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台湾ブランド濃縮漢方薬 日本市場進出

2015年11月03日

【新唐人2015年11月04日ニュース】

 

漢方薬は、伝統的な薬の配合、煎じによる製法から、現在は「濃縮漢方薬」と進化しています。今日は、台湾で70年の歴史を持ち、漢方薬の「生薬」(しょうやく)の粉末製造から濃縮製造工場へと変貌し、製造された薬品は日本市場の8割を占めている、台湾濃縮漢方薬の成功例をご紹介します。

 

台湾製薬大手企業の取締役会長 陳伯川(ちん はくせん)氏

「トリカブトの根(『生川烏』)は、アコニチンの毒性が強いが、薬用成分でもあります。だから、洗浄してから数日をかけて炮製します」

 

炮製(ほうせい)は高難度の技術です。漢方医学と薬学の理論に基づき、医療、調製と薬剤の製造、保存、生薬の性質などの一連の基準に対応し、錠剤を製造する時には、伝統的な製薬技術が用いられます。炮製の過程は、薬性に影響を与え、生薬の保存性の改善にも役立ちます。

 

例えば、トリカブトの根の毒性を弱めるのに、7つの工程を要します。台湾製薬大手会社の陳伯川会長は、薬草の性質によって処理工程も違うと話します。加熱の温度を例にすると、「羌活(きょうかつ)」は70度ですが、「当帰(とうき)」は60度前後で異なりますが、このようにするのは薬草の精油を逃さないためです。

 

品質を保証するため、処理した漢方薬は、常温と低温に分けて保存し、商品の包装には「原材料検査合格」のラベルを貼ります。生産にはドイツ製の設備を導入し、生薬のエッセンスと活性化成分を逃さないよう工夫します。それからタービンで熱風乾燥させ、スプレーによって粒状化した後、最後に自動包装して完成します。

 

現代人の生活スタイルに合わせるため、科学技術を利用し、東洋の古の結晶を濃縮し、携帯しやすい粉末状にしました。

 

台湾製薬大手企業の取締役会長 陳伯川氏

「生薬を買って帰って、自宅で煎じた薬は苦いし、熱いです。もし、西洋の薬のように粉末状にすれば、携帯しやすくなり、手軽に使えます。漢方薬の西洋化で受け入れやすくなると思います。」

 

この発想により、元々生薬の粉末製造工場から、現代的な漢方薬濃縮製造工場に一変し、現在、台湾の最大級の製薬企業の1つとなりました。1994年、オーストラリアの優良製造基準GMP検査に合格、1975年と2008年には日本厚生省から薬品輸入許可、医薬品の海外製造者などの認定を受け、日本市場に進出した台湾濃縮漢方薬の成功モデルとなりました。

 

漢方医師 池田政一さん

「台湾のエキスはいいです。濃度が濃いですね。あんまりいろんなものを混ぜてないためですね」

 

台湾製薬大手企業の取締役会長 陳伯川氏

「日本は5年ごとに検査が必要なため、台湾では、多くの工場は自ら辞退し、認定証を持っていないため、販売も出来ません。空調の管理は最も厳しく、換気による汚染はあってはなりません。水質を含め、全体のシステムは国際的基準PIC/SとGMPを満たさなければなりません。」

 

また、陳伯川氏は、一部の漢方薬は毒性があるため、錠剤になる前の処理の過程で、毒抜処理をして安全性を確保することが何よりも大事だと話しています。製薬工場には独自の品質管理室があり、農薬や金属残留物、可塑剤などを検測しています。各国の漢方薬検測基準の違いに応じ、国際的な品質検査センターに向上させたいと言うことです。

 

台湾製薬大手企業の取締役会長 陳伯川氏

「製薬という仕事は良心重視の事業です。薬草や薬は不正な処理をしてはいけません」

 

また、陳伯川氏は、将来は台湾で製薬業界の商業チェーンを構築し、60年以上守ってきた企業理念をもとに、現代漢方薬を発展させていきたいと話しています。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com.tw/b5/20151102/video/159457.html?(中国語)

(翻訳/小松 ナレーター/佐藤 映像編集/李)

 

PIC/S:医薬品査察協定および医薬品査察協同スキーム

GMPとは「Good Manufacturing Practice」の略で、製造所における製造管理、品質管理の基準のこと

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