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中国系豪大学准教授が中国出国を禁じられる【禁聞】

2017年04月01日

【新唐人2017年4月1日】

シドニー工科大学の馮崇義(ふぅ すうぎ)准教授が広州空港からオーストラリア行きの飛行機に搭乗しようとした際、搭乗を阻まれたとの情報が伝わっています。情報筋がメディアに語ったところによると、中国当局は馮准教授に対し、現地の民主派知識人との関係について何度も取調べを行っていたとのことです。米国在住芸術家の陳維明(ちん いめい)氏は、中国政府は学者さえも容赦なく弾圧していると述べています。

 

オーストラリアの永住権を持つ馮崇義氏はシドニー工科大学の准教授で、3週間前、オーストラリア国籍の妻を伴って中国のパスポートで中国に入国しました。

 

多くのメディア報道によると、馮氏は24日から2度に亘って広州空港から出国しようとしましたが出国できず、2度目の時には自身が出国禁止のブラックリストに載っていることを知りました。

 

ロイター社によると、馮氏は先週雲南省昆明市のホテルから国家安全部の職員に連れ出され3時間の取調べを受け、広州でも同じ国家安全部職員らから3時間の取調べを行ったということです。取調べでは、馮氏が北京市で誰と会ったか、オーストラリアで誰と連絡を取っているか、などを言うよう求めたとのこです。

 

馮氏は広州市の陳進学(ちん しんがく)、劉浩(りゅう こう)両弁護士に出国の法的手続きについて委託しています。

 

陳弁護士は『新唐人』に対し、当局は馮氏が国家の安全に危害を加えたと主張するも具体的な理由やいかなる文書も示しておらず、どこの部署からの命令なのかも不明だと述べています。

 

一方、出国禁止令を出したのは天津市の国家安全局であるとの報道もあります。

 

陳弁護士によると、馮氏が現在滞在している広州市内のホテルに、国家安全局職員も投宿しており、身柄を拘束しているわけではないにしても時折馮氏に話を聞いていると言います。

 

広州律成安邦事務所 陳進学弁護士:「この件に関しては馮氏とさらに相談しなければなりません。理由も明確に告げず、文書もなく、出国を禁止する行為は違法なので、法律的には広州の国境管理部署を起訴することが可能です。」

 

オーストラリアで20年以上就業している馮氏はシドニー工科大学の中国研究の責任者で、中国の現代政治や権益問題、民主化問題などについて研究しており、オーストラリアの学会では有名です。今回の中国帰国時には北京やほかの都市で学者や知識人、人権派弁護士などと面会していました。

 

広州律成安邦事務所 陳進学弁護士:「友人に会って人権派弁護士の現況について知ろうとしていたようです。」

 

馮氏はこれまで、中国政府がオーストラリアの政治に干渉しようと企み、現地の中国語メディアなどを支配下に置いていると何度も批判してきました。

 

馮氏は2015年に出版した『中国憲政のモデルチェンジ』の中で、中国が現在直面しているのは、一党独裁の中での改革ではなく、一党独裁から憲政民主へのモデルチェンジを行うことだと指摘しています。

 

馮氏はこれまでも何度も中国に帰国していましたが、行動を制限されることはありませんでした。

 

馮氏をよく知る友人の在米芸術家、陳維明氏は、馮氏はこれまでずっと中国社会の底辺層に関心を持ち続け、この問題を研究してきました。

 

在米芸術家 陳維明氏:「中国に帰って生の資料を入手し、中国社会の現況を理解することは、学者として当然のことです。学者ですから当然伝聞ではない資料が必要ですから、帰国したのです。一人の学者が行った研究のために出国を禁じられるとは、中国という国に研究というものが一体存在すると言えるのか。憲政や法律、さらには一人の学者の研究さえも、容認できない。中国は現在、こんな状況になっているのです。」

 

ここ2年ほどの間、中国当局は人権派弁護士や政府に異論を唱える人々を大量に拘束したり、取調べを行ったりしています。しかし、外国の大学に籍を置く学者が同じく弾圧されたことには珍しいと言えます。

 

陳維明氏は、中国の社会は今変革を遂げる間際、臨界点に達しており、その火種はあちらこちらにあると指摘しています。

 

在米芸術家 陳維明氏:「我々はもともと平和と理性で暴力に対抗してきましたが、もはや状況は変わりました。政府の弾圧がこうした状況を生み出しました。今回の馮氏の事件のような学者をも弾圧する行為を見て、人々は改革は死に革命しかない、と考えています。」

 

馮氏出国禁止事件はちょうど李克強首相のオーストラリア訪問中に起こりました。しかし、タンブール・オーストラリア首相は李首相との共同記者会見で、中国の人権問題について一言も触れていないことに、ネットでは不満の声が上がっています。

 

27日の午後になっても中国外務省は同事件について何も発表せず、中国メディアも報じていません。

 

オーストラリア外務省は同事件についての消息を得ていると発表したものの、馮氏は中国パスポートを使って渡ったため、法的にオーストラリア政府は領事援助もできないと述べています。

 

新唐人テレビがお伝えしました。                

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/03/28/a1317743.html(中国語)

(翻訳/白白 ナレーター/淳萌 映像編集/李)

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