【新唐人2016年07月14日】
南シナ海の主権問題をめぐる国際仲裁裁判所の判決が出た。一体なぜフィリピンは裁判所へ仲裁を申し立てなければならなかったのか。その理由は2012年4月にフィリピンと中国がスカボロー礁の領有をめぐって対峙したことに遡る。
中国が黄岩島と呼ぶスカボロー礁はフィリピンのスービック港から100カイリ、中国の海南島から500カイリの距離に位置し、マックルズフィールド堆(中国名:中沙諸島)で唯一海面に露出している島礁だ。地理的に重要な航路であり、戦略的価値を有するほか、年間漁獲量は5兆ドルに達し、さらに海底には石油が豊富に埋蔵されているといわれる。そのため各国間が海域の権益をめぐり争っている。
2012年4月にフィリピンと中国の艦船が同海域で対峙した後、中国が実効支配を始めたため、フィリピンが2013年1月に国際仲裁裁判所に仲裁を申し立てたのである。
今回の判決では島礁の主権の帰属先については判断せず、島礁の属性を判断するにとどまった。
中国は歴史的な権利を有する領域だとして九段線を独自に設定しており、パラセル諸島(中国名:西沙諸島)のウッディー島(中国名:永輿島)とスプラトリー諸島(中国名:南沙諸島)のフィアリー・クロス礁(永暑礁)で軍事施設を建設している。もし中国がスカボロー礁付近の海を埋め立て軍事拠点化を進めれば、200キロ離れたフィリピンのスービック軍事基地を監視する役目も負うことになろう。
http://www.ntdtv.com.tw/b5/20160712/video/175503.html (中国語)
(翻訳/白白 映像編集/叶)