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中国のマネー流出加速 経済と政局に衝撃

2012年11月06日
【新唐人2012年11月7日付ニュース】ワシントンに本部を置くシンクタンクの最新報告書によると、中国は2000年から2011年にかけて、3兆7,900億ドルの資金が海外へ流出。しかも加速度的に増えているそうです。報告書は、これは中国の社会と政局の安定に不利な影響を及ぼすと指摘。こういった資金流出に使われる常用手段のトップが、“偽装輸出”だそうです。
 
ワシントンに本部を置く民間研究機関グローバル・フィナンシャル・インテグリティー、GFI(Global Financial Integrity)の推定によると、中国の不正な資金流出が加速を続け、2000年の1,726億ドルから2011年には6,029億ドルまで増加したと見られています。GFIが発表したこれまでの関連報告書から、中国は既に世界で最も資金の不正流出に悩まされる国となっていることがわかりました。
 
報告書はさらに、資金の大規模な流出は中国に深刻な結果をもたらすと警告し、資金の不正な流出が持続的に上昇を重ねたら、中国の社会と政局の安定に不利な影響を及ぼす可能性を排除できないと指摘しています。
 
報告書の作成者の一人、デブ・カー(Dr.Dev kar)氏は、“中国経済は既にセットされた定時爆弾で、長期的に見て、このような大規模な資金流出によって、中国の社会、政治及び経済の秩序は維持できなくなる”と指摘しています。
 
北京の公認会計士・杜延林(と えんりん)は、経済の基本的な原理からすると、一国の消費と経済成長には資金が必要であり、資金が国内市場で流通すればするほど、投入される資金量が増えると述べます。
 
北京の公認会計士 杜延林さん
「正常な国家では大多数の消費者や公民の資金は主に消費に使われます。しかし 収入分配が極めて不均衡あ、るいは格差が大きいと、経済学の観点からすると、消費は確実に不足します。第二に経済成長には投資が必要で、投資には資金が必要です。この資金が もし国内銀行に預けられ、あるいは国内市場で流通している場合投入資金量を増やし、投資自体に不足が生じるのを防げます」
 
GFIの責任者レイモンド・ベーカー(Raymond Baker)は、数十年来、一貫してグローバルな範囲で金融犯罪、腐敗と脱税に注目してきたが、中国の不正な資金の対外流出のレベルには驚かされたと示し、世界的にも、中国のように不正な資金流出の影響を大規模に受けている発展途上国や新興国は他にないと述べました。
 
杜延林さんは、資金流出の主な三つのルート、それは汚職官僚、企業家及び投資移民だと述べます。
 
北京の公認会計士 杜延林さん
「中国は権力社会です。権力さえあれば、大量の蓄財ができます。暴かれない人も多いですがその資金も外へ流出していると信じています。もう一つのルートは未来に対して自信がない、一部企業家が貸借の形で金を巻き上げてから、離れてしまうのです。正常な経営では元本回収は困難だからです。第三のルートはいわゆる投資移民です」
 
GFIのチーフエコノミストが作成したこの報告書によると、金融犯罪、腐敗あるいは脱税の手段にかかわらず、大量の資金が中国から、不正に国外へ流出する場合は、大体が国際貿易に基づくマネーロンダリング、“偽装輸出”という手口が使われるそうです。つまり、国内の輸出業者が国外の買主に大幅に水増しした金額を請求し、差額を国外の口座に入金させるのです。
 
報告書によると、過去11年間、中国の不正な国外流出資金の86.2%、つまり3兆2,000億ドルがこの方法で海外へ流出。GFIによると、報告を作成した経済学者は中国の“偽装輸出”に関する独自の情報を押さえており、最新号の雑誌で関連する内容を掲載する予定だそうです。
 
新唐人テレビがお伝えしました。
 
 

(翻訳/松本 編集/坂本 ナレーター/佐藤 映像編集/蒋

 

 

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