【新唐人2015年9月15日】今年39歳のアメリカの天才数学者が、10億ドルを稼ぐチャンスを放棄し、無料の視聴覚教育映像の提供に徹しています。その理由は、Facebookにアップされた記事で明らかになりました。また、世間も、なぜビル・ゲイツが彼に注目したのかが理解できるようになりました。
サルマン・カ-ン(Salman Khan)氏、は1976年アメリカ、ルイジアナ州ニューオーリンズ市で生まれ、父親はバングラデシュ出身、母親はインド出身です。子供時代、カーン氏の家庭は裕福ではなく、同級生達との関係も複雑でしたが、マサチューセッツ工科大学の学士、電子工学及びコンピュータ・サイエンス学士の学位を取得し、それから、ハーバード・ビジネス・スクールでMBAも取得しています。
2004年、カーン氏は、Yahoo(ヤフー)のDoodle Notepad(電子版落書ノートのアプリ)を使って従姉妹に数学を教えたのがきっかけで、従姉妹の数学の成績が著しく良くなったことから、家族や親戚の依頼を受け、彼らに数学を教えるようになりました。やがて多くのニーズに対応できなくなり、カーン氏はその映像をYouTubeにアップしたところ、アクセス数が大量となり大人気になりました。
視聴覚教育映像の制作に集中するため、カーン氏は2009年ヘッジファンド・アナリストの仕事を辞職しました。彼は、小学算数、中学数学、高校の微積分から大学の高等数学など4800部の教育映像を制作し、インターネットにアップしました。それらを学生達に視聴できるように無料で放送して、アメリカの学生達の賞賛を受けています。
カーン氏は、更に良い教育のため「カーン・アカデミー」を設立し、ネットで様々なの教育映像を無料で提供し続けています。月間のアクセス数は500万人にも達しています。ビル・ゲイツの子供たちも彼の生徒です。
カーン氏が段々有名になってきてから、企業家たちが彼を訪れ、映像を金儲けの種にしようとしましたが、彼がやんわりと、けれどしっかりと拒否しました。「私は、無料の教育をしたいのです。有料になると、途上国の子供たちが見られなくなるからです。」とカーン氏は言います。
カーン氏は、この平凡で有意義な生活を楽しんでいます。彼の奉仕により、CNN、NBC、PBSなど大手テレビ局が彼の特集番組を作り、「TIMES」誌や「Forbes」誌も彼を高く評価しています。「カーン・アカデミー」にはマイクロソフトやグーグル等の企業から寄付が寄せられています。
カーン氏は、医者の奥さんと一男一女の四人家族で、アメリカ、カリフォルニア州のマウンテンビューに住んでいます。
Salman Khan talk at TED 2011 (from ted.com)
(翻訳:小松)