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【禁聞】母と過ごせない「母の日」

2015年05月18日

【新唐人2015年05月18日】5月9日は「母の日」でしたが、フィンランド在住の金昭宇さんにとっては、7回目の「母のいない母の日」でした。2008年に母親が中共当局に逮捕されてから、一家団欒は未だに実現できていません。金さんの最大の願いは、「母の日」を母親と一緒に過ごすことだそうです。

 

金昭宇さんの母親、陳真萍(ちんしんへい)さんは今年3月9日、7年間の長い監禁からようやく釈放されました。ここ4年間は面会の権利すら奪われ、家族は陳さんの生死すら確認するすべがありませんでした。一方、中国に入国できない金さんは、母親の状況を叔父を通じて聞くしかありません。

 

フィンランドの法輪功学習者 金昭宇さん

「叔父が刑務所に迎えに行ったとき、母は骨に皮しかなく、一人で立つこともできなかったそうです。歯も殆ど抜けていて、家に帰ったばかりの頃は、物を食べても全部吐き出しました。また長年刑務所で、日に当たらなかったため、目もほとんど見えなくなりました。最も深刻なのは脱肛で、トイレに行くたびに出血するそうです。刑務所で一体どんなことをされたのか、想像もできません」

 

母親の陳真萍(ちんしんへい)さんは1995年に法輪功を習い始めました。わずか数カ月で、患っていた肝臓がんが治ったそうです。しかし、1999年当局が法輪功への迫害を始めてから、彼女は5回も逮捕され、家族が離れ離れになりました。最後に逮捕されたのは2008年の北京オリンピックの開催前夜でした。当局からは8年の判決を言い渡され、河南省新郷(しんごう)市女子刑務所に収監されました。刑務所で長年各種の虐待を受け、危篤状態になったため、3月9日にようやく釈放されました。

 

しかし、やっと自由になった母親の精神に問題が現れていることに、金さんは気づきました。電話で刑務所での処遇を聞いても、何も話そうとせず、ただ「全部過ぎたことだ」と繰り返すのみだそうです。母親との度重なる会話を通じて、刑務所にいる期間中、脱肛による大出血で2度も病院に送られていたことがわかりました。金さんの長年の呼びかけにより、母親のケースは国際社会でも注目され、2010年には国連に提出されました。

 

金さんが今最も案じているのは、母親の精神状態です。

 

フィンランドの法輪功学習者 金昭宇さん

「電話でなぜこんな風になったのかと聞いても、母は本を暗唱するかのように、『共産党は素晴らしい、刑務所は素晴らしい、刑務所と党に感謝する」と繰り返すばかりです。悲しくてたまりませんでした。母の口調からは、何かを怖がっているのがわかりました。母は徹底的に洗脳されているのです。自分の考えさえコントロールできず、本心に背くことを言っているのです。大きな刺激を受けたようで、しっかりしている時もあれば、ぼんやりしている時もあり、話の途中で泣き出したりします』

 

陳さんの釈放後も、地元の国家安全局と610弁公室の警察は監視の目を緩めていません。毎日のように自宅に来ては洗脳を続けるそうです。このような環境から脱出させるために、金さんは母親をフィンランドに招く決心をします。

 

3月31日、娘の友人の助けの下、陳さんは鄭州市の出入国管理局にパスポートの申請に行きました。しかし、ブラックリストに名前が載っているため出国できないと言われました。その後、国家安全局の職員の自宅訪問頻度はさらに増え、娘に海外メディアと連絡しないように伝えるよう警告されました。

 

フィンランドの法輪功学習者 金昭宇さん

「国家安全局と610弁公室の警察は、母親の旅券発給が中国の法律で禁止されている訳ではないが、彼らは『許可時間を引き延ばす』政策を採ることもできると言いました。私が彼らの要求を飲まない限りです。彼らは私にフィンランドのメディアに声明を出して、『法輪功をやめる。以前私がメディアに訴えた、母親が受けた迫害は全部作り話である。母親は国際社会や法輪功学習者によって、救出されたのではなく、中共が恩を施したのだ』と言うよう脅迫しています。これを実行すれば、母親の出国について、再度考慮すると言っています」

 

中共の脅迫に直面しても、金さんは母親との対面を心待ちにしていて、妥協は決してしないと語ります。

 

フィンランドの法輪功学習者 金昭宇さん

「中共の如何なる要求と条件にも妥協しません。母が法輪功を修煉するのは違法ではありません。パスポートの申請も憲法が定めた公民の権利です。中共はこれをもって脅迫していますが、これは法律を踏みにじる行為です。このような行為はどの国でも犯罪です」

 

金昭宇さんはまた、アムネスティ・インターナショナルとフィンランド政府の長年の支持と助けに深く感謝すると述べました。彼らによる国際社会への呼びかけがなければ、母は迫害ですでに亡くなっているかもしれず、本当に感謝すべき相手は彼らであって、中共ではないと述べました。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2015/05/11/a1196342.html   (中国語)

(翻訳/吉田 ナレーター/村上 映像編集/李)

 

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