【新唐人2015年2月5日】臓器移植のドナー問題は中国では一貫して敏感な話題です。先日、官製メディアが突然、今年1月1日から「死刑囚の臓器を使用する臓器移植を全面的に停止」し、「生前に提供意思を表明した一般人の臓器を使用する」と宣言しました。中共はこれまで法輪功学習者に対する臓器狩りが疑われてきましたが、今になって突然「死刑囚の臓器使用を停止する」と発表したのは、他に狙いがあるのでしょうか。
1月28日、中共官製メディア「人民日報」は「中国は死刑囚の臓器使用を全面的に停止。専門家は臓器移植にドナー不足は現れないと発言」というタイトルの文章を発表しました。報道では、1月1日から、臓器移植の条件を備える169か所の病院は「死刑囚の臓器使用を全面的に停止」し、「生前に提供意思を表明した一般人の臓器を使用することが唯一のルートだ」と宣言しました。
官製メディアの報道によると、衛生部の元副部長で現在臓器提供・移植委員会の主席を務める黄潔夫(こう けつふ)が、今まで中国では一般人の臓器提供者は少なく、死刑囚の臓器が主要な出所であることを認めました。さらに、地方司法部門と移植病院による死刑囚からの臓器奪取の方法は不透明であることも認めました。
しかし、中共当局はこれまで何度も公の場で死刑囚の臓器の使用を否定していました。2001年から2006年の間、外交部や衛生部の複数のスポークスマンが記者会見において、「死刑囚から摘出した臓器で移植手術を行っているというのは、全くのでたらめである」、「中国大陸の臓器の主要な出所は、生前に臓器提供を表明した一般人からである」と公言していました。
2006年11月になって、中共当局は突然この主張を覆し、「大多数の移植用臓器は死刑囚からである」ことを認め、国際社会を驚かせました。では、当局はなぜ態度を一変させたのでしょうか。
法輪功迫害追跡国際組織 汪志遠さん
[ここ数年、 中共の臓器は主に生きた法輪功学習者からで死刑囚からではありません。2006年に法輪功学習者に対する臓器狩りの黒幕が暴露されたため、世界中から注目されました。
中共は説明しようがないので、死刑囚の臓器使用を認めることでごまかしているのです」
実は2006年3月、瀋陽で臓器移植に関わった医師の妻が「大紀元時報」に中共が系統的に生きた法輪功学習者から臓器を奪い取り、臓器移植に使用していることを暴露したのでした。その後、「法輪功迫害追跡国際組織」が臓器狩りに対する独立調査を展開し、大量の証拠を公表しました。
法輪功迫害追跡国際組織 汪志遠さん
「我々が掴んだ証拠によると中国の臓器は1999年以降 爆発的に増えていますが主な出は
法輪功学習者です。先日公表した証拠では解放軍衛生部の元部長白書忠が我々の調査を受けた際、法輪功学習者の臓器を移植に使うよう 江沢民が命令を下したと白状ました」
中共は、死刑囚の臓器使用を認めた後、世界で唯一系統的に死刑囚から臓器を摘出し移植を行う国でもあるため、国際社会と人権組織から強く非難されました。その一方で、生きた法輪功学習者からの臓器狩りの証拠も次々暴かれ、ますます国際社会の注目を集めています。
臓器の出所が問題視され、国内外から注目される中、「死刑囚の臓器使用を停止する」と発表したため、その意図が疑問視されています。
法輪功迫害追跡国際組織 汪志遠さん
「2つの目的があると考えられます 。一つは死刑囚の臓器使用に対する国際社会の非難に対応するため。もう一つは法輪功学習者の臓器を移植に使用した罪悪を隠ぺいするためです」
時事評論家 藍述さん
「死刑囚からの臓器摘出を認めたのはもっと大きな罪を隠すためです」
時事評論家の藍述さんは、死刑囚からの臓器摘出は非人道的なことではあるが、これをもって中共の人道に対する罪を譴責するのは難しいと指摘します。しかし良心の囚人や法輪功学習者からの臓器奪取となると、これはまぎれもない人道に対する罪であり、性質も完全に違うものになるといいます。このため中共は「死刑囚の臓器が臓器移植の主要な出所であり」、「その獲得ルートも不透明である」と認めたのです。
ところが、また新たな問題が現れました。一般人が提供する臓器だけで、中国の膨大な臓器移植の需要を満足させることが、果たしてできるのでしょうか。中共がこの問題にどのように答えるか、期待するところです。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2015/01/31/a1173594.html(中国語)
(翻訳/赤平 ナレーター/村上 映像編集/尹)