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中国44都市 生活用水に発がん性物質【禁聞】

2016年10月28日

【新唐人2016年10月28日】

中国北京の清華大学環境学院がこのほど「水に関する研究報告」を発表しました。中国23省、44都市の水質サンプルを集めて研究を行った結果、すべてのサンプルからリスクの高い発がん性物質が検出されたとして、政府に対し注意を呼び掛けました。一方、政府が企業の環境破壊を放置してきたため、中国のすべての水源がすでに汚染されており、こうしたデータは問題の本質を覆い隠すものだと指摘する声が、専門家から上がっています。

 

報道によると、陳超・副研究員が率いる清華大学の国家環境シミュレーションと汚染コントロール実験室は、過去3年間で中国23省の44の都市と町から採取した水質サンプルを調べた結果、水道に含まれる9種類のニトロソアミン類消毒副生成物のうち、N-ニトロソアミン類(NDMA)の濃度が最も高く、汚染が最も深刻なのは、人口が多い長江デルタ地域であることが分かりました。

 

陳超さんは、検出された700種類以上の消毒副生成物のうち、ニトロソアミン類、とくにN-ニトロソアミン類が人体に最も大きな影響を与えるもので、消化器系のがんを発生させると述べています。

 

西ヨーロッパ諸国やカナダ、オーストラリア、アメリカなど一部の先進国では、生活用水中のN-ニトロソアミン類の含有量が制限されているが、中国の生活用水中にはアメリカの3.6倍に相当する量が含まれており、政府は早急に手を打つ必要があると強調しています。

 

この研究報告をめぐって、中国のネットでは議論が巻き起こっています。

 

環境保護活動ボランティアの張峻峰(ちょう しゅんほう)さんは、水道水を消毒するには塩素系消毒剤を使うのが基本であり、その際、副産物が産出されるが、これらの物質ががんをもたらすかどうかは、現在のところ科学的な定説はないと指摘しています。

 

環境保護活動ボランティア 張峻峰さん:「これまで数十年間にわたって塩素系消毒剤を使って水道水を消毒してきました。しかし、中国でも外国でも、同じです。」

 

環境保護活動家の吴立紅(ご りつこう)さんも、N-ニトロソアミン類などの水道水消毒副産物の危険性は、企業が排出する発がん性物質と比べ、取るに足らないものだと指摘しています。

 

環境保護活動家 吴立紅さん:「私は30年近く水質汚染について研究を行ってきた立場から、断言できます。中国の90%の地下水が汚染されているのですから、地上の水が汚染されないわけがないでしょう。」

 

企業の排出物が地下の深い層を汚染しているため、中国の90%の都市の地下水が汚染されており、有志が「中国癌発症村地図」と題する地図を制作したと、3年前に報道されました。それによれば、「がん村」は247個に上り、毎年200万ケースの新たな癌患者が発生しているとのことです。

 

環境保護活動家 吴立紅さん:「地下水は深い層から浅い層まで汚染されているのですから、地上の水がきれいであるわけがありません。中国の川はみんな汚染されてしまいました。汚染された水を吸収した土壌で作られた小麦や米、野菜、果物などはみんな発がん性物質を含んでいます。」

 

吴立紅さんは、汚染された水と食物を飲食すれば癌を発生したり、病気になると言います。中国社会には水汚染をもたらしている6つの大きな問題があると、指摘します。

 

環境保護活動家 吴立紅さん:「まず第一の問題は社会道徳や責任感の欠如した汚染排出企業。二つ目は政府の調査機関の指導者と汚染企業の癒着。汚染企業を取り締まらないばかりか、違法にかばっていること。」

 

さらに三番目の問題として、環境調査機関がデータを捏造し民衆を騙していること、四番目はメディアや専門家が役人や汚染企業の側について嘘を述べ民衆を騙していること、と述べました。

 

環境保護活動家 吴立紅さん:「五番目の問題は政府が民間の非政府組織の活動を制限し、声を上げられないようにしていること。六番目の問題は政府からの弾圧を恐れて、こうした民間の活動に民衆が参加しないことです。」

 

吴立紅さんは、中国で環境問題を訴えることは、牢屋に片足を突っ込んだようなものだと言います。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/10/22/a1292871.html(中国語)

(翻訳/白白 ナレーター/根本 映像編集/李)

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