【新唐人日本2011年7月10日付ニュース】中国はすでに世界最大の廃棄プラスチック市場になっています。統計によると、去年1月だけでも55万トンの廃棄プラスチックを輸入しています。中国では汚水処理工場や工業団地に対する行政管理が行き届いていないため、取り返しのつかない深刻な環境汚染を招いています。
“南方都市報”の報道によると、近年、河北省では廃棄プラスチックのリサイクル業者が急激に増え、その後浙江、江蘇、湖北、山東、河南などにも広がりました。
例えば、河北省廊坊市文安県。現地の農民によると、廃棄プラスチックのリサイクルは1980年代から始まり、当初は少数の村民が北京や天津から廃棄プラスチックを自転車で運び、分類後業者に売っていました。コストがかからないため、90年代末より、大量にプラスチックを回収し始めます。ここ4,5年で新たな発見がありました。それは外国製のプラスチックのごみのほうが国産より品質がいいということでした。そして外国からの輸入に火がつきました。
では、大量回収されたプラスチックの使い道は?報道によると、リサイクル加工されたプラスチックは中国各地に送られ、ビニール袋、食器、カーテンに加工され、またはテレビや洗濯機などにも使われています。
2004年、低密度ポリエチレン(LDPE)の価格は1トンあたり7000元。再生プラスチック顆粒は1トンあたり3800元、その差額は3200元に上ります。その上、中国市場の需要も大きく、全国のプラスチック製品の生産量は当初の104万トンから、2007年には3600万トンになりました。
しかし、プラスチックのリサイクルは高汚染産業です。加工業者が増えるにつれ、大量の農地が掘り起こされ、リサイクル加工業者の廃棄物の捨て場になりました。
回収された廃棄プラスチックはまず水槽に入れられ、翌日別の水槽で一日水に漬け置きします。または直接苛性ソーダや硫酸の中に入れ、洗浄します。これらの汚染物を含む水は、9割がそのまま排出され、河や農地に流れ込みます。村の井戸水は、昔は100メートルまで掘ったら飲めましたが、今は300メートルまで掘らないと飲めないそうです。ちょっとでも余裕のある人は、井戸水は飲みません。飲み水を購入するそうです。
2007年、地元政府は県内初の汚水処理所を建設。しかし村民によると、稼動するのは上から視察が来る時だけだそうです。現在、汚水処理所の門は固く閉じられ、敷地内は草むらになっています。敷地外の大きな溝の中にはピンク色の汚水が未だに残っており、全く処理されていないのが分かります。
また、北京の“第五建築工程有限公司”が投資した工業団地―文安県“東都環境保護産業園”が2008年に完成し、環境保護省の廃棄物輸入許可書も取得。計画では北方地方最大のごみ処理所になる予定でした。しかし、団地内の工場のほとんどは人の影すら見えません。家賃が高すぎで小型工場は入居できないそうです。現在は18社の企業しかなく、団地内の汚水処理所は何年も稼動していないそうです。
新唐人テレビがお伝えしました。
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