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母を辱められ殺人事件 中国世論が沸騰【禁聞】

2017年03月29日

【新唐人2017年3月29日】

山東省聊城市(さんとんしょう りょうじょうし)で発生したある殺人事件がネットで関心を集めています。事件の発端は、暴力団とつながりのある金融業者から借りた金を返済できなかった聊城市の女性企業家が、11人の取立人に拘束され性的暴行を受けたことに始まります。事件現場に駆けつけた警察官が女性を助けようとしなかったため、その場で同じく拘束されていた女性の息子が果物ナイフで取立人を刺殺したところ、無期懲役を求刑されました。

 

中国のメディアが報じたところによると、この女性企業家、蘇銀霞(そ ぎんか)さんは不動産会社経営者から135万元を借り、すでに184万元と70万元の不動産を返したものの、借金完済できなかったとのことです。

 

「2016年4月14日、11人の借金取立人は蘇銀霞に罵声を浴びせ、顔面を張り倒し、靴を口の中に詰め込むなど1時間に亘って暴行を加えた後、杜志浩(と しこう)がズボンを脱ぎ、息子の于歓(う かん)の目の前で非情な方法で凌辱した。現場に駆けつけた警察官はこの凶行を止めなかった。22歳の于歓は果物ナイフで取立人らに切りつけ4人が負傷。負傷した杜志浩は自分で車を運転して医者にかかったものの、出血多量ショックで死亡した」と報じています。

 

この事件をめぐり聊城中級裁判所は、事件発生時、于歓は身体の自由を奪われ侮辱的な行為を受けていたものの、相手は何も凶器を持っていなかったとして、警察官が駆けつけた時点で正当防衛を行う緊迫性はなかったと考えました。

判決文によると、通報を受け現場に駆けつけた警察官は「借金の取立はしてもよいが、暴力はいけない」と言った後、その場を去っていました。

 

聊城中級裁判所が故意による傷害罪により于歓に無期懲役刑を言い渡し、政治的権利を永久に剥奪したため、世論の反撥を招きました。

 

元安徽省検察院検察官 沈良慶氏:「彼が犯行に及んだのにはそうせざるを得なくされた原因があり、情状酌量の余地があります。その点を汲んでどうして刑を軽くならないのでしょうか?傷害罪、傷害致死罪と言いますが、情状酌量の余地があるはずです。」

 

元検察官の沈良慶(しん りょうけい)氏は、こうした事件は正当防衛の面が考慮され罪は軽くなるものであり、しかも警察は職務怠慢であったと指摘しています。

 

米国在住弁護士 葉寧氏:「これは正当防衛ではなく、正に進行中の刑事犯罪を制止したのです。これを踏まえて、彼が加えた傷害の程度と彼が守ろうとした人が受けた脅威の程度を比べ、刑を決めなければなりません。」

 

米国在住の弁護士、葉寧(よう ねい)氏は、この事件が発生した際、息子と母親は身体の自由を奪われ凌辱を受けており、生命の危険を含め、この後どれほどの危害が自分たちの身に襲いかかるか予測ができない状況にあったと指摘しています。警察が何もしない状況の中、被害者は自分自身で正義を守らねばならず、生命の重大な危険を排除しなければならなかったと指摘します。

 

事件発生から4カ月後、女性に金を貸した不動産会社経営者は暴力団との関係により警察に身柄を拘束されました。死亡した杜志浩は暴力団のメンバーで、過去に14歳の少女を引き逃げし死亡させたことがありました。この引き逃げ事件について、通警察は犯人を不明としていました。

 

葉氏は、この判決によって中国の司法がマフィア化していることが顕著に示されたと指摘し、中国が民主化しなければ社会全体がマフィア化するだろうと言います。

 

沈氏は、共産党独裁政権は多くの問題を引き起こしていると指摘しています。銀行の独占や権力の濫用が高利貸しなどの地下銀行の横行を招き、地下銀行そのものも政府や政府と結託した暴力団によって保護されていると言います。当局はこうした違法行為は取り締まらず、政治弾圧ばかりに力を入れていると指摘しています。

 

元安徽省検察院検察官 沈良慶氏:「宗教を信仰する人々を政権安定のために迫害し、陳情者を弾圧します。異論を持つ者を弾圧するにはとても効率がよく、警察のみならず地域のさまざまな組織を総動員して弾圧します。」

 

沈氏は、当局は治安維持や国民の生命と自由、財産を守ることについては非常に効率が低く、公正を守ることさえできないと指摘しています。

 

新唐人テレビがお伝えしました。               

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/03/27/a1317601.html(中国語)

(翻訳/白白 ナレーター/淳萌 映像編集/李)

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