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中国 廃棄ダム林立 水災害に拍車

2011年07月18日
 
【新唐人日本2011年7月18日付ニュース】近年、中国の水災害は深刻化を辿る一方です。中国の一人当たりの水資源は世界基準の3分の1未満で、全国7割の都市が水不足に悩まされています。当局が60年間ダム建設を大々的に推進した結果、各地に廃棄ダムが林立しています。しかし、貯水能力のない廃棄ダムの決壊は、土石流を招く恐れがあると専門家は指摘します。
 
中国メディアによると、当局の60年来推進してきた間違ったダム政策により、2億人の飲み水が安全性にかけています。
 
ドイツ在住水利専門家 王維洛氏:「1949年から現在まで、世界の50%のダムが中国に造られ、現在中国の41,000基のダムが不安全です」
 
王さんによると、現在中国で登録済みのダム86,000基のうち、4割が“危険ダム”だそうです。1975年、淮河(わいが)では50基のダムが連鎖決壊を起し、下流の23万人が死亡。雨季が到来すると、中国のダムは貯水できないため、洪水の予防には役立っていません。発電のため、渇水期になると逆に水を貯めます。このようなやり方は、外国とは正反対だといいます。
 
登録済みの86,000基以外にも、中国には破棄された小型ダムが林立しています。発電能力のある一部のダムは地方政府または個人経営になっています。お金にならないダムは放置されているそうです。
 
ドイツ在住水利専門家 王維洛氏:「1949年の時点で中国の960万k㎡にあるダムは30基未満でした。中国の古人はダムに頼らなかったのです」
 
今年、湖南省岳陽市では集中豪雨による土石流で40人以上が死亡。地元村民によると、数年来森林の乱伐、鉱山の開発などで地質環境が深刻に破壊されたうえ、長年未点検だった地元のダムが決壊し、結果土石流が発生したそうです。また、去年、甘粛省舟曲(ドゥクチュ)県で発生した土石流災害では、八つのダムが決壊し、うち一つはやはり廃棄ダムだったそうです。
 
では、なぜこれらの危険な廃棄ダムを撤去しないのでしょうか。王さんによると、お金がかかるからだそうです。中国ではダム政策を推し進めるだけで、解体に必要な費用は経費に加算されていないそうです。三峡ダムも例外ではありません。
 
今年3月から始まった深刻な干ばつ。6月から一転して水害に変わり、長江の中下流では深刻な洪水被害が発生。《中新社》の報道によると、わずか数日間で、江西省は深刻な干ばつから洪水になり、百万人以上が被災。街は冠水し、大量の家屋が損壊し、畑も水に浸かりました。江西省水利庁によると、省内9,700基のダムのうち、貯水能力があるのは200基あまり。ほかは小型ダムだそうです。これらのダムの8,000箇所が決壊の危機に晒されているため、貯水できない状態だそうです。
 
また、江西省は60%の森林被覆率にもかかわらず、森林貯水能力はゼロに近く、雨が降ってもほとんど吸収されないそうです。流域の管理においても統合されていないため、決まった管理条例もありません。また、当局のダム建設の目的は発電による増収のみで、水資源の保護などは念頭にもないといわれています。
 
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2011/07/12/a558604.html. 
(中国語)
 

 

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