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冤罪死刑事件への無罪判決が隠す「本当の理由」

2016年12月09日

【新唐人2016年12月09日】

21年前に強姦殺人罪で死刑を執行された聶樹斌(しょう じゅひん)さんに対する死刑判決が12月2日破棄されました。以前、聶さんの遺族の弁護士を務めていた陳光武(ちん こうぶ)弁護士に取材しました。

 

陳弁護士は2012年から聶樹斌さんの無罪を訴え続けてきました。今年の4月、事情により代理弁護士の任務を解かれましたが、その後も事件の行く末を見守ってきました。

 

中国の最高人民法院は2日、聶樹斌さん事件の再審を行い、故意による殺人罪及び強姦罪の有罪判決を撤回、無罪を言い渡しました。

 

聶樹斌さんは21歳だった1995年、冤罪により死刑を執行されました。21年後、その雪辱が晴らされ、中国で大きな注目を集めています。かつて控訴審の弁護を担当していた陳弁護士がこの度の逆転判決についてコメントを述べました。

 

聶樹斌冤罪事件元担当弁護士 陳光武氏:「聶樹斌さんの無罪を認めた判決が下されたことにより、名誉回復という点では8割方成功したと言える。しかし、判決は聶樹斌さんの事件を自分の犯行だと自白した王書金を真犯人であると認めたわけではありません。死刑判決には証拠が不十分だったという理由であり、聶樹斌さんへの嫌疑を100%否定したわけではありません。」

 

今回の判決について、裁判官は「疑わしきは罰せず」の原則に沿った判決であると述べています。「疑わしきは罰せず」とはどのような意味でしょうか?

 

聶樹斌冤罪事件元担当弁護士 陳光武氏:「判決文に『疑わしきは罰せず』とはっきり書いてあります。要するに、聶樹斌さんが強姦殺人犯であるとは認められないが、疑いは排除しきれないという意味です。この原則に則って無罪を言い渡したというわけです。これまでよりは一歩前進したと言えますが、事件の本質を突いた判決ではありません。この事件の本質とは王書金が犯した罪の濡れ衣を聶樹斌さんに着せて殺したことです。」

 

陳弁護士は、弁護側が裁判所に提出した数々の証拠によって、王書金が真犯人であることが証明できると指摘します。

 

証拠があるのなら、なぜ最高法院は「疑わしきものは罰せず」として判決を撤回したのでしょうか?

 

聶樹斌冤罪事件元担当弁護士 陳光武氏:「1つ目の理由は、もしも弁護側の証拠を採用したら、裁判所は王書金の犯罪であると認めなければならなくなる。しかし、王書金には当事件についての無罪判決が3年前に下され裁判は終了している。2つの判決に矛盾が生じるのは不都合ということ。2つ目の理由は、濡れ衣による誤審であったと認めれば、当時の裁判関係者の責任を問わなければならないからです。」

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/12/06/a1300414.html(中国語)

(翻訳/白白 映像編集/李)

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