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五十肩―若年化の原因は生活スタイル

2010年07月02日

中国では「五十肩、六十腰」というそうだ。この五十肩は、おなじみの肩関節周囲炎。強い痛みでお悩みの方も多いが、今では「四十肩」という言い方もある。つまり、この肩関節周囲炎は若年化の兆しがあるのだ。

若年化している原因は、やはり生活スタイルと関係する。つまり、夜更かしの多い生活や冷たい食べ物や飲み物の摂取、エアコンの当たりすぎなどだが、これらはいずれも体を冷やし、気血の流れを妨げる。漢方では「気血の流れが詰まると、痛みが出て病気になる」と考えるので、体を冷やす生活スタイルは体の健康にとって禁物なのだ。
 
だが、この現代社会で暮らしていれば、生活スタイルを完全に変えることは確かに困難である。そこで林先生は、肩の痛みを軽減する手軽な方法をご紹介する。手から肩に通じる経絡は、大腸経・小腸経・三焦経(さんしょうけい)の三本だが、このうち三焦経の「中渚(ちゅうしょ)穴」を指圧する。これは、手の甲の薬指と小指につながる骨の間にある。これを強く指圧してから、肩を上げる。これを何度か繰り返すそうだ。
 
ただし、指圧は軽症の場合である。症状が重くなったケースに対し、林先生がお薦めするのはある民間療法だ。サンショウ・八角・生姜汁・桂枝(けいし)に少量の酒を加えて、濃く煮詰める。この温かい煎じ汁に、スライスした生姜の切り口をひたし、それを痛む部分に塗る。そして、先ほどと同様に肩を上げる。再び塗って、また肩を上げる。この繰り返しで、徐々に肩が上がっていくそうだ。
 
試してみる価値はありそうだが、やはり予防は治療に勝る。自然のリズムに合った生活を心がけ、できるだけ面倒は避けたいものだ。

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