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台湾人NGOメンバー 中国での裁判で罪を認める 強要の疑いが濃厚

2017年09月13日

【新唐人2017年9月13日】

台湾の人権団体のメンバー李明哲(り めいてつ)さんが中国で「国家政権転覆罪」で逮捕されてから177日目の9月11日、やっと裁判が開かれました。4時間を超える裁判で、李さんは罪を認め、裁判官は次回判決を言い渡すと述べました。李さんは罪を認めるよう強制された不公正な裁判であると、批判の声が上がっています。

 

裁判は9月11日午前9時半、湖南省裁判所で開廷。検察側は李さんが中国政府を誹謗中傷し転覆させようとしたと指摘し、李さんは罪を認めました。

 

13分ほどの尋問の中で、李さんは自分の罪について一字も違わず繰り返し述べました。李さんは、中国の刑法第105条「国家政権転覆罪」を確かに犯したと述べました。裁判官は判決を言い渡す日取りを決めると述べ、李さんは再拘留されました。

 

閉廷後、李さんは警察当局の監視の下、妻の李净瑜(り じょうゆ)さんと短時間接見しました。

 

その後、取材に応じた李净瑜さんは、「メディアや警察に監視されている中で、夫は私に、台湾に帰ったらもうこの話をしないよう命令しました。でも夫は私を強く摑み、その目は瞬きしていました」と述べ、夫はそう言わざるを得なかったのだと指摘しました。

 

净瑜さんは法廷に何も持って入ることはできなかったため、腕に「李明哲、私はあなたを誇りに思う」と書いて傍聴しました。李净瑜さんは、台湾で当たり前の言論表現が中国では政権転覆行為に当たるなど、台湾人も国際社会も受け入れられるものではなく、これは政治の戦いだと考えています。

 

净瑜さんに付き添って中国を訪れた民間司法改革財団の蕭逸民(しょう いつみん)主任は、中国の「国家政権転覆罪」とは、暴力・非暴力、武力による政権転覆・平和的な政権移行、公の場での発言・私的な会話、すべてが含まれ、共産党政権に異論がある者は誰もが犯罪者と見なされる、と指摘しています。

 

蕭主任は、「国家政権転覆罪」で起訴されたことは、李さんが一般的な法律に違反したのではなく、純粋な政治犯であることを示すといいます。この罪名で中国で裁判にかけられた台湾人は李さんが初めてです。

 

民間司法改革財団主任 蕭逸民さん:「今日の裁判は茶番であり、民主・自由を追求することは無罪である。誰であっても、民主・自由を追求したために犯罪者であると見なされることがあってはならない。しかも李明哲氏は台湾人であり、民主・自由は台湾人が持つ権利である、犯罪などではない。」

 

中国当局は李明哲裁判が知れ渡るのを防ぐため、早朝から裁判所付近に厳戒警備を敷き、詰めかけた台湾メディアや同行者はホテルでネット配信された裁判を視聴するしかありませんでした。

 

台湾人権促進会事務局長 邱伊翎さん:「裁判の様子が全行程ライブ配信されたわけではありません。ところどころ、数分ごとに切られた映像が配信されたにすぎず、まったく信頼性に欠けます。裁判所の逮捕から公開審判、そしてライブ配信に至るまで、本当に全く中国的と言うしかほかに言いようがありません。」

 

42歳の李明哲さんは長期に亘り、中国の社会や人権の問題に関心を示してきました。今年3月19日、マカオ経由で広東省珠海市(しゅかいし)に入った後、消息を絶ち、同月29日に、中国当局が李さんが「国家の安全を脅かす活動に携わった」と発表、捜査を受けていました。

 

台湾人権促進会は、中国当局による逮捕から審判までのやり方は、国連人権条約に違反するうえ、中国の刑事訴訟法や「両岸司法互助協議」が定める「通知」「人道的な面会」の規定にも反すると指摘しています。

 

台湾人権促進会事務局長 邱伊翎さん:「国家政権転覆罪という罪自体、その内容や行為に関する規定は曖昧であり、この罪名自体が国際法に違反しています。ですから、この裁判は李明哲氏にではなく、中国政府に対する裁判であるという認識です。」

 

民進党元立法委員 王麗萍さん:「独裁国家で李明哲氏が強制的に罪を認めさせられたことは、不思議ではありません。中国の裁判は裁判などではなく、政権を強化するための茶番でしかない。」

 

台湾の立法委員、徐永明(じょ えいめい)さんはフェイスブックで、「中国当局に半年近くに亘り拘束されていた李明哲氏が、どれほどの脅迫を受けたかは定かではない。情報公開が行われない状況下で、『罪を認め』るよう強要されたのである」とコメントしました。

 

唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/09/12/a1341941.html(中国語)

(翻訳/白白 映像編集/李)

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