【新唐人日本2011年2月21日付ニュース】日本政府は先日、中国の国内総生産、GDPが日本を超えて、世界第2位になったことを認めました。しかし同時に、中国の1人当たりの国内総生産は、まだ日本の10分の1に過ぎないことを強調。長年、中国のGDPには水増しがあるのではないかという噂がつきませんでしたが、ではその実態は、一体どうなのでしょうか。では、報道をご覧ください。
日本政府は2月14日、去年のGDPを発表。42年間守ってきた世界第2位の経済大国の座を中国に譲ったと認めました。1位はアメリカです。
内閣官房長官 枝野幸雄氏：「国単位のGDPでは逆転されましたが、1人当たりのGDPではご承知の通り、約10倍日本の方が大きいわけです。この豊かさをしっかり生かして、近隣の経済発展を取り込むことで、次世代に今の豊かさをしっかりとつないでいくことが重要である」
世界を揺るがしたこのニュース。当の中国人はどうみているのでしょうか。
“中国実時報”は様々な業種の各階層の中国人を取材。その中で、百度のCEO、李彥宏氏とそのコンサルティング顧問が、GDP世界2位に優越感を感じたほかは、高校生から退職したお年寄りまでみなあまり評価していませんでした。
40歳の農民工は、テレビが見られないのでそんなニュースは知らないと述べます。北京の民間企業の社長は、GDPのために庶民の生活は犠牲になっていると指摘。多額の税金を費（つい）やし、鉄道を建設したり、自動車産業を応援したりしているのはみな、GDPのため。結果、都市は車だらけになり、都市計画がめちゃくちゃだと嘆きました。
そのもっと前、アメリカの雑誌“フォーブス”は2010年世界の税金負担指数を発表。中国はワースト2位でした。
NY市立大学シティカレッジ 陳志飛教授：「GDPは中国人にとって、実質的な意義はありません。中共の宣伝手段に過ぎません。GDPは欧米国家では正確に国の発展レベルを測れる指標です。中国は政治的色合いが濃いのでGDPは政治的意図の表れで、本物の経済活力を示さず、庶民の恩恵も表しません」
実際のところ、枝野幸男官房長官が述べたように、中国の1人当たりのGDPは日本に大きく及びません。世界銀行は2008年、国民1人当たりの平均収入で、中国は2940ドル、127位だと発表。これはアンゴラやウクライナより下です。国は豊かに、しかし民が貧しい状態が顕著です。
経済評論家 ジェーソン氏：「GDPの概念とは今年1年 全国民で創られた価値です。価値であれば、その一部は福祉や給料の手段で、庶民に分配します。庶民だけでなく、官僚にも払います」
「GDPに対するこの金の割合は各国で異なりますが、中国はとても低い、しかも年々下がっています。なぜか、GDPは9～11%で伸びているのに庶民の収入はそれほど伸びていない。だから庶民の収入のGDPに占める割合は年々下がっている上、分配も不均衡になっています」
中国のGDPは水増しが深刻だといわれてきました。ウィキリークス（WL）は昨年、中国の李克強副首相が2007年、アメリカ大使に対し、“中国のGDPは信頼できない”と言い放ったと暴露。例えば、遼寧省の2006年の経済成長率は12.8％。しかし、収入の格差が深刻で生活保護を受ける人の割合が全国でトップに属することを、李副首相は例に上げました。
華やかなGDPの陰で、多くの庶民は、住宅、教育、医療という3つの大山に苦しんでいます。
去年11月、中国国家統計局は、毎日1ドル以下で暮らす貧困層は、中国にはまだ1億5千万人いると認めましたが、インフレの影響で、貧困層が増える可能性を否定しませんでした。
“南方日報”は、世界第2の経済大国という肩書きを冷静にとらえるべきだとの見方を紹介。
“中華工商時報”は“中国がGDPで日本を超えても嬉しくなれない”との評論で、中国ではGDP至上主義が深刻だと指摘。環境を犠牲にして短期的な経済利益を求める地方政府や官僚が少なくありません。さらに住宅価格を押し上げるので、庶民の住まいの改善も困難です。
アメリカ在住の経済専門家、何清漣さんはかつて、こんな意味深長な言葉を述べています。“中国の中央政府だって、GDP神話で他人を騙せても、自分を騙せないと分かっている”。
中国の統計で虚偽が多いのは、出世を狙う官僚が裏工作をしているためです。そこで中国では官僚が数字を作り、数字から官僚が生まれるという悪循環が誕生しました。よって世界第2位という肩書きに浮かれてはいられないのです。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://ntdtv.com/xtr/b5/2011/02/20/a494969.html.-中國GDP超日本-百姓很「糾結」.html#video
上のリンクから中国語ニュースが見られます。
