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話題のドキュメンタリー「穹頂之下」 公開からすぐ封鎖に

2015年03月05日

【新唐人2015年03月05日】2月28日、CCTV元記者・柴靜が製作した、ドキュメンタリー映像「穹頂之下」が中国の複数のポータルサイトで無料公開されました。中国環境保護部の新任部長も映像を見た後、携帯メールで感謝のメッセージを送りました。このドキュメンタリーは中国国内で大きな物議を醸しているだけでなく、海外でも論争が巻き起こっています。

 

中国国内では柴靜の製作動機と愛国問題が争点となっていますが、これは中共の長年の愚民政策によるものです。以前米国のロック大使在任中、北京の米国大使館が毎日PM2.5の数値を発表したことで、中共メディアにひどく叩かれていました。柴靜がスモッグの汚染問題をこれほど詳しく調べてあげたことは、中共の童話の世界で生きてきた人々に大きな衝撃を与え、嘘を暴かれた「五毛」たちを怒らせました。

 

このドキュメンタリーの海外での争点は、スモッグの真の元凶が中共であることを指摘すべきかどうかにあります。ドキュメンタリーは国有企業と民衆の問題を指摘しましたが、中共のGDP発展モデルこそが禍根であることには触れていません。ドキュメンタリーは後半で、環境保護部に告発電話をかけるよう呼びかけるにとどまっています。中国の現実の下では、隣人を告発するときにどうしてもまず相手が官僚なのかどうか、身内に官僚はいないのかなどを考えるでしょう。だから国有企業と官僚を告発する勇気は誰にもありません。当局に報復されるのが怖くないかぎり、告発はしません。

 

一方、柴靜は中国国内でジャーナリストとしての極限のことをやりました。ある深刻な問題に対し、民衆が注目するようにしたのです。これは中共の厳しい統制の下で、中国記者のできる最大限のことです。こういうことをするには逮捕される危険すらあるのです。

 

中国の環境問題は即ち中共の政治問題で、記者らが話せるごく限られた政治問題の一つでもあります。ツイッターのある評論はこう言っています。「石油閥」のボス、周永康の失脚がなかったら、柴靜のこの映像は永遠に公開できなかっただろう。ドキュメンタリーでは「中国石油」「中国石化」の独占がスモッグをもたらしたと指摘したのです。このドキュメンタリーはすでに敏感な政治的話題となり、ネットで大々的に公開されましたが、すぐ取り下げられました。

 

では、この公開と取り下げの背後の指揮者は一体誰なのでしょうか?環境保護部長と人民日報までが強力に推し進めていたのに、なぜ中央宣伝部は関連報道や評論、取材に関する全ての内容を各ポータルサイトのトップページから取り下げるよう命じたのでしょうか?

 

これらの矛盾した現象からもわかるように北京上層部は政治面で分裂しているのです。中共によってもたらされた環境汚染に対し、解決策を講じるのかそれとも愚民政策を続けるのか論争が終わらないようです。環境問題への民間の討論を許したのは全人代で、環境経費を獲得するための宣伝にすぎません。

 

あるネットユーザーは「重要な環境改善プロジェクトは汚職の温床になりかねない」と言っていますが、私の見方はちょっと違います。中共官僚は環境プロジェクトに限らず、全ての分野で汚職をやっています。北京当局がもし庶民を抑圧する経費を環境改善に回したら、それはそれで良いことでしょう。しかし我々が目にしているように中共の「天と地と戦う」思想こそが中国の環境破壊の根本的な原因なのです。この局面を徹底的に打開するには「天人合一」の伝統的考えの復興しかないでしょう。ありがとうございました。

 

http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2015/03/02/a1181237.html (中国語)

(翻訳/坂本  映像編集/李)

 

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