【新唐人2014年8月9日】無実の罪で投獄された人権派弁護士、高智晟氏は、8月7日に刑期満了を迎えました。高氏はすでに釈放されたはずですが、迎えに行った兄は高氏の妻と通話した際、あいまいなことを言って電話を切りました。これについて、北京の人権活動家、胡佳さんは、高氏の前途はまったく見通せないと不安を隠せません。
高智晟氏が収監されていたのは、新疆ウイグル自治区の区都ウルムチから800キロにあるシャヤール刑務所です。高氏を迎えに行った兄の高智義氏は7日、妻の耿和さんと通話をしました。
高智晟弁護士の妻 耿和さん
「9時15分に義兄に電話したら、『 弟と戻っている』と言われました。『夫の声を聞かせて』と言ったら、断られ切られました。そのあと 電話をかけ続けて、9時40分に通じました。義兄が『もしもし』と言うので、私も『もしもし』と応えたら、切られました。二度と通じません」
高氏がすでに釈放されたかどうか、断言はできないと耿和さんは言います。
高智晟弁護士の妻 耿和さん
「待ち望んだことなので、憶測できませんが、正直分かりません。義兄の反応は妙でした事実がはっきりするまで電話をかけ続けます」
高氏について、北京の人権活動家・胡佳さんは「すでに釈放されたが、周りにいる当局の人間が妻との通話を許さなかったのだろう」と分析します。
人権活動家 胡佳さん
「釈放はされたでしょう。高氏の兄は隠し事などしないので、近くに当局の人間がいると思います。高氏の妻は記者でなくても、米国にいるので、通話内容は世界に知られます。当局は高氏の口を固く封じるはずです。だから高氏が妻と通話するのを阻んだのです」
高智晟氏は釈放されても、大陸にいる限り、自由はないと胡佳さんは話します。
人権活動家 胡佳さん
「高氏は出国しない限り、自由はないでしょう。彼は今完全に束縛されています。鉄条網に囲まれた刑務所から強権体制の大監獄に移っただけです。だから彼の前途はまったく予期できません」
今年50歳の高智晟氏は、かつて中共の司法部から「優秀な弁護士10傑」に選ばれたことがあります。長年、市民の権利を守る案件を受けてきましたが、特筆すべきなのは法輪功の案件です。
2005年、高氏が当時の指導者、胡錦涛国家主席と温家宝首相に対して、法輪功迫害の停止を訴えたところ、周永康が牛耳る政法委員会系統に弾圧されました。
2006年8月、高氏はひそかに逮捕され、12月21日、「国家政権転覆扇動罪」で懲役3年、執行猶予5年の判決が下されました。
人権活動家 胡佳さん
「江沢民は法輪功に汚名を着せ、残酷に弾圧しました。中国人は法輪功を語ることさえ恐れます。そんな状況下で高氏は3度も指導部に対し、江沢民時代の犯罪をやめるよう訴えました。政法のトップ 周永康は江沢民が胡錦涛体制に送った腹心です。高氏は当時花形弁護士でしたが名利を捨て、法輪功のために声を上げました。2006年中共に最もにらまれた人物です。
情報によると、高氏は執行猶予期間の5年のうち、3年も失踪していました。そして2009年2月、自らが受けた迫害を暴露しました。2007年に警察に拉致された際、激しいリンチを受けたり、陰部に電気ショックをされたり、目を煙でいぶされたり、生殖器に爪ようじを差されたり、残酷な拷問を受けていたのです。
2011年、高氏は新疆ウイグル自治区のシャヤール刑務所に収監されました。イギリスの「デイリー・テレグラフ」は高智晟氏について、迫害を受けている人々のため、勇敢に直言するので、中共が最も恐れる弁護士になったと述べ、かつて2回、ノーベル平和賞の候補にもなったことにも触れました。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/08/08/a1128893.html(中国語)
(翻訳/河合 ナレーター/萩野 映像編集/尹)