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村の党幹部殺害の青年 死刑確定に抗議の声高まる 中国河北省

2016年10月28日

【新唐人2016年10月28日】

中国河北省の青年、賈敬龍(か けいりゅう)が、違法に新居を強制撤去させられたことに憤慨し、村の共産党幹部を殺害した事件で、近く死刑に処されます。これをめぐり、法の専門家や国民から死刑を行わないよう求める声が上がっています。

 

絶望した表情で屋根の上に立つこの青年は30歳の賈敬龍で、2013年に新居を撤去された時に撮った写真です。

 

賈敬龍が4年間交際した女性と結婚するに当たって建てた新居は、結婚式を十数日後に控えていた時、村の共産党幹部、何建華の命令によりショベルカーで無残にも取り壊されました。取り壊しに抵抗した賈敬龍の父親が拘束されたほか、兄弟も殴られ、賈敬龍も負傷しました。強制撤去の2カ月後、婚約者の両親の意向により縁談は破談となりました。賈敬龍の悲痛な泣き声を何度も聞いたと、賈敬龍の家族は話しています。

 

その後2年間にわたって、賈敬龍は何度も何建華の元を訪ねて、強制撤去の補償を求めましたが、聞き入れられませんでした。そして2015年2月、賈敬龍は改造した電動クギ打機で何建華を殺害した後、自首するため警察へ向かっていた路上で、追いかけて来た治安維持隊の車両にひかれ、入院しました。

 

賈敬龍に自首の意図があったことは認められず、今年10月18日、最高裁判所は死刑判決を批准しました。

 

賈敬龍の死刑確定の消息が流れるや、中国国内では賈敬龍の死刑免除を求める陳情活動が沸き起こりました。メッセージングアプリWeChatで展開された世論投票では、2万人の投票者のうち97%が死刑免除を求めました。

 

斯偉江(し いこう)氏ら中国の弁護士は「賈敬龍事件に対する死刑執行の停止を求める申請書」を起草し、10月21日に速達で最高裁判所へ送付しました。

 

申請書では、何建華が撤去の許可証もなく、法的な手続きを経ず、自分で勝手に人を派遣して撤去を行ったことは明らかな違法行為であると指摘しています。

 

また、賈敬龍が通報し強制撤去を止めさせるよう求めた際、警察は取り合わなかったと言います。賈敬龍がこの顛末をネットで訴えると、警察から「虚偽の情報を流した罪に抵触する」との警告を受けました。

 

賈敬龍は裁判で、「真っ当な人生のレールを歩いていた私はある日突然、そのレールから外されてしまった。どんなに叫んでも天さえも助けてくれないことを悟った」と述べています。

 

弁護士は、賈敬龍の死刑が執行された場合、末端の政府は違法に私的に一般市民の住居を強制撤去することができ、また、一般市民がこれに対して私的に復讐を行った時には基本的な法の下の待遇を受けることができないと宣言するに等しい、と指摘しています。

 

北京在住評論家の査建国(さ けんこく)氏は、「過度の自己防衛には賛成できない」としつつも、「この事件は役人が引き起こしたこと」と述べています。

 

賈敬龍の事件が中国社会に投げかけた波紋は大きく広がっています。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/10/25/a1293181.html(中国語)

(翻訳/白白 ナレーター/根本 映像編集/李)

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