【新唐人2016年11月23日】
香港メディアの報道によると、今年の1月から9月にかけて中国から海外へ不正流出した資金は2兆人民元以上に上り、李克強首相は「裏切り者の仕業だ」と批判しました。中国の国有企業は汚職役人を生み出す元凶であり、政治体制の改革なくしては解決できず、政府も苦慮しています。
香港誌『動向』11月号は、今年1月から9月にかけて中国から海外へ不正流出した資金は2兆1400億人民元(約34兆4000億円)に達したと報じました。10月29日、国務院で行われた会議で李克強首相は、資金、資産の不正流出や金融機関の不良資産や貸し倒れの問題は非常に深刻であり、問題の放置と無謀な処置がもたらしたものだと述べました。
李首相はまた、資金や資産などがさまざまな手段で不正に海外へ流出している問題について、十数年にもわたって依然として解決できず、悪循環に陥っているとし、海外流出を可能にする大きな抜け穴が人為的に作られているからだと指摘しました。李首相は「2つの仮面を被る裏切り者がこの部屋の中にもいる。」と厳しく批判しました。
中国金融シンクタンク研究員の龔勝利(きょう しょうり)氏は、「内部参考」にもそうした状況が載っていたと言い、李首相が指摘する抜け穴は確かに存在すると話しています。
中国金融シンクタンク研究員 龔勝利氏:「今日も北京から電話を受けたのですが、北京のある人たちは、雲南でいくつかの投資を計画していると言っていました。その投資は国の事業ではなく、少なくとも10億から数百億(人民元)もの予算がかかると言います。中国の銀行の口座管理が厳しいです。一人の口座で十数億も数十億も入金したらすぐにバレてしまいます。こんな莫大な資金がどこから出てくるのか疑問です。」
昨年UBSの首席経済学者の汪濤氏が見積もったところでは、昨年中国から海外に流出した資金も2兆人民元と多額に上っています。
しかし昨年、全人代、政治協商会議両会が開催中には、中国中央銀行の周小川(しゅう しょうせん)総裁は、中国資本の海外流出問題は深刻ではなく、すべて正常な行為だと述べていました。
米サウスカロライナ大学教授の謝田氏は、李首相が「裏切り者」と繰り返し述べているにも拘らず逮捕しないのは、経済面における当局の支配権が強くないことの表れだと指摘しています。
この1週間の間に、米大統領選挙が終わり、人民元の対ドルレートが下落しました。これらにより、資金の海外流出のスピードも加速化するでしょう。龔氏は、トランプ政権が発足した後には資金の海外流出はさらに加速化するだろうと指摘しています。
中国金融シンクタンク研究員 龔勝利氏:「トランプが大統領に就任すれば、国内で大規模な建設計画を行うでしょう。かつて中国がアメリカから大量の資金を誘致したように、建設には資金が必要です。さらにドルが急騰しており、ドルがアメリカに戻ってゆき、国際通貨となった人民元が米国市場に投資されることは、当然のことです。」
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/11/19/a1297642.html (中国語)
(翻訳/白白 ナレーター/根本 映像編集/李)