【新唐人2014年2月22日付ニュース】去年4月、上海復旦大学の大学院生によるルームメート毒殺事件が起こり、大きな物議を醸しました。19日、この事件を起こした林森浩被告に対し、死刑判決が下されました。前途有望な2人の若者の悲劇の背後には、実は社会の深刻な闇があったのです。
裁判長
「被告、林森浩は故意殺人罪で死刑とする」
被告席でずっと無表情だった28歳の林被告は、去年4月に毒物を混入した後、瀕死の状態だった被害者とその父親に、とても冷静に対応していたそうです。
被害者 黄洋さんの父親
「当時 食堂の入り口で2度彼からあいさつしてきて、病状を聞かれました」
林被告によると、被害者とは性格が合わなかったそうです。
事件の被告 林森浩
「得意げな彼の様子を見て、エイプリルフールに懲らしめようと…」
林被告は相手を懲らしめようとしただけだと述べ、殺意を否定しました。一方、検察は被告の投じた毒物は致死量の10倍以上で、殺意は明確だと指摘しました。しかし、被告の父親は検察の言い分を信じません。
林被告の父親
「故意の殺人など死んでも信じません。あの子は そこまで陰湿ではないはずです」
被告の犯罪の動機について、家族や友人でさえ理解しかねていますが、裁判で被告はこう述べています。「犯罪の根源を考えてみたところ、恐らく、数年間の高等教育を受けてきたが、ずっと対人関係をあまり重視せず、学んでこなかったため、年齢相応の正しい価値観を培えなかった」。確かに2010年のある調査では、約6割の大学生に程度の異なる心理問題が見られました。
21世紀教育研究員 熊丙奇 副院長
「今の教育は利益重視です。人格形成を軽視しています。生命や心理に関する教育が欠けており、学生は命の尊厳の意識を持てません」
被告はまた、朱令事件から大きな刺激を受けたと語りました。1994年、清華大学の化学学科の女子学生、朱令さんはタリウム中毒で亡くなりましたが、今なお犯人は不明です。一番の容疑者は彼女のルームメートですが、当局の妨害のため、彼女への調査はうやむやにされました。
現在、庶民の間で復旦大学のルームメート殺人事件と朱令事件がよく比較されています。いずれも高学歴者による殺人事件ですが、2つの最大の違いは、復旦大学事件の場合、被告と被害者はいずれも政治的背景がないため、事件は迅速に処理されたことです。
死刑判決が下ると、被告の父親は慟哭しました。一方、被害者の両親は、息子の部屋をそのまま残しています。
実はこの事件の判決の前にも、広西チワン族自治区のある芸術学院で、ルームメートに対する毒物投入事件が起きました。こうした中、ネットではブラックユーモアが盛んです。「私を殺さなかったルームメートに感謝する」。「学問を教えるだけで人を育てない」。この社会問題は、もはや避けて通れません。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2014/02/19/a1064988.html(中国語)
(翻訳/河合 ナレーター/佐藤 映像編集/工)





















