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カルテ(三十三)―攻邪三大法

2010年07月12日

今回李さんが紹介する話は、1800年ほど前の後漢時代にまでさかのぼる。ある大工と鉄工は、一晩泊めてもらおうと通りがかった邸宅を訪ねる。だが、病人の世話で忙しいからと断られたふたりはある悪知恵を働かせる。「自分たちは皇帝に仕える侍医である」と言い放ったのだ。そして外にあった牛の糞を拾い、小さく薬状に丸めて病人に与えた。すると怪我の功名とはよくいったもので、これを口にした病人がとことん胃の中のものを吐き尽すと、意外なことにその病人の病は治ったのだった。

この過程で鍵になるのは「吐く」行為であろう。実のところ、漢方では「吐く」ことは大変重要で、一種の治療法と見なされている。例えば後漢時代の名医、張仲景は「吐く」のほか「発汗」「下痢」を合わせた「汗吐下(かんとげ)」を攻邪三大法と呼び重要視した。胡先生によれば、張仲景はこれを使い当時のほとんどの病気を治したそうだ。深刻な病気であっても、初期のものなら治せたという。
 
「吐く」という行為すら治療法になるとは、実に漢方は面白く奥深い。熱に対しては寒性のものを用い、寒に対しては熱性のものを用いる。それだけにとどまらず、多種多様な治療法を備えているのだ。
 
これからも、こんな漢方の広くて深い世界をご紹介。どうぞ、お見逃しなく。

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