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【禁聞】天安門事件6月4日を前に法師も粛清される

2014年05月25日

【新唐人2014年5月25日】先日、「聖観」という法号の法師が湖北省武漢市で説法していた時、「国家政権転覆扇動罪」で拘留処分になりました。このニュースは、中国のネットでも敏感かつ熱い話題になっています。当局はこれまで記者や弁護士などを拘束してきましたが、僧侶まで粛清の対象になったことは、大きな波紋を呼びました。

 

中国の法学者、滕彪さんは5月18日ツイッターで、「聖観法師」が武漢市で説法していた時、「国家政権転覆扇動罪」で拘留処分になったと明かしました。

 

「聖観法師」は本名、徐志強さんで、中国科学技術大学出身です。1989年の民主化運動に参加し、刑務所に1年収容されたあと、2001年、出家して僧侶になりました。2006年、江西省宜春市の化成寺で監寺(かんす)を務めていた頃、天安門事件の犠牲者を供養し、寺の財務情報の公開を推し進めたため、警官数十人に追い出されました。2009年、湖南省瀏陽市紅蓮寺の住職時代、胡耀邦の追悼イベントを計画したため、職を解かれました。

 

5月17日、「聖観法師」が武漢市で説法を行った際、地元のネットユーザーが大勢、会場で聞いていました。すると、警官が突然、押し入ってきて、法師ばかりでなくネットユーザーも全員、連行しました。

 

「聖観法師」の弟子の「果実法師」は、18日に「聖観法師」と信徒が拘束されたことを知りましたが、当局からいまだに書面の通知はないそうです。

 

ドイツの国際放送局、「ドイチェ・ヴェレ」によると、「聖観法師」は派出所で尋問されたあと、拘置所に収容されました。

 

この件について「果実法師」は、天安門事件25周年と関係があると述べます。ただ当局のやり方は、治安維持のための粛清にとどまらず、もはや宗教弾圧にまで発展したと批判しました。

 

広州市 果実法師

「明らかに宗教弾圧です。師父は言っていました。『出家人は共産党の独裁を好まない』と、私も同感です。悪の思想体系は好きになれません。『本音を言えない者は出家人に値しない』。これも師父の言葉です。私も同意します」

 

「果実法師」によれば、「聖観法師」は長年、当局に監視されていました。また今回、法師が粛清されたのは慈悲ゆえだとも語ります。

 

広州市 果実法師

「師父は信仰ゆえ出家しました。真理と解脱を求めたのです。僧侶は世間を理解しないと、仏法を説けません。善悪の判断、正しい価値観を人々に伝えるためです。信仰の求めるところです。だから目や耳を塞いで、知らないふりはできません」

 

当局は最近、勇敢な発言で知られる記者の高瑜さん、人権派弁護士の浦志強さん、唐荆陵さん、劉士輝さんや法学者の徐友漁さん、民主活動家の胡石根さんら数十人をすでに連行しています。

 

人権活動家 胡佳さん

「恐怖の網を築きました。この網は社会全体、社会の全階層、全集団をカバーします。恐怖の雰囲気を作り、威嚇しているのです。自分の対照となる人がどの階層にもいます。

 

今年の天安門事件の記念日は、当局にとって大きな試練になると胡佳さんは考えます。現在、中国では社会矛盾が深刻なので、25年前のように大勢の市民が街頭で政治的な要求をするのではと当局は恐れており、見せしめの粛清が横行していると分析しました。

 

北京の弁護士、李方平さんはブログに、「聖観法師」が「国家政権転覆扇動罪」で拘留処分になっただけでなく、師父の説法を聞いていた在家の弟子さえ処分を受けたが、耳で聞いただけで国家政権の転覆を扇動できるのかと、疑問を投げかけました。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2014/05/24/a1111555.html(中国語)

(翻訳/河合 ナレーター/村上 映像編集/工)

 

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