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四面楚歌の中国銀行【禁聞】

2016年07月13日

【新唐人2016年07月13日】

中国銀行業フォーラムが北京で行われ、銀行改革問題について話し合われました。銀行業界の重鎮らからは、現在銀行はさまざまな問題に直面しており四面楚歌の状態にあるとの声が相次ぎ、中国銀行業監督管理委員会(銀監会)も銀行が大きな困難に直面していることを認めました。

 

2016中国銀行業発展フォーラムが7月7日、北京で開催されました。今回のテーマは「これからの銀行の道―転換と突破」でした。

 

フォーラムに出席した中国銀監会国有重点金融機構監事会の余学軍主席は、銀行の不良貸付が大量に発生しているため、不良債権額と不良債権比率も上昇しており、短期間で形勢を好転させることは難しいと指摘しています。

 

余主席は、銀行の大量の不良貸付発生を招いた原因として、不景気が続いていることのほか、幾度にもわたる利率の下方修正によって金利による経営環境が圧迫されたこと、早すぎる貨幣増刷によって銀行業の貸借対照表の膨張も早まってしまったこと、そして急速に発展するインターネットの金融機関が従来の銀行業に打撃を与えていることの3つの要因を挙げました。

 

また、中国の金融アナリスト・任中道氏は、中国の銀行と外国の銀行の違いを指摘しています。外国の銀行は長期にわたり利率0%でも経営が良好であるうえ、何か問題が発生してもその影響は資産家の間だけに留まりますが、中国では国有銀行であるため、ひとたび問題が生じると中国経済全体に影響を及ぼすと指摘しています。

 

中国の金融アナリスト・任中道氏:「中国では一貫した金融システムとして銀行、証券、保険、法人、信託すべてを十把一絡げにしているため、すべてが連帯しています。ですので、このうちのどれか一つが危機に直面すれば中国経済の各方面に影響を及ぼしてしまうのです。」

 

余主席は、今年5月末までの中国銀行業の不良貸付残高はすでに2万億人民元(約30・6兆円)を超過しており、不良債権比率は2・15%に達していると言います。

 

しかし、ヨーロッパの投資銀行CLSAが5月に発表したレポートによると、中国銀行業の実際の不良債権比率は公式発表の少なくとも9倍以上の数字であり、おそらく15%~19%であろうと指摘しています。

 

中国農業銀行上席経済学者・向松祚(こう しょうそ)氏は5月に行われた「2016年都市視点フォーラム北京」で、今年の第一季末の銀行業不良貸付と要注意貸付が合わせて7万億人民元(約107兆円)に上っていること、86社の鉄鋼業者の負債総額3・3万億人民元(約50・4兆円)のうちのほとんどが銀行から借り入れたものであると述べています。

 

中国の金融アナリスト・任中道氏:「中国政府が発表する数字を信じる人はあまりいません。実際には不良貸付比率は非常に高いですが、政府は不良債権をまとめて資産管理会社に処理させるなどの方法を使って、実際の債権比率を表に出さないように工作しているのです。」

 

7日の銀行業フォーラムでは、平安銀行の邵平総裁が、近年銀行の利益伸び率が激減していると指摘しました。2011年には36・34%だったのが、2015年には2・43%にまで落ち込んでいるといいます。

 

邵総裁は、もともと危険が少なかった国営企業の債務や地方政府が担保する債務も爆発する懸念があり、新しく増えた資産への安全地帯がないため、銀行は四面楚歌の状態だと指摘しています。

 

過去10年間は、高度経済成長期において権利を独占し利率をコントロールすることにより、銀行は儲けることができましたが、怠慢と驕りという病に侵されたためそのツケが回ってきたのだと邵総は分析しました。

 

中国金融シンクタンク研究員・鞏勝利氏:「かつて標準6%の利率があったので、寝ていても儲かるという状態でしたが、現在は1・5%しかないため、利益にならないのです。そうでなくとも中国の経済ランニングコストはかなり高くなっているため、このような体制のもとではすでに取返しのつかない状態になっています。中国では国家経営、国営工業、政府党政のランニングコストが高く、貨幣発行のランニングコストも高いのです。このような状態で、いったいどのように前へ進めばよいのでしょう。」

 

中国金融シンクタンク研究員・鞏勝利(きょう しょうり)氏は、もしランニングコストを下げることができなければ、中国はインフレ、経済危機といったあらゆる経済問題が現れるだろうと指摘しています。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

 

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/07/11/a1275493.html(中国語)

 

(翻訳/白白 ナレーター/淳萌 映像編集/李)

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