクライナの前大統領はソ連時代の関係の維持を望みました。また中共はロシアが欧米に対抗するのを願っています」

 

オランダやイギリスなどの欧米各国は、ロシアに対し、親ロシア派の武装勢力に圧力をかけ、撃墜事件の国際調査に協力させるよう求めています。このほか、この事件により、ロシアに対する国際社会の制裁はいっそう、強まるだろうと見られます。

                                              

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/07/22/a1124480.html(中国語)

(翻訳/河合 ナレーター/萩野 映像編集/尹)

 

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