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スパイ逮捕で明らかになった中国のスパイ獲得法

2016年07月15日
スパイ逮捕で明らかになった中国のスパイ獲得法

【新唐人2016年07月15日】

アメリカで逮捕された有名な中国のスパイと言えば、金無怠(Wu-Tai Chin)、郭台生(Kuo Tai-Shen)、そしてグレン・ダフィー・シュライバー(Glenn Duffie Shriver)の3人だろう。この3人の事件を通して、中国政府がどのようにスパイを獲得し利用しているかが明るみになった。米誌『ナショナル・インタレスト』が報道した。

 

金無怠 40年にわたるスパイ人生

 

同誌によると、金無怠は1949年、中華人民共和国が建国される前に中華民国に駐在するアメリカ大使館の官員だった時に中国共産党の情報機関によって買収されスパイとなった。その後1985年に逮捕されるまでの40年間にわたり、中国の情報機関に対し報告を行っていた。この間、金はアメリカ政府の複数の機関で通訳として働き、たとえば在韓米軍で捕虜尋問の通訳などを務めた。

 

中国の情報機関が金に支払った報酬額は100万ドルに上るという。金は香港経由で中国へ極秘入国し、上司に会ったり報酬を受け取ったりした。まず香港のホテル客室宛に手紙を出した後、中国政府が人を派遣して金と面会し文書を受け取るという手法を用いていた。

 

郭台生 中国出張中にリクルートされた台湾系米国人ビジネスマン

 

帰化米国人の郭台生はルイジアナ州の家具店の営業担当者だった。90年代に中国へ出張した際、中国情報機関にリクルートされた。郭は姻戚関係を通じて台湾の政治関係者と接触があったものの、アメリカ政府の情報を直接入手できる手段は持っていなかった。

 

郭はアメリカ国防部に接触するよう勧められ、グレッグ・バーガーセンとジェームス・フォンドレンを中国スパイにリクルートすることに成功した。

 

米太平洋軍ワシントン連絡事務所の所長代理だったフォンドレンは郭を通じて米国の政策に関する情報を中国へ渡していた。国防総省分析官だったバーガーセンはアメリカの対台湾武器売却に関する機密を郭に提供していた。郭の上級機関は中国国内で郭と会ったり、連絡者や電子メールを介して接触したりしていた。郭は2008年に逮捕される。

 

グレン・ダフィー・シュライバー 中国に留学 論文が情報機関の目にとまる

 

グレン・ダフィー・シュライバーは中国の大学に留学し卒業している。ある論文コンテストで中国の情報機関(国家安全部と見られる)の目にとまり、スパイにリクルートされる。実はこの論文コンテストはスパイとなる人材を見つけるために催されたものだった。

 

シュライバーは中国当局者と20回以上接触し、2010年に米中央情報局(CIA)への入局を試みた際に逮捕された。この前には2度、連邦調査局(FBI)への入局も試みていたが、試験に合格しなかった。中国政府はシュライバーに7万ドルの報酬を渡している。シュライバー事件をもとにビデオクリップが製作され、FBI職員の教材として使用されている。

 

中国の情報収集の特徴

 

同誌はこれらのケースによって中国当局の情報収集におけるいくつかの特徴が読み取れると分析している。

 

(1)中国情報機関にリクルートされたスパイは中国国内に相当な時間滞在する。

(2)中国情報機関は多額の金や豪勢な食事などの欲望につけこむ。

(3)潜在的な協力者は必ずしも直接重要な情報が入手できる手段を有さずともよい。

(4)スパイのコントロールはすべて中国国内で行われており、スパイは中国在住の外国人や中国と外国を頻繁に行き来する外国人でもよい。

 

中国政府はあらゆる手段を用いてさまざまな形態の諜報活動を行っており、その中には隠蔽行為や影響力の確立、外国の科学技術の獲得、外国に住む中国人の監視なども含まれる。

 

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/07/11/a1275482.html(中国語)

 

(翻訳/白白)

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