【新唐人2016年06月30日】
浙江省寧波市で6月28日、共産党員である役人の不適切な言動をまとめた冊子が発行され、話題となっています。この冊子は党員である役人の職務上での不適切な言動をイラストで描写し、このような言動があった場合には行政指導を行うと警告しています。これについて、「枝葉末節(しようまっせつ)を治すよりは根本を治すほうがよい」との声が上がっています。
この冊子には「こんな訳の分からないものを学んでどうするのだ。時間の無駄だ」「党員の心得なんてネットでさらっと見ておけば十分だろ。まあ誰も見やしないけど」また、「共産主義なんて口先だけさ。とうてい実現できるわけがない」等が記載されています。
「党員幹部のよくない言動への注意喚起」と題するこの冊子は、党員である役人が日頃の勤務で犯しがちな不適切な言動をイラストつきで68項目にわたって記載しています。その中には、人民に対する服務の怠慢や飲食のたかり行為なども含まれています。
こうした言動は中国共産党の役人に普遍的に見られる態度だと識者は指摘しています。
フリージャーナリスト・劉逸明氏:「反腐敗キャンペーンが猛威を振るう昨今、多くの各階級の役人が職務に消極的になっています。仕事をすればするほど、間違いを犯す可能性も増えると感じ、何もしなければ間違いを犯さないですむと考えているのです。」
インターネット作家・荊楚氏:「彼ら役人は人民に選ばれたわけではありませんから、人民のために尽くすという考えは持っていません。仕事を互いに押しつけあって、楽をしたいという考えです。」
荊楚(けいそ)氏は、共産主義はすでに破綻していると指摘します。国民に共産主義の理想を守れと言う役人自身が、自分の妻や子供を資本主義諸国へ送っているのですからと。
地元紙『寧波新聞』によると、7月より党員幹部が冊子に記載されているような不適切な言動を行った場合、行政指導を実施するほか、評価査定に影響が出る可能性もあるとのことです。
しかし、こうしたやり方では根本的に問題を解決することはできないとの指摘もあります。
フリージャーナリスト・朱欣欣氏:「人の言動というのはその人の内面の感情の表れであり、このようなことをすれば人格を分裂させてしまうだけでしょう。表面的な問題を解決できても、なぜそのように考えるのかという根源的な問題を解決することにはなりません。」
中国に在住する朱氏は、問題を根本的に解決するためには、まず役人を選出し監督する権利を民衆やジャーナリズム、世論に与えることが必要だと言います。役人の問題が常に報道されることにより、自ずと襟を正すようになるだろうと指摘しています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/06/28/a1273566.html(中国語)
(翻訳/白白 ナレーター/佐藤 映像編集/李)