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習近平の訪米前に南シナ海危機 何者かの陰謀か

2015年06月01日

【新唐人2015年06月01日】5月20日、アメリカ軍の偵察機が南シナ海の上空で建設中の人工島を撮影した際、中共海軍から8回も警告を受けました。このあとアメリカは、国際法の許す空域と海域で活動を続けると発言し、中共が主張する人工島の領有権を認めない意志を表明しました。習近平国家主席の訪米まであと数か月という今、南シナ海の情勢が緊迫していますが、この背後に何者かの陰謀があるのでしょうか?

 

中共海軍

「外国軍機、こちらは中国海軍だ。君は我々の軍事警告エリアに入った。早く離れろ、去れ」

 

これは5月20日、アメリカ軍のP-8A偵察機が南シナ海上空で偵察をしていた際、中共海軍から発せられた警告です。当時、偵察機は、中共の人工島の上空を飛行し、付近の軍艦を撮影しました。中共が警告を発したのは、人工島とその周囲の海域を自分たちの領土と見なしていることを意味します。アメリカはこれに反発しました。

 

米国務省スポークスマン ハーフ

「画面を見ました。にらみ合いではないのに、中国は警告を発しました。その根拠がわかりません。領有権問題のある南シナ海上空の飛行は国際法で合法です。米軍はずっとこうしており、今後も変わりません。国際法は南シナ海上空の飛行の自由を保障しています」

 

5月28日、もう1人の国務省スポークスマン、ジェフ・ラスク氏は、中共の人工島建設はすでに、平和的な領有権問題の解決という認識から逸脱していると指摘しました。カーター国防長官も、中共を名指ししませんでしたが、南シナ海の関係国はただちに人工島建設で主権を奪おうとする行為をやめるべきだと述べました。

 

2002年、中共はASEAN(アセアン)諸国と「南シナ海における関係国行動宣言」を採択しました。宣言には「現在、無人の島・暗礁・浅瀬・砂浜やその他の自然構造物の上で、居住につながる行動を取らない。ならびに建設の形で領土問題を処理しない」とあります。

 

中共はこれまで、フィリピンがこの宣言に違反していると批判してきましたが、実際のところ、中共はすでにかつてない規模とスピードで領有権争いのある海域で人工島を建設していました。2015年だけでも、中共は1500エーカー、約600万平米を埋め立てました。

 

イギリスBBCは、この計画について「中国の島嶼(とうしょ)工場」と表現したことがあります。

 

一方、中共はアメリカの警告に対して、「ダブルスタンダードで無責任だ」と逆にアメリカを批判してきました。そして、アメリカの指摘する国際法や関係国の共通認識などに触れず、「人工島の建設規模は大国にふさわしい」と述べて、問題をすりかえました。このような中、メディアは米中の偶発的な軍事衝突の可能性を分析し始めました。

 

これについてマケイン上院議員はベトナムを訪問した際、アメリカは今のところ、中共と南シナ海で直接衝突する可能性はないが、特定の措置で人工島の建設活動を阻止すると述べました。

 

カーター国防長官は、ハワイで軍事式典に出席した際、中共の行動で南シナ海諸国が結束し、どの国もアメリカの干渉を強く求めており、アメリカもその要求に応えるつもりだと述べました。中共の拡張の動きに対して、アメリカは傍観するつもりはないようです。

 

南シナ海の情勢がエスカレートする中、習近平国家主席は9月に訪米します。米中の対立は習近平にとって難しい外交問題となりますが、これは内部の者の仕業だと指摘する専門家がいます。

 

時事評論家 趙培氏

「9月の習近平の訪米まで、党内では江沢民一派のスパイや、軍の残存勢力が工作をするでしょう。習近平の訪米に障害を作るためです。例えばケリー国務長官が訪中した際、中共メディアは両国の友好ではなく、対立をあおり立てました」

 

2001年、米中の軍用機が南シナ海上空で接触し、外交危機を招きました。中共は事件で死亡したパイロットを大々的に追悼し、国民の反米感情をあおりました。そして十数年が経った今、中共は人工島の建設を強行しています。果たして、本当に何者かがわざと問題をエスカレートさせ、習近平に難題をもたらしているのでしょうか。今後も注目していきましょう。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2015/05/31/a1200373.html(中国語)

(翻訳/河合 ナレーター/水田 映像編集/李)

 

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