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ミルクを吐く赤ちゃん―膻中穴で気を散らす

2010年08月06日

抱っこした途端に、赤ちゃんの口元から白いものがタラリ…。これは、赤ちゃんがミルクを戻したのだ。実は赤ちゃんの胃は浅いうえに、食道への逆流を防ぐ胃の噴門という括約筋も未発達である。したがって、笑ったり泣いたり、ちょっとしたことでミルクを戻してしまう。

したがって、ミルクを戻すのは赤ちゃんにとって病気だとはいえない。危惧されるのは嘔吐である。この場合はミルクを戻すのとは違い、大量の物を勢いよく噴出するが、病気が疑われるケースもある。例えば髄膜炎だ。ウィルス、細菌が脳を包む髄膜に感染して生じるが、嘔吐はよく見られる症状だ。特に細菌性髄膜炎の場合は、重症化して死にいたるケースもあるので要注意である。
 
ところでミルクを吐くのは、空気をたくさん飲み込んでしまったため、それをゲップで出そうとして起こることもある。ならばこの空気を出してしまえばよい。左右の乳頭の中間にあるツボ「膻中穴(だんちゅうけつ)」は、気が集まる場所だといわれる。よって、この「膻中穴」から左右に向かってなでて、気を散らすとよい。赤ちゃんのデリケートな肌を痛めたくない場合は、ベビーオイルをつけてマッサージするのもお勧めである。

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