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【真実の江沢民】第1回 経済発展下のモラル崩壊(上)

2014年10月27日

 

【新唐人2014年10月27日】誰もが彼を止めました。

 

「法輪功は人のモラルを高めて、社会を安定させるのに」と。しかし彼は「経済が発展すれば、モラルはおのずと向上する」と言い放ち、忠告を無視します。結果、中国人が築き上げてきたモラルが崩壊しました。何よりも罪深いことです。

 

2000年10月30日の朝、重慶市雲陽(うんよう)県の沱江(だこう)で、汽船「長江一号」が転覆し、数人が川に投げ落とされ、必死に助けを求めました。

 

程なくして、知らせを聞いた船がやってきたため、皆、胸をなで下ろしました。「これで助かるぞ!」。しかし現実は違ったのです。

 

船は溺れている人々を無視し、川に落ちた貨物にしか目をくれません。しかも船主は「船底でゆっくり休めよ」とからかったそうです。

 

10年後、中国は日本を抜いて世界第二の経済大国になったと誇りました。

 

2011年10月13日、広東省佛山(ぶつざん)市のある監視カメラは、こんな痛ましい事件をとらえていました。

 

わずか2歳の女児(じょじ)、王悦(おう えつ)ちゃんがワゴン車に2度もひかれて倒れています。その後、何人も悦ちゃんのそばを通りかかりましたが、誰も救いの手を差し伸べません。数分後、別の車が再び、悦ちゃんをひきました。そのあと、さらに15人が通り過ぎます。

 

15人の大人が、血の海に倒れている女児に見向きもしません。7分後、ようやく廃品回収の女性に抱えられ、安全な場所に移されます。その後、悦ちゃんは病院に送られましたが、治療のかいなく、わずか2歳でこの世を去りました。

 

18人が通り過ぎます。早足で女児を避ける人がいれば、ちらっと見てから去る人、何度も振り返りながら、結局、介抱しない人もいました。別の角度から言えば、彼らの姿からは「犯人だと誤解される」「善意の行為だと信じてもらえない」という一種の恐怖心が見て取れます。

 

これは特別なケースだと思われるかもしれません。では、別の事件を見てみましょう。

 

2012年4月30日朝5時頃、フォルクスワーゲン・サンタナが浙江(せっこう)省の国道で68歳の女性をはねました。車内の25歳のカップルは女性を車に運ぶと、目撃者に「病院へ送り届ける」と告げましたが、実はそのあと、女性をひそかに生き埋めにしていたのです。

 

悦ちゃんの事件は海外メディアもこぞって報道し、中国は魂を失ったのかと嘆きました。

 

先ほどの2つの事件では、自分の身に危険がないにもかかわらず、人々は被害者を見殺しにしました。特に2つ目の事件のカップルは、飲酒運転の処罰を逃れるためだけに、殺人まで犯したのです。当時、大陸のネットでも、事件に関する議論が熱く交わされました。

 

人々が中国のモラル崩壊に心を痛めていた時、共産党の雑誌「求是(きゅうぜ)」は2012年の元旦と2月、4月に、3本の文章を連続して載せました。「社会のモラルの主流は、進歩し、光輝き、善に向かっており、庶民が注目するモラル崩壊の行為は特殊なケースだ」と述べています。

 

これに対しネットでは「恥じらいもなく嘘をつくこと自体、モラルの低下・誠実さと信頼の欠如の証(あか)しだ」など、あきれる声が相次ぎました。

 

ネットで誠実さと信頼に関する論文を探すと、驚くほどたくさん見つかります。

 

例えば、このような募集です。「テストの誠実さと信頼に関する論文6000字前後」、「経理の誠実さと信頼の喪失・その原因と対策」、「大学生の誠実さ・信頼と成長に関する論文」。

 

かつて不誠実さはモラルがないと見なされましたが、今では当たり前になっています。善悪を判断する基準が大きく下がったためでしょう。海外留学する場合、仲介業者が成績表から、卒業証書、履歴書まですべて作ってくれますが、親から学生までこれが当然のことだと思っています。

 

2011年1月14日、青森大学は、2008年から2010年までに、140人の中国人留学生を除籍していたと発表しました。

 

現在、中国では、論文の代筆会社が雨後の筍(たけのこ)のように現れています。本科の卒業論文から修士論文、博士論文、昇進論文、指導者の談話、総括の報告書まで、より取り見取りです。「名門大学の研究チームが代筆する」と恥じらいもなく、宣伝しています。

 

先ほどの検索結果は、偽造行為の氷山の一角に過ぎません。見たところ政府も取り締まりを強化していますが、近年、論文産業は、逆に発展する一方です。

 

共産党の雑誌「求是」では、「所構わず痰を吐かなくなり、ゴミの分別(ぶんべつ)も覚え、歩行者は横断歩道を渡るようになって、モラルが極めて進歩した」と指摘されました。ただ、モラルは内なるもので、礼儀は外に表すものです。経済の発展で暮らしが豊かになれば、確かにマナーは向上するでしょう。

通常、モラルや教養のある人は、礼儀正しいのですが、逆の場合は絶対だと言えません。中国では、マフィアのボスや腐敗官僚が上流社会の仲間入りをしました。彼らは礼儀正しい人間を見事に演じ上げています。

 

イギリスの作家、ジョージ・オーウェルの小説「動物農場」に登場する豚と同じように、スーツとネクタイで正装しても、中身が変わらないのなら、モラルある人間だと言えるのでしょうか。

 

モラル低下を象徴する社会現象、すべてが終わるかのような絶望を抱かせる。経済発展下のモラル崩壊・真実の江沢民。

 

重慶市公安局の元局長・王立軍(おう りつぐん)は、1997年春、つまり最も権勢を誇っていた頃、脚本家・周立軍(しゅう りつぐん)の取材を受けました。

 

周立軍の著書「王立軍 不吉な予言」には、こんな描写があります。「私と王立軍は、撫順(ぶじゅん)市の銭湯の湯船に、裸でつかっていた。そして彼は不吉な予言を口にした。『私は高官の口の中のガムに過ぎない。味がなくなれば、地面に吐き捨てられ、誰かの靴底に引っ付くのだろう』と」。

 

王立軍は哀れにも、自分のことを人に噛まれたあと、いつ捨てられてもおかしくないガムに例えました。実は、彼のボスだった薄熙来(はく きらい)も同じです。訪米した際、法輪功学習者に提訴された薄熙来は、北京大学の同級生から、なぜそのような事態に陥ったのかと聞かれました。

 

すると薄熙来は「上が法輪功弾圧を決めたからだ」とやるせなく答えました。実際、薄熙来も、のちに江沢民に見捨てられます。江沢民と曽慶紅(そう けいこう)は保身のため、薄熙来の問題で胡錦涛(こ きんとう)指導部に態度を表明せず、薄熙来の処分を黙認したのです。

 

どうやら、薄熙来も江沢民の口の中のガムに過ぎなかったようです。「上が不正をすれば、下もマネをする」。自身と特殊な集団の利益のために、官僚は相次いで犯罪に加担しました。これが堕落した中国共産党の官界の実態なのです。

 

絶望する中国人に中共を見捨てる官僚。経済発展下のモラル崩壊。真実の江沢民

 

「京華時報(けいかじほう)」は2012年2月21日、社会科学院が23の省と市の公務員および市民に対して調査を行ったと伝えました。調査結果は、2012年の「法治白書」に収録されています。

 

それによると、公務員は「裸官(らかん)」に対して、比較的肯定的でした。地位が高い公務員ほど、裸官に対して寛容です。調査を受けた公務員のうち、過半数は、子供が外国籍あるいは外国の永住権を持つことに賛同しました。

 

「裸官」とは主に、配偶者や子供、さらに資産を海外に移す官僚のことです。近年、公金流用が発覚するやいなや、海外へ逃亡する裸官が相次いでいます。大多数があらかじめ家族と資産を海外に移してあるので、たとえ、官僚が処罰を受けても、家族は不法に得たお金で悠々自適に暮らせて、返金の督促(とくそく)からも逃れられます。

 

中共の官僚は、見た目では落ち着いていても、内心では戦々恐々(せんせんきょうきょう)としています。王立軍はかつて、重慶市の副市長と政治局委員を務め、薄熙来の右腕でもありました。しかも全国の労働模範となり、優秀な警察官10傑に入ったこともある正義のヒーローです。当時は飛ぶ鳥を落とす勢いでした。1999年に大陸で放映された警察ドラマのモデルでもあります。

 

当局はかつて、江西(こうせい)省の元副省長、胡長清(こ ちょうせい)と海外にいる息子の通話を盗聴しています。胡長清は、「息子よ、頑張ってくれ。共産党は10年ともたない。母さんと一緒に、もうすぐお前の元に行く」と話していました。

 

全人代常務委員会の元副委員長、成克傑(せい こくけつ)は、「金は全部、海外に移せ。共産党はもう終わりだ」と愛人に話しました。

 

中国では上海市社会保険基金事件、アメリカではエンロン事件や、史上最大の詐欺事件・マドフ事件。

 

臨時居住証明書を持っていなかったばかりに収容所に送られ、殴り殺された青年・孫志剛(そん しごう)さんの事件、勾留した男性を殺して「ゲームを遊んだはずみに死んだ」と留置所が発表した事件。アブグレイブ刑務所での米軍による捕虜虐待事件。

 

中国では2010年、小学校で児童殺害事件が多発し、アメリカでも学校での銃乱射事件が起きました。中共の言うように、世界には悪がはびこっているのでしょうか。

 

山西(さんせい)省で発覚したレンガ工場の奴隷労働事件、転んだ老人を助け起こして逆に賠償を求められた彭宇(ほう う)さんの事件。通行人に見殺しにされた悦ちゃんの事件。車ではねた女性を口封じのために、めった刺しした薬家鑫(やく かきん)事件。

 

赤十字を食い物にしたと噂されるエセセレブ・郭美美(かく びび)事件、元消防士の男が女性6人を地下室に監禁し、性的奴隷とした事件。

 

毒ミルクに痩肉精(そうにくせい)、地溝油(ちこうゆ)、着色マントーなど、食の安全を揺るがす事件も相次いで発覚しました。いずれもモラル崩壊が招いた事件だと見られています。

 

一体誰がモラル崩壊を招いたのでしょうか。

http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/04/23/a1104875.html(中国語)

(翻訳/河合 ナレーター/藤坂 映像編集/李)

 

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