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中国政府がトランプ氏に関しメディアに箝口令

2017年01月17日

【新唐人2017年1月17日】

20日の就任式で正式に米大統領となるトランプ氏に対する中国政府の態度に変化が生じ始めています。歯に衣着せぬトランプ節は相変わらずですが、中国共産党のメディア統制部署である文宣部は、国内メディアに対して、「トランプを安易に批判しないように」との箝口令を敷きました。

 

トランプ次期米大統領は11日、当選後初めて行った記者会見で、CNNの記者、ジム・アコスタ氏の質問を再三に渡り拒絶しました。

 

トランプ次期米大統領:「質問を続けて。君ではない。君らのメディアはひどいのでね。どうぞ質問を続けて。静かにして。はい、続けて。彼女が質問しているだろう。無礼なことをするんじゃない。君には質問させない。君らは嘘のニュースを作るんだからね。」

 

トランプ次期大統領のこのようなストレートな発言は、一般的な政治家とはかなり異なるため、話題となってきました。その直言ぶりは、アメリカの国内問題についてだけではなく、中国政府に対しても同様です。

 

このようなトランプ次期大統領に対処するため、中国政府は「箝口令」を敷きました。

 

香港紙『明報』13日付は、中国共産党宣伝部に所属するイデオロギー文宣部門は、内部に向けて、アメリカに関する報道については政府見解に沿ったものでなくてはならず、とくに中米関係関連の報道については新華社の報道を使うよう求めました。さらにトランプ次期大統領に関する報道は慎重でなければならず、政府の許可なくしてメディア各社が勝手にトランプ批判をしてはならないとしました。

 

中国問題専門家 石実氏:「これは珍しいことです。文宣部署といえばアメリカや日本など国際ニュース報道を管轄する部署で、このように特定の国のリーダーを名指しして通達を出すということは、あまりないことです。」

 

中国共産党文宣部はかつてトランプ氏に対し「情けをかけない」姿勢でした。それまで党のメディアは「トランプ当選によりアメリカ社会は分裂させられた」などと批判したり、貿易政策やツイッター発言などを批判してきました。それがなぜ今になって、トランプ批判を自粛し始めたのでしょうか。

 

アメリカ在住時事評論家 藍述氏:「今のところ両国は経済面で競争状態にあり、互恵関係にはありません。そうした中、大統領に就任した後のトランプ氏が、どのような対中政策を行うのか、これまでの共和党大統領と同じか、或は違うのか、中国政府は不安を感じており、まずは静観しようという状況です。こうした状況の中、不用意な発言でトランプ大統領との間に緊張を招くようなことは避けたいというのが、今回箝口令が敷かれた主な理由でしょう。」

 

中宣部がトランプ次期大統領に関して箝口令を敷いたほか、中国国務院は11日、「アジア太平洋安全協力白書」を発表しました。白書では、トランプ・蔡英文電話会談や、貿易や人民元為替レートの不公平といった米中間に横たわる問題について、中国側はアメリカの新政権と共に努力していきたいと強調し、「衝突せず対抗せず、互いに協力してウィンウィンの関係を築きたい」と述べています。

 

中国政府がトランプ新政権に対し軟化した表現を用いたことについて石氏は、外交的な配慮のほかに内部にも要因があると指摘します。

 

中国問題専門家 石実氏:「中国政府にとって2017年は、党第19回全国代表大会が開催される非常に重要な年です。トランプ氏の大統領就任式の直前にこの『アジア太平洋安全協力白書』を発表したのは、中国にとって今年は第19回大会に精力を注ぐべき年であり、アメリカとの間に摩擦を起こしたくないのだというメッセージをトランプ氏に送っているのです。」

 

『明報』は文宣部トップはメディアのほか、学術関係者にも箝口令を敷いたと報じています。トランプ氏への批判を自粛し、世論は沈黙するよう求めています。今月初め、中国のネットでは、トランプ氏を批判した文章が全国人民大会外事委員会主席委員の傅瑩(ふ えい)氏の名前でアップされ話題になりましたが、傅瑩氏は自分が書いたものではないと、否定しています。

 

新唐人テレビがお伝えしました。          

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/01/14/a1306821.html(中国語)

(翻訳/白白 映像編集/李)

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