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中国宣伝部の寵児を批判 王岐山派の真のターケットは?

2016年09月30日

【新唐人2016年9月30日】

中国ニュースサイトの『財新網(ざいしんもう)』と『網易(もうい)』は、「中国一の慈善家」を自称する富豪、陳光標(ちんこうひょう)がビジネスや慈善活動で多くのヤラセや詐欺行為を行っていること、また陳光標が令計画(れい けいかく)や李東生(りとうせい)らと共謀していることを告発する記事を掲載しました。『財新網』は腐敗撲滅キャンペーンを進める共産党中央規律検査委員会の急先鋒で、陳光標がやり玉に上げられた背景について憶測が飛び交っています。記事掲載は、ある政治勢力に対する牽制とともに、令計画、李東生ではない陳光標の背後にいる真の黒幕を攻撃する意図があると分析する専門家もいます。

 

「中国一の慈善家」を自称する実業家の陳光標は、地上げと廃品回収で成り上がった人物で、慈善活動のパフォーマンスを好み、これまでに20億人民元を寄付してきたと豪語しています。

 

しかし、9月20日付の『財新網』に、陳光標の偽善を暴く長文特報が掲載されました。

 

「暴露 陳光標は中国一の慈善家かそれとも詐欺師か」と題された記事は1万7000字以上に及ぶ長文で、陳光標が慈善活動の名目で違法に集めた寄付金を個人の口座に振り込み、その使途は不明であると指摘しています。さらに、陳光標が入札事業に関与して建設事業を違法に転売し、印鑑偽造や脱税など多くの違法行為を行っていると告発しました。

 

『網易』も同日、陳光標と政府役人、企業との癒着などのスキャンダルを暴露する長文記事を掲載しました。

 

『財新網』は過去3年間何度も実業家の政治背景を暴き、批判のターゲットにされた高官の多くを失脚に追い込んできました。今回、陳光標の背後にいる2人の大物政治家、令計画と李東生が晒されました。

 

報道は、陳光標が世論を煽動するのに長けているのに目をつけた令計画は、模範人物に仕立て上げるため、2008年の四川大地震で陳光標に慈善救済のパフォーマンスをやらせ、メディアを使って「中国一の慈善家」のイメージを作り上げたと指摘しています。

 

評論家は、この報道は陳光標の政治的な関係を暴露しようとの意図があると指摘しました。

 

米国在住時事評論家・邢天行氏:「なぜ慈善家を作り出す必要があったのかと言うと、それは人々の信頼を集めやすい慈善家によって、世論を煽動できると考えたからです。」

 

もう一人名指しを受けた政治家は李東生で、かつて「中央610弁公室」のトップを務めていたことも言及しています。「610弁公室」は法輪功迫害のための専門機関であることで知られています。

 

中国問題研究家の横河(おうが)氏は、『財新網』の報道の目的は陳光標のビジネスや慈善活動における嘘や詐欺行為を暴くことではなく、また、背後にいる令計画と李東生の責任を追及することでもないと見ています。なぜなら、陳光標を逮捕することは簡単で、令計画と李東生もすでに失脚済みだからです。

 

中国問題研究家・横河氏:「真の攻撃のターゲットはまだ無事であり、その人物こそ陳光標の背後にいる本当の黒幕です。それは、陳光標が行った最もひどい行いであり、政治と密接に関連する行いに関係しています。陳光標が2014年、アメリカを訪れた時に法輪功迫害団体と共に行った行動が示しています。」

 

『財新網』は、陳光標が2014年に渡米した際にボロが出たことに言及しています。同年1月、陳光標は10億ドルで『ニューヨークタイムズ』を買収したいと申し出ましたが断られ、その後、アメリカのホームレスに現金をばらまくなどして、地元市民の顰蹙を買いました。7月、中国に帰国した陳光標は、国連から「世界一の慈善家」の賞状をもらったと吹聴しましたが、賞状が偽物であることが暴露されました。

 

報道で触れられなかったのは2014年1月の渡米時に、陳光標が「天安門で焼身自殺」を行ったと主張する自称法輪功学習者の女性親子を同行し、複数メディアの記者が、法輪功の書籍では殺生や自殺を禁じている事や天安門焼身自殺の自作自演の疑惑について、質問し、疑念を持ちましたが、中国政府は沈黙したままでした。(「NYタイムズ買収」慈善家の真の目的)

 

米国在住時事評論家・邢天行氏:「陳光標が中国からこの母娘をアメリカへ連れ出して、法輪功潰しを行った時、多くの人が陳光標は一介のビジネスマンではなく、江沢民派の秘密工作員であることに気が付いたのです。母娘は中国当局の厳しい監視下に置かれ、誰も接触できない状態にありました。ただのビジネスマンが外国へ連れ出すことなどできないのです。」

 

当時、李東生はすでに当局の調査を受けた身で、令計画も実力を失っていました。それでは、この一連の騒ぎの黒幕はいったい誰なのでしょうか。

 

中国問題研究家・横河氏:「この騒ぎに関係した人物こそ、陳光標の背後にいる真の黒幕である可能性が十分あります。この報道の目的は、真の黒幕に向けたものである可能性があります。それは江沢民派の中心人物であり、公職には就いていなくとも未だ失脚していない人物、おそらく曽慶紅である可能性が高いと考えられます。」

 

2014年1月16日付の『大紀元』は、陳光標が人民解放軍の総参謀部第二部の高級商人秘密工作員であると明らかにしています。南京を本拠地とする陳光標は江沢民派南京系の秘密工作員グループに取り込まれ、重大な問題が発生した際には直接曽慶紅(そう けいこう)に報告していたと見られます。横河氏は、『財新網』の報道が610弁公室に言及していることに注目し、同機関を追及の標的としている可能性があると指摘しています。

 

今回の陳光標叩きの報道があった後、ほかのメディアも長年報道規制が敷かれてきた陳光標に関する調査報道を一斉に行いました。中には、陳光標側から脅迫されたとの報道も含まれています。『南方人物週刊』の陳磊(ちんらい)記者は2014年、陳光標から脅迫を受けた際の録音テープを『新唐人』に明らかにしていました。

 

陳光標:「さっきのことを中央宣伝部に報告したぞ。……中央宣伝部は、記事を報道すればどうなるか分かっているなと言っている。報道してみやがれ。広東省党委員会、常務委員、宣伝部はこの件について怒り心頭だからな。」

 

国営通信社新華社のネット版は9月21日、陳光標が名誉棄損などで財新メディアを告訴し、南京市秦淮(しんわい)区裁判所が捜査を開始したと報じました。23日陳光標は記者会見を行いましたが、わずか40分しか姿を現さず、その間記者の質問にも一切答えませんでした。

 

中国軍将軍羅瑞郷の息子・羅宇氏:「財新を訴えるだけの度胸と資金を陳光標が持っているとは思いません。背後にいる人物はみな失脚したと見られていましたが、まだほかに陳光標を支持する人物がいるのでしょう。」

 

フリージャーナリスト・黄金秋氏:「新華社も財新メディアの背後に中規委があることを知っています。今回、告訴の報道を行うには、上部組織である中央宣伝部の許可が必要です。ということは、中央宣伝部内部に陳光標を守る勢力があるということを意味しています。」

 

『財新網』と中規委書記の王岐山の関係は密接で、周永康と令計画が失脚する前は、『財新網』が周家と令家の一族の腐敗スキャンダルを暴きたてました。皮肉なのは、『財新網』が暴いた陳光標の「中国一の慈善家」のイメージは、中国政府のメディアによって生み出されたものだったことです。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/09/25/a1288293.html (中国語)

(翻訳/白白 ナレーター/根本 映像編集/李)

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