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【真実の江沢民】第2回 経済発展下のモラル崩壊(下)

2014年11月03日

 

【新唐人2014年11月03日】中国では上海市社会保険基金事件、アメリカではエンロン事件やマドフ事件。臨時居住証明書を持っていなかったばかりに収容所に送られ、殴り殺された青年・孫志剛(そん しごう)さんの事件、勾留した男性を殺して「ゲームを遊んだはずみに死んだ」と留置所が発表した事件。アブグレイブ刑務所での米軍による捕虜虐待事件。

 

中国では2010年、小学校で児童殺害事件が多発し、アメリカでも学校での銃乱射事件が起きました。中共の言うように、世界には悪がはびこっているのでしょうか。

 

レンガ工場の奴隷労働事件、転んだ老人を助けて逆に賠償を求められた彭宇(ほう う)さんの事件。通行人に見殺しにされた悦ちゃんの事件。車ではねた女性を口封じのために、めった刺しした薬家鑫(やく かきん)事件。

 

赤十字を食い物にしたと噂されるエセセレブ・郭美美(かく びび)事件、元消防士の男が女性6人を地下室に監禁し、性的奴隷とした事件。

 

毒ミルクに痩肉精(そうにくせい)、地溝油(ちこうゆ)、着色マントーなど、食の安全を揺るがす事件も相次いで発覚しました。いずれもモラル崩壊が招いた事件だと見られています。

 

一体誰がモラル崩壊を招いたのでしょうか。

 

マルクス主義道徳観を推進する中央編訳局の局長、衣俊卿(い しゅんけい)がモラルの問題で2013年1月、免職になりました。彼と男女関係にあった編訳局のポストドクターが、彼が多くの女性と交際していることに気づき、告白したことがきっかけです。

 

彼女はネットに12万文字の恋愛録を発表しました。実名で高官の性的スキャンダルを告発したのです。長年、学生に肉体関係を強要していたと告発された衣俊卿は、その立場ゆえ、大きな反響を呼びました。

 

衣俊卿は2012年6月、「光明日報」に、マルクスの価値観と精神信仰に関する文章を発表しました。恋愛録によれば、衣俊卿はこの文章の仕上がりに満足し、「李長春(り ちょうしゅん)と劉雲山(りゅう うんざん)は読んで喜んだ」と言ったそうです。2012年10月、ネットユーザーと交流した際には、ソフトパワーの建設を語り、若者に「マルクスはなぜ正しいのか」という本を薦めました。

 

このマルクス・レーニン主義を標榜(ひょうぼう)する中共の秀才は、ただの破廉恥(はれんち)な人間でした。恋愛録には衣俊卿だけでなく、編訳局内部のスキャンダルも数多く暴露されています。中共の道徳基準を打ち立てるはずの編訳局は、実のところ、堕落した官僚の巣窟(そうくつ)に過ぎませんでした。

 

恋愛録によると、編訳局の研究員は「地位の高い人間の言うことこそ正しい」と述べました。

 

編訳局は巨額の予算を使いマルクス主義を宣伝していますが、内部の人間はマルクス主義をまったく信じていませんでした。真面目な顔で嘘を言うことは、中共の官僚の常識のようです。では、モラル崩壊をもたらした真の元凶とは誰でしょうか?

 

モラル崩壊の根本原因とは?真実の江沢民

 

中共の党規約には、依然として共産主義がうたわれ、マルクス・レーニン主義、共産主義、3つの代表が憲法に書き込まれています。共産主義革命のかけ声を利用して国民をだまし、自分たちの既得権益を守るためです。腐敗官僚も失脚する前は、大小様々な会議で、腐敗撲滅を力強く訴えていました。

 

上海市の前トップ・陳良宇(ちん りょうう)は2006年9月、社会保険基金事件で失脚しましたが、その1か月前、ある会議で「腐敗撲滅は一刻も怠ってはならない」と恥じらいもなく述べていました。

 

中国では、腐敗撲滅を叫ぶほど腐敗は深刻になり、調和のある社会をうたうほど、調和ではなくなります。一体、問題はどこにあるのでしょうか。

 

中国でよく「問題は指導者の身から生じる」と言うように、モラルの問題の根は中共とその体制にあるはずです。つまり、中共の闘争哲学と無神論によって、社会全体が命を軽んじ、モラルもよりどころを失いました。

 

四川大地震を例に取りましょう。当局は、手抜き工事の校舎倒壊で死亡した子供の数を隠蔽しました。そこで有名な芸術家の艾未未(アイ・ウェイウェイ)がボランティアによる調査を呼びかけたところ、政府は死亡した子供の親や人権活動家を弾圧しました。

 

2008年6月3日、四川省都江堰(とこうえん)市で死亡した子供の親約150人が裁判所の前に集まり、損害賠償請求を起こそうとしました。すると彼らは連行され、当局に「訴状は受理されない」と言われました。また、共同通信の日本人記者2人が1時間拘束され、AP通信の記者も取材を阻まれました。

 

2010年2月9日、四川大地震の校舎の手抜き工事問題を調査していた四川省の作家、譚作人(たん さくじん)さんが懲役5年、政治的権利剥奪3年を言い渡されました。

 

政府は手抜き工事の責任者をかばったうえ、建築の質の問題で建物が倒壊した例はなかったと発表しました。

 

四川大地震で1万人以上の子供が亡くなった主な原因は、校舎の手抜き工事でした。人命を軽んじる中共体制下で、堕落した人間の私利私欲が手抜き工事を生み出したのです。では、なぜ地震の救援では、皆が支援を申し出たのに、人災の原因調査には、誰も協力しないのでしょうか。

 

なぜなら、調査は政府が許可しないから「悪いこと」なのです。これが中共の道徳観です。政府の認める「よいこと」は意図的に報道され、民衆のモラルが党のメンツのために利用されています。

 

モラル崩壊の元凶は中共自身と中共が制御する政府である。

 

中共のモラル教育で一番肝心な点は、共産党を愛することです。中共は是非の判断基準や世界観、道徳観をコントロールするため、無神論を広め、神への信仰を禁じました。現在かろうじて残っている宗教は、ただのお飾りです。党の指導を受けねばならず、党から独立できません。文化大革命における孔子に対する非難、江沢民による法輪功への誹謗中傷など、いずれも教材に取り入れられ、子供を間違った方向に導きました。子供の両親も道徳観がゆがんだため、家庭まで毒されています。

 

江沢民の言葉、「沈黙して大いに金を稼げ」はとても有名です。

 

江沢民が指導者になると、権力とお金の結びつきが、経済発展モデルの軸になりました。結果、官僚の経済発展への意欲は増しましたが、同時に、中国社会に限りない負の遺産をもたらしました。

 

つまり、各地で起きた大規模な腐敗事件です。

 

2000年、中国史上最大の脱税事件といわれるアモイ密輸事件が摘発され、14人が死刑になりました。そのうち4人は庁級幹部です。無期懲役になった12人のうち、2人がやはり庁級幹部でした。さらに58人が懲役刑を下されています。

 

では、そのほかの官と業の癒着で起きた大事件を見てみましょう。

 

2001年、瀋陽(しんよう)市の市長および副市長を中心とする大型腐敗事件が摘発されました。

 

2004年、黒龍江(こくりゅうこう)省では、政治協商会議・黒龍江省委員会の元主席、韓桂芝(かん けいし)が巨額の収賄容疑で処分されたことがきっかけで、多数の官僚が摘発され、失脚しました。中には、省長クラスの高官もいました。

 

2006年、湖南省郴州(ちんしゅう)市の大型腐敗事件では、市のトップを含む複数の幹部と20人以上の民営企業家が相次いで調査を受けました。事件は地元の官僚および経済界の158人に波及しました。

 

2006年の上海市社会保険基金事件では、上海市のトップ陳良宇(ちん りょうう)をはじめとする上海市の幹部と経済界の数十人が検挙されています。

 

中共の統治下で表面的には経済が繁栄した結果、多くの人は法輪功迫害に無関心になりました。彼らにとって、経済発展こそ第一だからです。江沢民が中国5000年の伝統、「真・善・忍」の基準さえ覆し、かけがえのないモラルを毒扱いして排除したため、中国のモラルは瞬く間に低下したのです。「経済が発展すれば、モラルはおのずと向上する」。人々はそんなデタラメな理論を根拠にして、モラルを軽んじ、富だけを追い求めるようになりました。2歳の女児、悦(えつ)ちゃんが見殺しにされた事件は、江沢民時代の真実の反映です。

 

中共が経済を発展させたこの30年、特に江沢民が政権を握ってから、社会は物欲にあふれる一方、モラルを向上させる信仰が弾圧されました。結果、人々はモラルで自制しなくなり、中国の法治も根本から破壊されたのです。

 

法律が形骸化し、非道な行いがはびこる中国では、モラル・文化・経済のほか、人々の生存環境も、危機に瀕することになります。

 

http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/05/01/a1106710.html(中国語)

(翻訳/河合 ナレーター/藤坂 映像編集/李)

 

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