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小児科 医師と薬不足で毎年児童10万人が死亡か【禁聞】

2016年10月31日

【新唐人2016年10月31日】

中国では医療の混乱が頻繁に起きています。先日政府研究機構が発表した白書によると、中国では小児用医薬品が不足しており、不適切な薬を使用したことが原因で毎年約3万人の児童が中毒を起こし聴覚障害者になっています。さらに一部の専門家は、医者や薬の不足が原因で毎年10万人以上の児童が命を落としている可能性があると指摘しています。

 

中国で最近、「児童の安全な薬品使用の普及と発展大会」が初めて開かれました。大会では国家食薬品管理総局の南方医薬研究所が「2016年児童の薬品使用安全調査報告白書」(以下、白書)を発表しました。同調査には100以上の都市の3576人の児童の家族と335店の小売薬局店員が参与し、小児科医10人に取材を行っています。

 

現在、中国における児童の患者数は全体の19.3%を占めていますが、中国国内にある3500種類以上の医薬品のうち小児用医薬品はわずか60数種類と全体の1.7%しかありません。

 

「了望東方週刊」は小児医薬品が不足している主要な原因の一つとして、小児医薬品の臨床試験の難しさを挙げており、ほとんどの親が我が子に臨床試験のリスクを負わせたがらないためと伝えています。このほか、小児医薬品の利益は成人用に比べ非常に低いため、製薬会社も小児用医薬品の研究に積極的ではなく、薬品メーカーも非常に少ないことが挙げられています。中国全土に6000社以上ある薬品メーカーのうち、小児用医薬品を専門に生産しているメーカーはわずか10社ほどしかありません。小児医薬品生産部門がある企業も30数社です。

 

陝西省の薬品会社販売員 鄒さん:「以前は多くの小児医薬品があって病気を治せ、価格も安かったのですが、現在はほとんど生産されていません。生産された小児医薬品は価格が高くなり、以前のように安く売れなくなりました。これは現在の販売ルートや医療制度が造りだした問題です。」

 

政府が行った薬品不良反応検査の結果によると、中国では児童の医薬品を使用した不良反応発生率は12.9%、新生児では24.4%を超え、それぞれ成人の2倍と4倍です。診察を受けた中毒を起こした児童のうち、薬物中毒の率は2012年の53%から2014年の73%に上昇しています。

 

毎年約3万人の児童が適切ではない薬を使用したことにより聴力障害を起こしています。不適切な薬を使用して死亡した人のうち、児童の占める割合は32%を超えています。

 

中山大学薬学院 黎星術さん:「小児用に開発された薬の種類は少ない、ですから大人用を子供に処方するのです。すると用量を把握できない可能性がある、さらに大人は平気でも子供は中毒を起こす可能性があります。」

 

中国メディアによると、小児科医は仕事量が多い割に収入が非常に少ないことなどが原因で、昔から不足しているため、多くの病院が次々と小児科の診察を止める問題が起きています。

 

現在中国には11万2800人の小児科医がおり、医師全体における割合はわずか3.9%です。一方、中国の児童の数は2億3000万人で人口の16.5%であり、児童2000人に対し小児科医はわずか1人の割合になります。

 

中山大学薬学院 黎星術さん:「小児科医になりたがらないのは、責任が大きいのに待遇が悪いためです。病院は診察できる患者数や検査費、診療費で医師の収入を決めています。」

 

白書ではさらに、84.9%の家庭が子供に薬を与える際の潜在的な危険について言及しています。また、小売り薬局の小児医薬品販売にも安全ではない要因が存在しています。医師の処方箋がない状況で薬局の店員が薦める小児薬の20%は処方薬です。店員は小児薬品を薦める前に発症してどれくらいか、薬の使用歴、アレルギーなどを質問しますが、85.1%の店員が家族に対し薬品の用法や用量、注意事項の説明をしていません。

 

北京児童薬剤科の王暁玲(おう ぎょうれい)主任が国家衛生計画委員会の委託を受け、調査を行った結果、少なくとも50%以上の医薬品が小児科で児童に使用する場合の用法、用量を表記していないことが明らかになりました。

 

王主任は、小児科医と小児用医薬品の不足が原因で、毎年10万人以上の中国の子供が予防、または治療できる疾病で死亡している可能性があると指摘しています。

 

新唐人テレビがお伝えしました。       

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/10/26/a1293300.html(中国語)

(翻訳/赤平 ナレーター/佐藤 映像編集/李)

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