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米大学に中国人留学生30万人 貴重な財政源となる反面、問題も噴出

2016年07月15日
米大学に中国人留学生30万人 貴重な財政源となる反面、問題も噴出

【新唐人2016年07月15日】

過去十数年間でアメリカの大学に進学する中国人留学生が急増している。財政難のアメリカの大学にとって救世主である一方、中国人同士でかたまり、ほかの学生と打ち解けず、英語のレベルも低いため授業についていけない中国人留学生は頭の痛い問題だ。

 

アメリカの大学はこの問題をどう解決すればよいのか。ボイス・オブ・アメリカの報道を紹介しよう。

 

アメリカの大学にとって貴重な財政源

 

「中国でリベラル・アーツ教育を受けるチャンスがなかった中国人学生がアメリカの大学に進学する道を選んでいるのです」。国際教育研究所副所長のペギー・ブルーメンサル氏は2007年以降、アメリカの大学に進学する中国人留学生が増加している理由を語った。

 

外国人留学生は主にカリフォルニア州、ニューヨーク州、テキサス州、マサチューセッツ州などに多く、中でもニューヨーク大学は外国人留学生を最も多く受け入れている大学である。留学生に人気のある学科はマネジメントや数学科学だという。

 

国際教育研究所(Institute of International Education)がまとめた統計によると、2014~2015年度のアメリカの大学に通う留学生は97万5000人で、そのうちの31%を中国人留学生が占め、インド人留学生より17ポイントを上回っている。留学生がアメリカにもたらす年間収益は総額300億ドルで、そのうち100億ドルが中国人留学生によってもたらされる。

 

ブルーメンサル氏は、財政難のアメリカの大学は中国人学生が納める学費によって質の高い教師陣や教育資源を確保している状態だと指摘する。「州政府の公立大学に対するサポートは縮小しており、かつて50%あった予算は10%、ひどいのでは2%にまで削減されました。こうした状況下では学費全額を納める留学生を多く受け入れなくてはなりません」と話す。

 

たとえばカリフォルニア州立大学ロスアンジェルス校の学費は、同州州民が1年間で1万2816ドルであるのに対し、留学生は1学期につき3万9498ドルと大きな差がある。

 

中国人留学生はアメリカの大学にとって貴重な財政源だが、文化の違いにより、キャンパスで多くの問題も生じている。

 

中国人同士でかたまり大学に馴染めない

 

中国人留学生が増え大学は財政を確保できる一方で、中国人同士でかたまり他の学生と付き合わない。大学に馴染めない中国人留学生の集団は、大学にとって頭の痛い問題になっていると国際教育研究所は指摘している。

 

ブラウン大学で公共政策を学ぶ中国人留学生、閻貝貝さんは、「中国人留学生は大学に馴染めていないと思います。中国人同士でかたまって、さらに小さなグループに分かれて、卒業したらすぐに帰国するつもりです。せっかくアメリカに学びに来ても、アメリカ人の文化、社会に溶け込もうとしないし、先生にどう思われているかも気にしません」と話す。

 

閻さんのクラスには30名が在籍しており、その20%が中国人留学生という。閻さんによると、統計学科やアカウント学科ではクラスの80%を中国人学生が占めるという。

 

国際教育研究所はアメリカの大学が孤立し集団化した中国人留学生が大学に溶け込めるよう支援すべきだと指摘している。早い段階から、アメリカ人学生が中国人留学生のレポートを校正してあげたり、マンツーマンで英語を教えてあげたりなどのサポートを提供してきた大学もある。しかし多くの大学が、中国人留学生の急増により、具体的なサポートを準備するのに間に合わない状態だ。

 

アメリカの教授法に馴染めない

 

中国人留学生の増加に教師陣も戸惑いを隠せない。ニューヨーク大学で中国史を教えるレベッカ・カール教授は、「中国人留学生はアメリカの大学でも中国に関係のある科目を選ぶ傾向にあります。しかし、高度な教育を受ける基礎がなく、クリティカルリーディング(批判的読解)やアナリシス(分析)が何なのかも分かっていません。そのうえ学術英語の水準も低く、困っています」と指摘する。

 

一方、中国人留学生側にも教師に対する不満がある。閻さんは、教授たちは中国人留学生の存在を無視していると不満をもらす。中国人留学生が授業についていけてなくても、レポートの出来がよくなくても、それについて指摘したり直したりすることもない。ただ悪い成績をつけるだけで中国人留学生のために労力や時間を使おうとせず、授業中も中国人留学生に発言を求めることもないと閻さんは言う。

 

国際教育研究所副所長のブルーメンサル氏はこうした問題について、これまで長い間、一つの同じ教授法で授業を行ってきたアメリカの大学の教師たちは、英語を母語としない留学生が多くいるという現実を受け入れなければならないと言う。教師たちが積極的にそれぞれの文化的背景が異なる学生と交流することが大事だと主張する。

 

また、ニューヨーク大学のカール教授は、中国人留学生が問題提起や批判的思考の能力を備え、中国に関係のある科目ばかり選ぶのではなく、いろいろな学生と交流してほしいと話す。「中国人留学生がアフリカやラテンアメリカ、中東などさまざまな文化的背景をもつアメリカ人学生と一緒に討論することができれば、とてもよいことだと思います」。

 

アメリカの大学の教師たちも今、中国人留学生を現地学生に溶け込ませるにはどうすればよいか、教授法をどのように変えるべきなのか、手段を講じなければならない状況に直面しているのだ。

 

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/07/14/a1275946.html(中国語)

 

(翻訳/白白)

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