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「反腐敗の道に『華容道』なし」が発した意味

2015年10月03日
「反腐敗の道に『華容道』なし」が発した意味

【新唐人2015年10月03日ニュース】

9月28日、「人民日報」が「反腐敗の道に『華容道』なし」と題する文章を発表した。文章の冒頭には、国土資源局局長である安家盛の例を紹介した。安家盛は賄賂を受けたことで心の病に罹り、今年の春節前に出国を申請したが、拒否され、結局、自首した。この例から、反腐敗キャンペーンがすでに抑止力を持つようになり、これからコネを利用して見逃してもらうことは不可能となり、しかも、今まで働いた悪事は暴露される可能性があり、海外に逃げる道も閉ざされたとされる。自首の道は最も楽な選択となり、安氏が決して最後の自首者ではないと同文章は断言した。

 

文章の最後に、現実には一本の「華容道」がぼんやりと見えているようであるため、一部の汚職者は偶然を期待し、頑迷に抵抗しているが、実際には反腐敗の道に「華容道」がすでに閉じられた。ひたすら偶然を期待する人は、結局、救いようのない者となる他はないと指摘した。

 

「華容道」とは、曹操が赤壁の戦いで孫権、劉備の連合軍から火攻めに遭い大打撃を受け江陵に退却し、途中で華容道を経由せざるを得なかったが、華容道では武神と呼ばれる関羽が曹操を待ちふせしていた。曹操に恩義のある関羽は、静かに道を開け、曹操を逃したというエピソードである。

 

中国共産党の第一の代弁者である「人民日報」の文章は、通常、トップリーダーの意思を代表しているとみられる。この文章は、発表された後、大きな反響を呼んだ。同文章は、江沢民の影響力をさらに弱めるために習近平陣営が発したシグナルと考えられる。今年の8月に、「人民日報」が「『去る者は日々に疎し』という問題を客観的に見る」という顧伯沖の署名入り文章を発表した。同文章は、一部の引退後の老人が、引退前に腹心の部下を配置しておき、引退後、権力から手を引きたくないため、頻繁にわきから口を挟み、現役のリーダーを進退窮まる境地に曝していると引退後の老人政治を批判した。同文章は、発表後、広範囲にわたって議論され、その矛先は江沢民に向けらているとみられる。

 

『真実の江沢民』という本によると、江沢民が法輪功を弾圧した後、胡錦濤に対して不安を覚えた。その最も大きな理由は、胡錦濤が法輪功への弾圧に消極的な態度を取っていたからである。ゆえに、江沢民は、胡錦濤に取って代われる後任をずっと探していた。江沢民は、お気に入りの当時の上海市長、陳良宇氏を中共の総書記ポストに就かせようとした。2006年、胡は陳を社会保険の不正使用という汚職事件で失脚させた。太子党の薄熙来が法輪功への弾圧を忠実に実施したため、一度、江沢民に期待されたが、「17大」(中国共産党第17回全国代表会)の前に次の党総書記に適任者を選ぶという民意調査を無記名投票で行ったが、薄熙来は最下位となった。2007年、胡錦濤の推薦した李克強を党総書記のポストに就かせることを阻止するため、胡、江両陣営とも受け入れられる習近平が浮上し、次世代の党総書記に内定された。この意味では、江沢民は習には自分に対して恩義があるとずっと自慢している。

 

時事評論家の唐靖遠氏の分析によると、江沢民陣営は習を党総書記のポストに就かせたと盛んに宣伝し続けていたが、実際には、江沢民が習近平を傀儡として使い、2、3年後にクーデターで習を失脚させ、江陣営の者が習に取って代わると最初から計画していた。理由は、習近平には、法輪功に対して「血の債務」がないからであるという。

 

「反腐敗の道に『華容道』なし」の文章は、習近平陣営が江沢民陣営に出した最後通牒と見られる。即ち、今まで汚職した者には自首することは唯一の生き残る道であり、習陣営に降伏すれば、一つの活路を残してやる。頑迷に抵抗する者は、一本の死滅への道しかないと宣言したことになるだろう。習・江両陣営の戦いはすでに生きるか死ぬかの境地にまで発展してきており、この文章は、江沢民陣営の中下層を瓦解させると同時に、江沢民本人を含め、江沢民陣営の上層にいる虎たちを孤立させ、最後の殲滅戦を準備していることを意味していると考えられる。

 

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2015/09/29/a1226491.html 

(翻訳者:張揚)

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