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アメリカの減税が中国を不愉快にさせる

2017年05月06日

【新唐人2017年5月6日】

アメリカ政府は新しい税制改革法案を発表しました。新しい法案では、法人税の税率を35%から15%に引き下げ、個人所得税をこれまでの7段階から10%、25%、35%の3段階へと簡素化し、非課税対象を年収2万4000ドルまでに引き上げました。一方、中国は、アメリカの税制改革は財務戦争を誘発し金融リスクが勃発する恐れがある、と考えています。アメリカの減税が中国を不愉快にさせているのはなぜでしょうか。報道をご覧ください。

 

アメリカの税制改革法案について、中国政府系メディア『人民日報』4月28日付は、「アメリカ税制改革の勝者は誰か」という記事を掲載しました。記事は、アメリカの税制改革によって米企業はアメリカに根を下ろすことが可能となり、外国企業もアメリカに流入し、アメリカ国民を籠絡できるという利点があると指摘しています。

 

だが記事はその一方で、アメリカの減税は税務戦争を誘発するものと指摘し、力のある国がこの競争に参加し、減税合戦したり、タックスヘイブンを設置したりするだろうとしています。現在、すでにイギリスやフランスなどの先進国でそうした動きが見られると指摘しています。

 

『人民日報』はさらに、アメリカの減税は国際社会の税収秩序を混乱に陥れるもので、一部の税収競争に参加する力を持たない輸出型国家は直接損害を蒙ると述べています。

 

米ケイトー研究所客員研究員 夏業良氏:「こういう主張をするのはおかしなことで、恥ずかしいものです。ある国が大幅な減税を行う際、一体誰にとって最もよいことかと考えれば、それはもちろんその国の国民です。自国の企業や国民を税収面で優遇することにより、企業は競争力を備えることができ、国民も消費力を増すことができる。よいことなのです。」

 

ケイトー研究所客員研究員の夏業良(か ぎょうりょう)氏は、アメリカの減税と中国政府には何の関係もないと言います。アメリカ政府が財産を国民と分け合い、財政収入を企業と分け合おうというのであり、企業を見捨てるのではありません。一方、中国政府は自国民や自国の企業に冷たく、多くの税金を徴収しながら国民の福利厚生には使用しません。だから、アメリカのやり方にいちゃもんをつけるのです。

 

中国の個人所得税は11段階に分けられており、月収3500元以上から課税対象となります。税率は3%から45%までの7段階で、月収8万元以上の税率は45%にも上ります。

 

中国は昨年、企業に営業税を付加価値税に変更しました。例えば、建築業は営業税の3%から付加価値税の11%に引き上げられます。

 

『人民日報』はさらに、アメリカ政府に対し、減税により財政も減少するのは必須として、今後10年間で2兆ドルから6兆ドルまで財政が減るだろうと警告しています。そして、多額の国債を抱えるアメリカ政府にとって大きなリスクとなるとも述べています。また、法人税の減税によって発生する余剰資金が金融バブルを押し上げ、一連の金融リスクの導火線となる危険があるとも指摘しています。

 

サウスカロライナ大学教授の謝田(しゃでん)氏は、アメリカの強国富民政策に対し、中国の既得権益集団は恐怖を抱いているため、このような滅茶苦茶な論理で非難しているのだと指摘しています。

 

サウスカロライナ大学教授 謝田氏:「減税はとてもよいことであり、アメリカの減税が中国の醜い素顔を浮き彫りにしています。それはちょうどアメリカの人権が保障された民主主義制度の社会が、中国の人権を抑圧する非民主主義制度の社会を浮き彫りにし、アメリカの自由の保障された社会が中国の自由のない社会を浮き彫りにし、アメリカの民主主義が中国の独裁を浮き彫りにしているのと同じです。そして今、アメリカの減税が中国の国民苛めの重税を浮き彫りにしたといえます。」

 

謝氏は、国民に選ばれたトランプ政権が国の財産を国民に与えようとするのに対して、独裁政権の中国共産党政府は権力と財産を独り占めにし、自分たち官僚集団の利益だけをはかっており、両者はまったく異なるものだと述べています。

 

米ケイトー研究所客員研究員 夏業良氏:「アメリカが大幅な減税を行えば、アメリカの財政赤字も大幅に増加すると多くの人が考えています。しかし、アメリカは歴史的に、大幅な減税を行うと、経済も大きく成長するという現象が多く見られます。減税が経済成長を促し、国民と企業が活気づくからです。」

 

夏氏は、経済学には有名なラッファー曲線が存在すると指摘します。税率の設定が高すぎると税収も最終的に減少し、税率の設定が低いと税収も逆に増えるという現象です。レーガン政権もこのラッファー曲線理論を採用して財政赤字を減少させました。過去8年間、オバマ政権が増税を行った結果、財政赤字は歴代政権の赤字の総額を超えました。

 

新唐人テレビがお伝えしました。               

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/05/01/a1322723.html(中国語)

(翻訳/白白 映像編集/李)

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