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中国 対北朝鮮制裁をどこまで実行するか?

2017年02月22日

【新唐人2017年2月22日】

中国政府は18日、北朝鮮からの石炭の輸入中止を突然発表しました。北朝鮮は最も重要な外貨獲得源を断たれることになり、海外メディアが注目しています。

 

中国商務部は18日、昨年11月の国連の対北朝鮮非難決議2321号に呼応して、2月19日から今年の末までに、北朝鮮からの石炭輸入を中止すると発表しました。

 

昨年の1月と9月に北朝鮮が核実験を行ったのを受け、国連の安保理は北朝鮮非難決議2270号と2321号を採択しました。そのうち3月の2270号決議では、北朝鮮から石炭を輸入しないよう求めていましたが、中国は履行していませんでした。

 

中国の税関署によると、2016年に中国が北朝鮮から輸入した石炭は前年度より14・5%増加し2250万トンに上り、北朝鮮に10億ドルの外貨をもたらしていました。わずか数カ月のうちに中国がなぜ厳しい制裁に出たのか、注目が集まっています。

 

ハーバード大学研究員・楊建利氏:「トランプ新政権は、中国が北朝鮮問題で約束を守っていないと指摘したり、『一つの中国』をめぐって従来と異なる発言を行うなど、これまでとは違う対中政策を打ち出しています。『一つの中国』の原則が揺らぐことは中国にとって外交の失敗です。そうさせないために、中国はあらゆる交換条件を差し出してきたのでしょう。トランプ大統領が『一つの中国』政策を認めるなら、中国政府はさらに積極的に強硬に北朝鮮に対するだろうと、専門家は見ています。」

 

中国が石炭輸入禁止令を出すより6日前に、北朝鮮は中距離弾道ミサイルの発射実験を行い、その翌日に金正男が暗殺されました。楊氏は、これら2つの出来事が中国政府に石炭輸入禁止を決意させたと考えています。

 

石炭は北朝鮮の輸出項目の三分の一を占めており、石炭輸出を断たれたことはすなわち金正恩政権の財源を断ったことに等しいと、海外メディアは伝えています。しかし、北朝鮮にとってどれほど打撃となるかは、禁止令がきちんと施行されるかどうかによると専門家は見ています。

 

ハーバード大学研究員・楊建利氏:「中朝貿易に詳しいビジネスマンから聞いた話によると、中朝国境地帯では規則を無視した貿易が行われているということです。金になるなら、闇取引が行われるでしょう。これが一つ。二つ目は、中国政府は表面的には制裁を行うとしていますが、実際に施行するのかどうか。注意深く観察しなければなりません。」

 

これまでの30年間に亘る中朝関係の歴史の中で、江沢民は北朝鮮を絶対に見放さないと述べ、江沢民以後も親北朝鮮政策が続きました。北朝鮮は2006年に初めて核実験を行いましたが、その後5年間の中朝貿易は2倍にまで拡大し、国際社会の対北朝鮮経済制裁を骨抜きにしてきました。

 

2012年に金正恩が最高指導者に就任した頃、中国国内では江沢民派に対する粛清が行われ、中朝関係は徐々に氷河期へと突入してゆきます。しかし、中国の政治イデオロギーが変わらない限り、北朝鮮の共産党政権を見捨てることはないだろうと専門家は考えています。石炭の輸入を禁止しても、そのほかの手段で北朝鮮を援助する可能性があると言います。

 

コロンビア大学政治学博士・李天笑氏:「習近平政権発足後、確かに北朝鮮に対する圧力は高まってきましたが、習近平政権も共産党政権モデルから脱しきってはいません。この政治イデオロギーがある限り、習近平が北朝鮮に対して徹底的に制裁することはできません。将来、中国が共産主義を捨て去ることができれば、北朝鮮問題にも大きな変化が訪れるでしょう。」

 

新唐人テレビがお伝えしました。               

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/02/21/a1312590.html(中国語)

(翻訳/白白 映像編集/李)

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