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中国人消費力に依存、台湾と香港の中国人観光客市場の過去と現状

2016年05月20日

【新唐人2016年5月20日】

 

日本の外務省は、4月30日、訪日中国人旅行者のさらなる取り込みに向けて、数次ビザ(有効期間内に何度でも出入国できる査証)の有効期間の延長や大学生などのビザ取得要件の緩和などを実施することを発表しました。来日中国人観光客が増え続けている中、莫大な経済効果をもたらしています。

 

日本にとどまらず、香港や台湾でも、多くの中国人が訪れたことで、旅行業界が経済を支える事業の一つとして挙げられています。

 

ここ数年の香港と台湾への中国人旅行者数のデータです。人数は増え続けていますが、増加率が緩やかになりつつある傾向も見られています。

 

台湾は2008年に中国大陸からの旅行を解禁しましたが、それ以降、急激に成長しています。2011年の時点で、すでに24.24億米ドル、2600億円相当の観光消費額で、台湾GDPの5.26%を占めています。しかし、今年以降 、台湾への観光客数が急に減少したことがわかりました。

 

観光バス運転手:

「現在 中国大陸の観光客は三分の一くらい減りました」

 

台中市長は、「まだ経済に著しい影響は出ていないが、この先はなるべく中国依存をしすぎないように、他国の人も多く呼び込みたい」と語っていました。

 

一方、香港は観光客数が増えているように見えますが、 実際の市場占有率からみると、中国人市場占有率は、最高の2012年の42%から、2015年には38%に落ち、観光客数の増加率も、平均16%まで上昇していましたが、昨年6月時点では前年度比の4.7%までしか上昇しませんでした。

   

旅行業界は香港経済を支える4大事業の一つとして、2011年、直接及び間接的売上合計が、香港GDPの15.22%を占めています。それと関係する従業員は46万3千人に上り、香港労働人口の12.8%を占めています。その内の大半は中国人消費者による貢献であるため、中国人観光客数の上昇が鈍ることで、業界に衝撃をもたらしています。

 

香港政府観光局(HongKong TourismBoard:HKTB)と国勢調査による、2015年6月までの、小売、ホテル、宝石類と高級品の売上げはほぼ全てマイナスに転落しています。

 

台湾と香港の観光業界では、中国人観光客への過度の依存が最近問題視され、メディアもその点を指摘する報道を続々と出しています。地域経済の大きな柱である観光業の半分以上を支えているのは確かに中国人です。一旦中国人客が離れてしまうと、失業が増え、社会問題にもつながりかねません。台湾と香港は、現在、旅行サービスや施設を充実する上で、中国人がもたらす消費力に過度な依存をしない新たなルートを模索しています。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

 

(文章/顧 ナレーター/淳萌 映像編集/黄)

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