【新唐人2014年2月10日ニュース】世界保健機関WHOの最新報告によると、世界のがん発病率と死亡率が上昇傾向にあります。特に発展途上国においてその傾向が強く、中でも中国はがん患者が新たに増える主要地区であるとのことです。最近、中国メディアも中国では毎年300万人ががんで死亡していると認めました。50年前まで、中国人にとって「がん」は聞き慣れない言葉でした。わずか半世紀の間に、何が起きているのでしょうか？報道をご覧ください。
「世界ガンデー」の２月４日、WHOは『世界のがん報告』を発表しました。報告では、2030年までに全世界のがんの新たな症例は2012年の年間1400万人から2160万人に増加し、がんによる死者は毎年820万人から1300万人に増加すると予想されています。
報告によると、2012年に新たに増加した病例の半数がアジアからで、大部分は中国の患者だそうです。
また、アジアのがんによる死亡例の上昇率は50％を超えています。がんの中で、死亡率が最も高いのは肺がんで、がんによる死亡数の19.4％を占めています。次に肝臓がんと胃がんが続きます。
去年発表された『2012年中国腫瘍登記年報』によると、中国で毎年新たに確認されるがん症例は312万。がんによる死亡例は270万で、全体の死因の13％を占めています。
しかし、『中国新聞週刊』によると、この年報が使用した資料は2009年のものであり、現在の状況はさらに深刻であるとみられています。
浙江省杭州市の環境保護活動家、陳法慶（ちんほうけい）さんはメディアの資料を挙げ、中国では大気汚染が原因で早死にする人が70万人に上り、政府が環境保護に有効な措置を採っていれば、がん患者はこれほど多くないはずだと指摘しています。
浙江省杭州環境保護活動家 陳法慶さん
「中国政府の民衆の命への軽視がこの様な結果を招いたのです。だから、2012年12月30日と2014年1月23日に私と呉立紅氏は『NYタイムズ』紙に広告を載せ、中国政府に環境の保護ともう民衆を欺かないように要求し、政府の言動一致を求めました」
「太湖の護衛者」と呼ばれる呉立紅さんは、「20年前とは違い、今の太湖地区は深刻な水汚染だけではなく、大気や土壌までひどく汚染され、食物連鎖にまで影響を及ぼしている」と話します。当局が数百億元を費やした太湖の管理は、汚水を直接海に捨てているだけで、全世界に危害を撒き散らしています。しかし、汚染企業は何の影響も受けず、汚染範囲は却って拡大しているといいます。
環境保護活動家 呉立紅さん
「政府系メディアが表でデマを流し、腐敗官僚らが裏で利益を得ています。この体制は非常に恐ろしいもので、この腐敗した体制が今の悪い結果をもたらしたのです」
中国の「がん村」は、環境汚染が原因で集団発病が集中した現象です。昨年2月に出された環境保護部門の公文書において、中国の「がん村」は459か所存在し、徐々に中西部に拡散していることを初めて認めています。
中国の水源の３分の１は地下水です。中国地質調査局の専門家は、国際地下水フォーラムでの発言の中で、地下水の90％が汚染を受け、そのうち60％は汚染が深刻であることに触れました。
政府系メディア「新華網」は、118都市の連続観測資料の基づくと、およそ64％の都市の地下水が深刻な汚染を受けており、33％が軽度の汚染、清浄な都市地下水はわずか3％であると報じました。
2006年から、中国環境保護部と国土資源部は10億元以上を投じて、土壌の汚染状況に関する調査を行いましたが、調査結果は国家機密となりました。しかし、広東省が公開した土壌汚染の資料により、珠江デルタ地区の28％の土壌が重金属の基準値が超えており、三級あるいは劣三級土壌が珠江デルタ経済区の22.8％を占めていることが明らかになりました。
アジアの空気品質指数マップからも、中国の大気汚染指数がそのほかの国の指数を遥かに超えていることがわかります。
しかし中国では、環境保護活動家も当局の抑圧の対象になっています。
環境保護活動家 呉立紅さん
「蘇州と杭州の農民２人は20年間権利を守るために闘い、官僚利益グループの恨みを買い、脅迫や言いがかり、報復、監視されました。私は何度も拘留され、2007年に無実の罪で3年間刑務所に入れられました」
中国が環境汚染問題を解決するには、まだまだ長い道のりを歩む必要があると思われます。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2014/02/08/a1058045.html （中国語）
（翻訳/赤平 ナレーター/村上 映像編集/工）
