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中国で流行する言葉「趙国」とは?中国人の帰属意識の危機が露呈

2016年02月19日

【新唐人2016年2月19日】
 

最近「趙家人(ちょうかじん)」という言葉があちこちで見られ、これに関連した話題が数多く生まれています。多くの中国人によれば、中国共産党政権下にある我が国家は、もはや〝中国″ではなく、「趙国」や「你国」(にいこく)となり、中国人自身の帰属意識の危機が露呈しています。

 

魯迅の小説「阿Q正伝」にある言葉「趙家人」は、今の中国大陸で生き返り、中国共産党の高級官僚集団の代名詞となりました。彼らは政治、経済、資源を掌握し、法律や法規を超越する特権を持ち、一般民衆に対して、〝あなたたちも趙家人だと″と思っているようです。

 

「趙家人」がネット上の流行語となり、多くのネットユーザーが以前に流行った「貴国」や「你国」が「趙国」と呼ばれるようになり、彼らにとって、「中国」はもはや「我国」ではなく、「趙国」もしくは「你国」になっています。

 

雑誌『人民』の元編集長黄良天(こう てんりょう)氏
「これは客観的につくられたもので、正に一つの現象です。我々は彼ら趙家人の機嫌をとり、国家の一員になりたいが、それは無理です。無理ですが、文化人は冗談交じりに『你国』と言います。我々は国家のいかなる事にも関わることはできないので、国家の未来を決めることはできないです。我々はこの国の公務員に対しても、もちろん高級官僚に対しても有効な監督責任を果たせないのです」

 

「趙国」、「你国」は中国人自身の帰属意識の危機を露呈しています。中国の庶民は中国を愛していますが、現代の趙家人の、〝あなたたちも趙家人″の冷ややかさのなかで、本来の中国は遥か彼方にあり、自分はこの国の者なのだろうか、と意識し始めています。

 

黄良天氏
「我々は本当の中国が何かを知らないのではなく、『中国人』という概念が人民の概念であり、『中国』は政治的な概念なのです。また我々はこの土地を愛していないのではなく、人民と政権の間の距離が極めて遠く、とても疎遠になってしまっています」

 

米国在住の時事評論員の邢天行(いん てんこう)氏
「実際、根本的に中国の民衆は中華共産国を認めていません。もし自分はこの国家の人間だと思うなら、その国家には少なくとも発言する権利を持つべきです。この国家の所有者であるべきで、現在この国家にいながら、国民として持つべきものは何も持っておらず、何を持ってこの国家の一員と言えるのだろうか」

 

中国人自身の帰属意識の危機は、台湾ですでに現れていました。雨傘運動後の香港も帰属危機が現れました。香港中文大学は昨年末に行ったアンケート調査結果の発表によると、「中国人」だと思う人はわずか8.9%です。最も低い数値になりました。最近香港市民は、英国海外領民パスポートBNOを引き続き持とうとする傾向が見られ、中国が突然一国二制度を取り消したり、他の国が香港特区のパスポートを認めなかったりした場合に〝最後の逃亡の手段″としています。

 

邢天行氏
「人に中国人ですか?と声をかけられたとき、彼は必ず中国人ではないと強調します。台湾人だといったり、香港人だといったりします。だが中華民族の一員であるとわかっています。実際に多くの人はこのことは否定せず、否定するのは現在中華共産国の一員ではないという点です」

 

雑誌『人民』元編集長の黄良天氏によると、実際は中国共産党もまた国家の概念を捉えきれていないから、中国を党の国にしてしまい、例えば軍隊は党の護衛軍であり、武装警察は中央軍委員会の管轄で、国務院総理は政府の最高指導者にも拘らず、国防部長を管轄できず、人民代表大会もまた軍を指揮することはできないと言います。

 

黄良天氏
「国家とは何であろうか、政権を持つ共産党でもはっきりしないと思います。国家の管理する権力、行政における権力を与えるべきなのに、これもない。人民を守る権力もない。この土地で国家とは何なのだろうか、国家は無く、ただ党があるだけで一切を党が率いています。もし庶民に国家の観念を認めさせるなら、政権を握っている党はまず政治の権力、法律の執行権力を国家に与えるべきだ。国家として完成しなければなりません」

 

米国在住の時事評論員の邢天行氏は、中国人自身の帰属意識の危機については、庶民が国を愛さないのではなく、中国共産党政権が、国を愛する人を、愛したくても愛せないという状況を作ったと言います。人民と政権の心は次第に離れ「趙家人」たちの危機のみならず、中国共産党による統治の危機をも招いています。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

 

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/01/08/a1245997.html (中国語)                                                                                                                                                                    

(翻訳/プリシラ  ナレーター/金丸 映像編集/李)

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