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カルテ(二十九)―臨死体験

2010年06月02日

今回李さんが紹介した逸話、それはある手術患者の体験だ。その患者は手術後、自身の手術の一部始終を執刀医らに克明に語る。実は、麻酔で意識を失っていた時、彼はまるで自身が第三者になったように、自身の体にメスが入れられるのを眺めていたのだという。これは現代医学では解釈の仕様がないところだ。魂、あるいは元神といったものが肉体から離れて、それが自分の手術を見た、こういうことなのだろうか。

魂が肉体を離れる。これを聞いて思い浮かべるのが臨死体験だ。臨死体験とは死の瀬戸際での体験、あの世とこの世をさまよう体験である。つまり、事故や病気などで一旦死に掛けたが救命治療などによって、息を吹き返した場合に感じたり見たりした体験だ。
 
最近、様々な臨死体験の研究や調査がなされている。対象者は国、民族、年齢から性別、死にいたる理由まで様々だ。しかし、ここに奇妙な共通点が存在する。それは彼らが「光」を見た点である。しかもこの光は、この世で目にしたこともないような、博大なものだと体験者は語る。つまり、自分の全てが許され理解され、また受け入れられる、慈悲に満ちた偉大な光だというのだ。
 
この光の正体が一体何なのか、何の意味があるのか、まだ誰もその答えを探し出せてはいない。しかし、この点はいえる。「死」「魂」「元神」これら現代医学では解釈しようのないものが、多くの人によって指摘された。逆に言えば、これらを現代医学で解釈しようとすればするほど、その正体にたどり着けないのかもしれない。今我々が目にしている物、それがこの世界に存在する全てではないのだ。
 

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