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【禁聞】エリートと富裕層の「環境移民」新鮮な空気と水はどこに

2014年02月20日

【新唐人2014年2月20日付ニュース】悪化の一途をたどる中国の深刻な環境汚染によって、近年、「環境移民」という新たな言葉が生まれました。億を超える農民工が都市部で仕事を求めている時、都市部の富裕層はかえって都会から逃げ出す道を選んでいます。しかし、環境汚染によるがん村が200カ所を超える今の中国に、きれいな空気、きれいな水、安全な食品を提供できる場所は、果たしてあるのでしょうか。

 

中国のシンクタンク「中国と全球化智庫」(CCG)が1月22日北京で発表した「国際人材青書:中国国際移民報告」によると、過去1年間、中国の環境問題は、エリート層や富裕層にとって海外移住する重要な理由になっています。
 

中国の「環境移民」には2つのパターンがあります。きれいな空気を求めて海外に移住する人たちと、中国国内の住みやすい所に移住する人たちです。富裕層はアメリカやカナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどへの移住を選びます。中国国内の移住先は雲南省の大理や海南省の三亜、山東省の威海、広東省の珠海など、比較的に住みやすく、人口の少ない中小都市が人気のようです。

 

昔から美しい景色で有名な江蘇省蘇州市。地元教師の袁さんによると、蘇州も近年、度々スモッグ天気が現れ、ひどい時には町全体が灰色に覆われるそうです。

 

蘇州中学校教師 袁雪成さん

「少数の人だけが都市で儲かり、環境のましな所に行く条件をもっています。でも中国にましな所がどこにありますか?大気汚染、水汚染、食品も汚染され、どこに行っても同じです。条件のある人は海外に行きますが、ごく一部の人みです。大部分の人はどこにも行けません」

 

山東省済南市の余新永(よしんえい)さんは、汚水処理企業に務めています。企業による汚染を長年目にしてきた余さんは、中国の商人は中国の国土を金を搾り取る場所としか見なしておらず、環境の事など全く考えていないと嘆きます。また、政府部門は科学的な方法で改善を行うのではなく、適当にあしらうだけだといいます。

 

山東省済南市投資マネージャー 余新永さん

「適当にあしらうとは、1つは上の指示に対して。もう1つは突発的な環境事件に対して。例えば太湖の汚染、また 集団陳情に対しても適当にあしらいます。例えば化学工場の汚染が深刻になると、陳情者が多くなります。後世の子孫のためにきれいな土地を残すという理念がありません」

 

余さんはまた、中国の一部企業は汚染検査から逃れるため、汚水を数百メートルの地下に注ぎ込み、地下水までを汚染させていると指摘します。

 

山東省済南市投資マネージャー 余新永さん

「一部企業の汚水処理は難度が高く、コストがかかります。無断排水はできないので、密かに地下に穴を掘り、200m、300mの深さに汚水を注ぎ込むのです。深さ数百メートルの地下水は数千〜数万年かけて、形成される純天然水ですが、彼らによって徹底的に破壊されているのです」

 

山東省の企業が汚水を地下に流しているとの情報が流れてから、環境保護部門が濰坊(いほう)市に調査チームを派遣したそうです。しかし、わずか2〜3日後、地下への汚水排出は見られなかったとの結論を出しました。

 

余さんは、中国の官僚は目先の利益しか考えておらず、気にしているのはGDPの数値と自身の官職を守るのみで、後世の子孫のためには,官僚は民選でなければならないと述べます。

 

山東省済南市投資マネージャー 余新永さん

「各レベルの人民代表が、もし人民から選出された代表なら、この問題は100%解決可能です。正常な社会であれば、後世の子孫の事を皆 思うはずです。しかし、中国の現実はいわゆる『人民代表』は人民が選出するのではなく、当局の指令で生まれ、当局のために動くのです」

 

中国共産党一党独裁の体制の下では、環境汚染問題の根本的な解決は不可能だと、余さんは示します。環境汚染はかえってますます深刻化し、高官や富裕層の海外脱出を止める事は、誰もできないだろうと述べます。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

 http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2014/02/11/a1059534.html  (中国語)

(翻訳/坂本 ナレーター/佐藤 映像編集/工)

 

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