【新唐人2016年11月22日】
アメリカ大統領選挙期間中にトランプ氏が中国を猛烈に批判していたため、貿易方面を始め米中関係が悪化するのではと多くの人が懸念しました。習近平との電話会談など、トランプ氏は大統領の風格が増してきたように感じられます。注目を集めている米中関係の行方はどうなるのでしょうか。
トランプ氏:「中国は製造業を通じて我が国に何をしているのか。中国は通貨を操作して人民元を切り下げたが、我々の政府は何も対抗しなかった。中国との貿易協定について始めから話し合う必要がある。」
トランプ氏は選挙期間中、中国の輸出政策や人民元切り下げ、米国の知的財産権の侵害などの問題について、猛烈な批判を浴びせてきました。当選した場合、中国製品に懲罰的な関税を課し、アジア太平洋地域における米軍のプレゼンスを高めると約束しました。
しかし、当選後のトランプ氏の言動は大分軟化しているようです。
ビジネスマンのトランプ氏は利益によって篭絡(ろうらく)される可能性があると分析する人もいました。しかし、共和党全国委員会委員のショーン・スティール氏は、この可能性について否定しています。
共和党全国委員会委員 ショーン・スティール氏:「トランプ氏を操ろうと思っている人は誰もが彼を理解していないと思います。」
スティール氏は、トランプ氏が中国との貿易を優先し人権など核心的価値の追求を放棄するだろうとの考えには何の根拠もないと述べています。
共和党全国委員会委員 ショーン・スティール氏:「トランプ氏はこうした貿易を嫌っています。それなのになぜ人権問題で譲歩をしなければならないのでしょうか。トランプ氏は中国との貿易は不公平で不均衡であると考えています。」
共和党全国委員会委員 ショーン・スティール氏:「トランプ氏は不公平で出鱈目な貿易で中国政府を叩くのではなく、人権問題を使うでしょう。これには中国政府は回答のしようがありません。」
米国在住の著名な政治評論家、陳破空氏も、トランプ氏の当選は中国国民にとって悪いこととは限らず、共産党にとって悪夢の始まりになるかもしれないと指摘しています。
政治評論家・作家 陳破空氏:「トランプ氏は対中貿易赤字を減らし、米中貿易を均衡化させたいと考えています。もしも米国の3000億ドル以上の対中貿易赤字がなくなれば、中国が主張する経済成長はゼロになるでしょう。中国が経済的な打撃を受けたら、中国政府の軍事や独裁政権維持のためのシステムはみな弱体化するでしょう。」
トランプ氏の内閣人事とその核心的理念について高い注目が集まっています。スティール氏は、多くの共和党員や保守派の人々がトランプ氏を支持していると言います。
共和党全国委員会委員 ショーン・スティール氏:「トランプ氏がレーガン運動を経験した人々をこれほど多く引きつけたことは大変喜ばしいことです。スタンフォード大学のフーヴァー研究所は保守派で反共の立場で、メンバーはみな博士号取得者の優秀な人材です。ここからも多くの人が政府に参画します。」
スティール氏は、クリントン氏が中国に同行したビジネスマンは、お金を儲けた後は消え去ってしまったが、トランプ氏の側近となって政策決定に関わる人々は異なると言います。
共和党全国委員会委員 ショーン・スティール氏:「トランプ氏はジョン・ボルトン氏やニュート・ギングリッチ氏を内閣に入れようとしています。彼らはビジネスマンではなく保守派人士であり、中国共産党を信用しておらず、中国の人権問題についても厳しい意見を持っています。」
ボルトン氏は元国連大使で共和党の前大統領候補者ロムニー氏の外交政策顧問でした。ボルトン氏はかつて『新唐人』の取材に対し、中国の政治状況は不確定だと述べました。
元国連大使 ジョン・ボルトン氏:「中国が将来どうなるのか不確定な部分が多々ある。とくに一党独裁が長期的に継続してゆくかどうかは分からない。」
「トランプ氏は中国に対して侮辱的な言葉を発した」との見方に対し、スティール氏は、トランプ氏が言っているのは一部の中国指導者であるのだと話します。トランプ氏は中国人の重要性や悠久の歴史を持つ中国文化がもたらした価値観についてもよ く理解していると言います。
共和党全国委員会委員 ショーン・スティール氏:「アメリカの中華系国民は一般国民に比べ教育水準が高く、離婚も少ないため家族の団結力が強く仲睦まじい。彼らは良い教育を受け、アメリカ国民の価値観と同じように、伝統的な価値観を保っています。中華系住民によってアメリカはさらに強大になることができます。」
スティール氏は、トランプ氏が人権の理念を固く守ることができれば偉大な大統領になれる、と述べ、トランプ氏への期待を込めました。
共和党全国委員会委員 ショーン・スティール氏:「トランプ氏が中国の指導層を変え、中国に民主主義をもたらすことができれば、後世に語り継がれる偉大な大統領となるでしょう。」
トランプ氏が来年1月に大統領に就任した後、どのような執政を行い、どのような変化を米中関係にもたらすのか、注目されます。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/11/20/a1297820.html(中国語)
(翻訳/白白 ナレーター/佐藤 映像編集/李)