HOME > ニュースページ > 外交 > 詳細

中国側譲歩か インドとの国境対峙が終結

2017年08月30日

【新唐人2017年8月30日】

28日、中印両政府はドクラム地区で70日に亘って続けていた睨み合いを停止することで合意に達し、インド軍は撤退、中国側も国境付近での活動を見直しました。インド軍を撤退させるため、中国側が同地区での道路建設を断念する譲歩を見せたと見られます。

 

今年6月16日に中国側がチベット自治区ドモ県からドクラム地区まで続く道路の建設を始めました。ブータンもドクラム地区の領有権を主張しています。ブータンの保護国インドが同18日に同地区に進入し、中国側と睨み合いとなりました。

 

8月28日の午後、インド外務省は中印両政府がドクラム地区での対峙を終結させることで合意に達したとして、国境要員の迅速な離脱を行うと発表しました。

 

中国外務省もこの後、中国側の国境警備部隊はドクラム地区での巡回は続けるものの、配置については見直すと発表しました。道路建設を続行するかどうかには言及しませんでした。

 

時事評論家 唐靖遠氏:「インドはこれまで中国側が国境地帯を巡回警備することを阻止したことはなく、道路建設などドクラム地区の現状を打破する行為をやめるよう中国側に求めてきたのです。今回中国側の声明では国境警備の話だけが取り上げられ、道路建設問題には言及しなかったことは、中国側がインド側の条件を呑んで、道路建設を一時棚上げにした可能性があります。」

 

70日に及ぶ睨み合いで、双方とも兵を増員し、一戦も辞さない構えを見せていました。それが突然双方とも撤退することになったのは、いくつかの原因があると見られます。

 

一つ目は習近平初の主催となる新興五カ国のBRICS首脳会議が9月3日に開催されるためです。平和的な雰囲気を作りたい中国側の意図があります。

 

次に中印の経済貿易関係は成長の途上にあり、2016年には715億ドルに達しており、戦争になれば双方とも損害を蒙るからです。

 

そのほか、アメリカ、ロシア、日本はインドを支持しているため、中国は孤立していることも挙げられます。

 

そして最大の原因は中国政権内部の事情によるものと見られます。

 

時事評論家 唐靖遠氏:「中国政府内部では党大会を控え権力闘争が激化しており、内憂外患の状態といえます。もし中印国境で軍事衝突が発生し、万一負けてしまえば、現政権は人事権を含め統治権力の基盤を失うことになりかねません。だから今回譲歩をしたのです。中国の道路建設をやめさせたいインド側にすれば、兵士の血を流さずとも目的を達成したわけで、これ以上睨み合う必要はなくなったわけです。」

 

ドクラム地区での対峙は終結したものの、ラワット・インド陸軍参謀長は26日、インドと中国は現在の国境線について意見の食い違いがあり、将来もこうした対峙が発生する可能性があると発言しています。

 

新唐人テレビがお伝えしました。                

http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2017/08/29/a1339945.html(中国語)

(翻訳/白白 映像編集/李)

トップページへ