HOME > ニュースページ > 経済 > 詳細

雄安新区の設置は中国に何をもたらすか?

2017年04月06日

雄安新区の設置は中国に何をもたらすか?

 

【新唐人2017年4月6日】

中国政府は4月1日、深セン特区、浦東新区に続く新たな特区となる雄安新区を河北省に設置すると発表しました。雄安新区は中国にどのような変化をもたらすのでしょうか。専門家の間で議論が巻き起こっています。

 

北京市民がマスク着用で空気汚染のひどい冬を乗り切った今月1日、政府は河北省に新たな特区、雄安新区を設置する国家プロジェクトを実施することを決定しました。

 

雄安新区は河北省の雄県、容城県、安新県の3県にまたがり、北京市と天津市からそれぞれ約100キロにあり、ちょうど正三角形を描きます。

 

中国問題専門家 杰森博士:「新区設置の目的は北京市の首都機能に属さない事業を新区に移転させ、北京市の資源不足や人口過多などの問題を解決することと政府は説明しています。」

 

政府によれば、雄安新区は緑化都市、美しい環境、新しい産業発展、体制改革、全面的な外資への開放など7つの特色を備えるものになるとのことです。また、ルールを遵守して建設を行うことを強調しています。こうしたことに言及するのは、これまで20年以上にわたって、資源の無駄遣いや汚染排出にかまわず経済発展を優先させてきた都市建設計画とは異なります。

 

中国問題専門家 杰森博士:「政府発表からは習政権にとっての『モデルハウス』を建設しようとの構想が読み取れます。新区が建設される3県は開発が遅れている地域であるため、まっさらな紙に設計図を描いて、既存の建物を壊すことなく建設を行うことができます。ここで中国の新しい産業を発展させたいと考えています。」

 

新区の設置をめぐる民衆の反応は悲喜こもごもです。中国には現在、浦東新区など18カ所の国家新区と深セン特区など7カ所の経済特区が設置されています。政府の高官はいつも、こうした都市建設に際して政策及び資源上の支援を与える一方で政府の干渉は極力控え、市場経済に任せると口では言っています。ですがそれから数十年経った今、深セン特区と浦東新区を除く多くの特区、新区はゴーストタウンとなっているのが現状です。この失敗から教訓を得なければなりません。

 

時事評論家 文昭氏:「(発展した地域と)同じ条件ではないからです。たとえば深セン特区は香港のおかげで発展しました。改革開放初期、中国本土に流入した香港資本を、地理的条件に恵まれた深センが吸収し、加工製造業の中心地として発展できたのです。上海の浦東新区もちょうど中国がWTOに加盟し、大量の外資が中国に流入したため、金融の中心地として発展できました。いわゆる特区が発展できるかどうかは、国際的な経済条件が備わっているかにかかっており、単に中国政府の政策によって可能なものではないのです。」

 

時事評論家 趙培氏:「なぜ新区にますます魅力がなくなっているのか。中国の発展を妨げている元凶は共産党という政治制度です。経済改革に行き詰った今やるべきことは政治改革しかありません。」

 

経済学者の羅天昊(ら てんこう)氏は、現在中国国内の利益集団の勢力は拡大しており、雄安新区の建設は利益集団の利益獲得を制限しようとの大胆な試みであると指摘しています。ですが、こうした改革が単に経済改革や行政改革の範疇に留まるのか、それとも政治制度改革にまで及ぶのか、雄安新区の建設は新しい試みとなると考えられています。

 

新唐人テレビがお伝えしました。             

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/04/05/a1318914.html(中国語)

(翻訳/白白 ナレーター/淳萌 映像編集/李)

トップページへ