【新唐人2014年2月18日付ニュース】世界保健機関WHOが発表した報告によると、2012年のがん症例のおよそ半分を中国が占めています。研究者は、中国では改革開放政策を実施してからがん患者が急増し、環境汚染による「がん村」は200カ所以上。しかし改善のために奔走しているのは政府ではなく、民間団体であると述べています。
民間環境保護団体「淮河の護衛士」の発起人、霍岱珊さんは、淮河の汚染治理の為にもっと多くの人の参加を望み、2003年、「淮河水系生態環境科学研究センター」を設立しました。先日、ドイツの国際放送局「ドイチェ・ヴェレ」が霍さんのドキュメンタリーを報道しました。
元々カメラマンだった霍さんは、1998年に仕事を辞めたあと、民間調査を通して初めて、中国最大の化学調味料企業「蓮花味精」や淮河流域の多くの製紙工場の排水によって数十カ所のがん村ができたことを明らかにしました。しかしこれ以降、霍さんは幾度となく当局から抑圧と警告を受けています。
霍さんの2人の息子も,大都市の仕事をやめ、環境保護志願者「淮河の護衛士」の行列に加わりました。次男の霍敏浩さんは元々、広東省の玩具メーカーの有名デザイナーでした。
淮河の護衛士 霍敏浩さん
「我々が設立したのは民間の環境保護団体なので、政府の支援はありません。基金会と一部項目を協力し、数年前に始めたばかりです。その前までは自分の貯金で、環境保護をやっていました。アルバイトや小さな商売などで、生活を維持し、貯金のほとんどは環境保護に使いました」
霍さんの家に置いている大きな水槽の中では、淮河水域から届けられた奇形魚が泳いでいます。これらの奇形魚と標本は淮河の汚染を証明しています。
淮河の護衛士 霍敏浩さん
「ずっと昔から我々は魚の異常に気づきました。骨格の奇形、発育の不完全、鱗の大きさも違い、目がないのもあり、大部分は背骨が曲がっていました。だからこれらを収集し始め、生きているのは水槽に入れ、死んだのは冷凍保管しています。わざと集めたのではなく、この種の魚は捕れても、売れないので、漁民が電話をくれます」
90年代始め、軍隊から除隊した霍さんは、淮河最大の支流である「沙潁河」(さえいが)に大量の魚の屍骸が浮いているのを度々目撃。淮河両岸の住民を訪ね歩いた結果、いわゆる「淮河治理プロジェクト」は何もやっていない事が判明しました。
霍さんはひどい悪臭に耐えられずマスクをして学校に通う子どもたちや大量の魚の屍骸などをカメラに収め、関連部門に訴え始めました。しかし、遭遇したのは無視または嘲笑でした。その一方で、がんにかかる村人の数は日に日に増えていきました。
霍岱珊さんの次男 霍敏浩さん
「長期にわたって、不健康な水を飲用すると、病気になります。地元の現実で、すでに証明されています。多くのがん村では浅層の地下水が汚染され、がん発病率が非常に高く、毎年数十人が亡くなっています。主に消化器です」
不完全な統計によると、去年の春の時点で、中国の27の省に200カ所を超えるがん村が存在することが明らかになりました。WHOが今年2月4日に発表した「世界のがん報告」によると、2012年、世界の新たながん発症例の半分をアジアが占め、そのほとんどは中国からでした。
情報によると、広東省翁源県(おうげんけん)上壩村(じょうはそん)では、人口3000人のうち、250人ががんによって死亡しています。ネット上で広く伝わっている「中国がん村地図」によると、がん村は中国の中東部の経済が発達している地区、特に水の汚染が深刻な地区に集中しています。去年12月、中国国土資源部は、汚染を受けて耕作ができない農地は5000万ムーに達すると発表しました。
民間の環境保護活動家、張峻峰さんは、長年がんの研究を行っています。
中国「楽水行」発起人 張峻峰さん
「がん問題は環境の物質的変化が誘発の一因です。この誘因はここ30〜40年の間 急増しています。最近の10〜20年の間は農村のがん発病率が高く、工業汚染による水の汚染よって、がんが発生することも多いのです」
張さんは、医学界と生物学界のがんに関する研究は限られており、もっと広い角度からがんの発生原因と治療法を認識すべきだと指摘します。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2014/02/11/a1059534.html (中国語)
(翻訳/坂本 ナレーター/水田 映像編集/工)